老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1129;老いても認知症になっても、親は子を心配する

2019-05-28 16:21:38 | 老いの光影 第5章
老いても認知症になっても、親は子を心配する

子は親に従い
老親は子に従う

そうは言っても
老いた親は
どこまで行っても
親は親であり
子を想う気持ちは変わらない

老いても
認知症になっても
他人様の世話を受けても
老いた親は
定年間際の子を心配する

お腹を空かして
学校から帰って来る、と
深夜に米をとぎ炊飯する老母





1128;環境が変るだけでも、認知症状は急激に進む

2019-05-28 10:19:03 | 老いの光影 第8章 認知症老人の世界
環境が変るだけでも、認知症状は急激に進む

実際にあった話
下山佳子さん(85才)は、悪性リンパ腫を患い
この先どのくらい生きられるかわからない
本人に告知されたが
病名も告知も忘れている。

いままでは長男夫婦と同居していた。

同じ市内に住む次女が
引き取り、「介護」する、と言って
次女夫婦宅で暮らすことになった。

次女宅には、次女の夫、孫息子、孫娘2人、次女の夫のお母さんが住んでいる。
次女宅の姑は、介護の世話を受けていなく、自立している。
娘が嫁いだ家には姑がいる。
普通ならば同居するであろうか・・・・。

佳子さんは、認知症があるため、その辺のところが理解できずにいいるから、
次女夫婦家族と同居できるのかもしれない。

佳子さんにとり、次女宅の家のなかは、
他人行儀の家であり、思い出の物も無く、
自由に足を伸ばしたり躰を横にできるような居心地さはなかった。

長男夫婦宅から次女夫婦宅に移り棲んだことも彼女はわからず
長男夫婦宅に居ると思っている。
「頭」でそう思っていても、躰は嘘をつかず、表情は硬く、
他人行儀の雰囲気に置かれ、何もせずにただ坐っているだけ。

何もせずにいることが、認知症の進行に拍車をかけている。

住環境が変わっても、認知症にならない老人もいる