HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

心をこめて

2010年05月18日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小6):
今年も、7月に行われるコンサートでは、全員が ソロを含め5~6曲の持ち曲を持っています。
Mちゃんも同様なのですが、その中で、今Mちゃんが一番力を入れているのは、仲良しのM3ちゃんとデュエットする「YELL」です。
レッスン室に入ると 開口一番、Mちゃんはききます。
「何からやる? YELL?」
「うーん・・・まずソロの曲からやろうかな」と先生。
ソロのレッスンが終わると、Mちゃんはききます。
「次、何やる? YELL?」
うん・・・じゃ、YELL・・・」
毎週、こんな具合です。

「YELL」を弾いているときのMちゃんは、一心不乱、という表現がぴったりです。
「いい?M3、いくよ?」と弾き始め、やり直し、とかになると、
「じゃ、ここからもう一回いくよ? いい?いい?いくよ?」と真剣そのもの。
指示を待つのではなく、自分でどんどん、よりよい音楽に向かって手を伸ばしている、という感じです。
Mちゃんの弾くピアノの音色は、週を追うごとに美しく練られていっていて、普段も心をこめて、くり返し弾いているんだろうな・・と思わせられます。

子どもが、こうして心から音楽に浸り、純粋な気持ちで身を投じている姿を見るとき、それは単なる「おけいこごと」ではなく、ある意味での魂の昇華 あるいは浄化の域に達しているのではないでしょうか。
そしてそれは、技術の上手下手、経験の長い短いなどとは あまり関係ないと思うのです・・・

初めての耳コピ作品・完全版

2010年05月18日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小6):
最近 とみに大人っぽいセンスを見せ、しっとりと美しい表現力が磨かれてきたM3ちゃん。
本当に、ピアノを楽しんで弾くようになりました。
今日だって、レッスン室に入ったら即ピアノに直行し、鮮やかに伴奏をつけながら 軽快な曲を弾き始めました!

 ♪ブンチャ、ブンチャ、ブンチャ、ブンチャ、
 ♪ソーファミファ ソソミ、 ファーミレミ ファファレ、
 ♪ドレミファソソソ、 ジャーン!

「これ、『おなら体操』だよ!」横からMちゃん(小6)が言いました。
そうか! そういやそうだ。どっかで聞いたメロディーだと思った・・・
「M3、こればっかり弾いてるんだよ。しかも、1年生にこれ教えてるんだよ」とMちゃん。
「そうなんだ!M3ちゃん、これ耳コピしたの?」
「うん」
「そりゃいいね!じゃ、耳コピ初の作品が『おなら体操』ってわけだ?!」
「そうかも」
こう言いながら、なおもM3ちゃんは弾いています。
「そうだ!夏の発表会で、初の耳コピ作品を発表しよう!コレ弾いて歌って踊れば?!
「やだ

M3ちゃん、耳コピは すばらしい能力のあらわれです。
ぜひ、どんどんいろんな曲を耳コピしてね。

ドラクエ最後まで弾いた

2010年05月18日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小5):
「ドラゴンクエスト序曲」。序奏のファンファーレを含めて、3ページの楽譜です。
Tくんの一番得意な部分は、冒頭のファンファーレのところ。
ここは本当に上手になり、ゆとりさえ感じさせる堂々とした演奏になってきました。
続くテーマの部分・・・ メロディーはとても上手です。
左手の流れもよくつかんでいると思います。
なのに一緒になると、ちょっと不安・・・?
この調子で、目をつぶっても弾けるぐらいに両手それぞれ繰り返してみましょう。
そうして、1小節、いやその半分に区切ってもいいので、小さな単位で、完璧に引ける部分を作り、それを積み上げて行きましょう。
地道な努力こそが、結局は一番の近道なのです。

