老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1120;幸せは金で買えるが、金で買えないものがある

2019-05-23 05:24:19 | 読む 聞く 見る
浅田次郎『天国までの百マイル』講談社文庫


幸せは金で買えるが、金で買えないものがある 

事業に失敗した40歳の中年社長の城所安男。
いまは社長ではなくなりダメ男
重い心臓病を患った老母を、
安男はポンコツワゴン車に乗せ、100マイルの路をひた走る。

老母は、女手ひとつで、4人の子どもを育ててきた。
おかあちゃんはいつだって、自分の命と引きかえに飯を運んできたのだ。
だから子供がひとりひとり石神井のアパートを巣立って行った・・・
(199頁)

それが貧乏の有難さというやつさ。
金で買えないものがあるってことを。
貧乏人はよく知っている。
(277頁)

幸せは金で買えるが、金で買えないものがある。
それは何か・・・・。
親子の愛情や家族の絆であり
親は命を削りながら
我が子の夢や希望を叶えられるよう応援してきた。

幸せは、身近なところにる
安男と2年間同棲したマリコは、幸せについて話す。
小さな幸せならあげられる。
おふろで背中を洗ってあげたり、耳そうじをしてあげたり、
おいしいものを作ったり、ときどき気持ちいいことをしてあげたりね。
(257~258頁)

マリコの幸せは、お金では買えない。

自治医科大学附属病院の待合室で 天国までの百マイル を読み終えた。


コメント
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