浅田次郎『天国までの百マイル』講談社文庫
幸せは金で買えるが、金で買えないものがある
事業に失敗した40歳の中年社長の城所安男。
いまは社長ではなくなりダメ男
重い心臓病を患った老母を、
安男はポンコツワゴン車に乗せ、100マイルの路をひた走る。
老母は、女手ひとつで、4人の子どもを育ててきた。
おかあちゃんはいつだって、自分の命と引きかえに飯を運んできたのだ。
だから子供がひとりひとり石神井のアパートを巣立って行った・・・(199頁)
それが貧乏の有難さというやつさ。
金で買えないものがあるってことを。
貧乏人はよく知っている。(277頁)
幸せは金で買えるが、金で買えないものがある。
それは何か・・・・。
親子の愛情や家族の絆であり
親は命を削りながら
我が子の夢や希望を叶えられるよう応援してきた。
幸せは、身近なところにる
安男と2年間同棲したマリコは、幸せについて話す。
小さな幸せならあげられる。
おふろで背中を洗ってあげたり、耳そうじをしてあげたり、
おいしいものを作ったり、ときどき気持ちいいことをしてあげたりね。(257~258頁)
マリコの幸せは、お金では買えない。
自治医科大学附属病院の待合室で 天国までの百マイル を読み終えた。