老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1130;喪  失

2019-05-29 08:29:22 | 阿呆者
夕暮れから暗闇へ

喪  失

『失はれる物語』のなかで
暗闇と無音のなかに置かれ肉塊となったとき
自分は、どう思い 生きる意味を見出せるのか
何もできず物体と化した自分の躰は
「生きる屍」となり、生きることに苦悩してしまう。

喪失は
失うだけでなく
悲痛な感情を癒すことも容易ではない。

翼を折られた鳥のようでもあり
日照りが続き雨を欲する土のようでもあり

失ったものは還ることはなく
悲しみの泪は、乾くことを待つ。

子どもは空に向かい
飛び立つ創造の世界

老人は海に向かい
渦巻きに沈む喪失の暗闇。