そして、それとは別に・・・
「半分まではやってあるんだよね。右手だけ、先に進んで弾いてみてごらん」
Tくんが「まだやってない」という、続きの所も、先生は弾き進めるように言ってみました。
「えっ、この続き?」と言いながら、Tくんは真剣に楽譜を見つめ、弾き進めていきました。
実を言うと、つぎの部分も、テーマが繰り返されているだけなのです。
楽譜は ややこしくなってきていますが、それは左手が変化して難しくなってるから。右手のメロディーは、さっきと変わりないから、実はTくん弾けるはずなのです。
でも真剣になってるTくんは、あんまり気づいてないみたいです。
一つ一つ、丁寧に音符を読んで、Tくんは弾いていきます。時折、「あ、ここは、さっきのところと同じかな?」などと気づく箇所もあり、でも、新しく新鮮な感じで和音などを読み、音を取って、今のTくんはすっかり 未知の旅に出た「冒険の旅」の旅人です。
「まだまだ先もね」
ページが終わっても、先生が言うので、ページをめくり、最終ページに突入です。
このページも、Tくんには意外なことに 結構かんたんに弾けて(同じだから)とうとう、終点が目前になってきました。
最後は、締めくくりのワンフレーズ。ここは本当に新しいメロディーだけど、ゲームを通して聴いたことはあるだろうから大丈夫。
「最後まで弾いてね」と先生。
「うわ、もうすぐ最後だ」と高揚するTくん。がんばれ。
ついに、最後の和音を響かせて、右手を完奏した!
「やった~\(^O^)/」とTくん。
「やった~\(^O^)/」と先生。
こういうときって、初めて25メートル泳ぎ切ったときと同じ気持ちだと思うな。
水中で、1メートルぐらい向こうに、プールサイドの壁が見えてきて・・・もうちょっとだ・・・届いた! みたいな。
がんばったね。Tくんはできるんだよ。旅は苦しいこともあるけど、達成したときの喜びは大きい。
この達成感を、開放感を、どこまでもつかまえに行こう!

トトロメドレー ~ メドレーって

2010年05月18日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
「となりのトトロメドレー」。
「さんぽ」「風のとおり道」「となりのトトロ」の3曲がメドレーとなった、楽しいジブリの曲を発表会で弾くことになっています。
最初の「さんぽ」は、大体弾けるようになっています。
2番めの「風のとおり道」は、半分くらいまで伴奏がついています。
そして最後は、元気な「となりのトトロ」。

メドレー曲というのは、パフォーマンスとしては ちょっと難しいものです。「分が悪い」といった方が、わかりやすいかもしれません。

演奏時間が同じぐらいで、メドレー仕立てのものと 1曲だけのものとを比べてみましょう。
メドレーだと、1つずつの曲は短時間で終わってしまうわけですから、あまり派手に展開したり盛り上げたりという時間がありません。次々と曲が続くのですから、1つずつの曲はアッサリまとめて「はい次の曲、はい次の曲」と進めていかなければなりません。そのくせ、どんなに短くても1曲は1曲なので、譜読みや練習は曲数分しなければならないわけです。

その点、同じ時間でも1曲だけなら、最初の譜読みや練習をすると、それが全曲通してほぼ一貫していますから、最初にマスターしたフレーズやテーマを応用したり膨らませたり表現をつけたり、ということにエネルギーを費やすことができます。結果、完成度の高い、そして華やかに引き立つ演奏ができるということになります。
1曲だけでプログラムを組んでる人が 総仕上げの磨きをかけている頃、メドレーの人は まだ何曲目かの譜読みに取りかかったところだったりして・・・?!

そう、メドレーって「労多くして効少なし」・・・つまり「準備がすごく大変なのに、そうは見えず効果が引き立ちにくい演奏方法」なんですよね・・・
はっきり言って 損・・・
じゃ、そんな、少しもお得にならないメドレーを、なぜTちゃんに?
それはね、ひとつには、Tちゃんが「これが好き」と言って本をもってきたからです。
「好き」という気持ちは、あらゆる困難に打ち勝つ最強の武器だから。
私は、Tちゃんの武器にかけてみたい気がしたのです。
でもそれだけじゃありません。
いくら何でも、「好きの武器」だけ持たせて、子ども一人 戦いに出すようなことはさせませんって。
ある「勝算」みたいなものも、かすかにひらめいたからです。それが決め手になり、「トトロメドレー」の実現に踏み切りました。

Tちゃんが、大好きなトトロの曲たちをいっしょうけんめい練習してくれたら。
そしてそれに先生が間合いとかタイミング、表情などをアドバイスして、両者の力を合わせて完璧なパフォーマンスを完成することができれば。
そのときには、1曲だけの演奏にはない、たいへんおしゃれでスリリングで、それでいてユニークな魅力あふれる作品になるはずなのです。
Tちゃんと先生でがんばれば、なんとかそこまで持っていけるんじゃないか

技術的には、ずいぶん上達し 読譜力もついてるところを見せて、嬉しい驚きと安心を提供してくれてるTちゃん。
ただ一つの不安は、彼女が 「ちょべり~マイペース」で、「風のとおり道」の曲みたいにまったりしてること・・・
遅刻してもへっちゃら~で「あれ~?もうそんな時間?」と、全く動じない大人物のTちゃん。。。
あのね、Tちゃん、Tちゃんにがんばって練習してもらうのは第一なんだけど、今回は、先生との切磋琢磨タイムが いっぱい必要なんだ。
せめてレッスン時間は、めいっぱい使えるように、もうちょっと早く来ておくれ・・・