HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

おみみM3ちゃん

2010年09月21日 | レッスン日記(小中高生)
M3ちゃん(小6):
先週、去年のハロウィンの時にお菓子が入っていた空き箱を「ほしい」というので あげたら、今日、その中にホットケーキを作って入れて持ってきました。
Mちゃんと二人で、箱の中のホットケーキをちぎって食べて「もっさりしてる!」と言っています。
「もっさりしてるよ。先生も食べてみればわかるよ」というので、味見させてもらったけど、これはね、温めて、バターとシロップかければ、ちゃんとしっとりしたホットケーキだよ。
このように、食いしん坊でゆかいなM3ちゃんなんですが、このところ彼女のピアノはすばらしい進歩を見せている。

テキストの「大人のピアノ曲集」を開く間もなく、M3ちゃんは「これ弾いてみた」と、一番終わりから2番目の曲「ダイアナ」を弾き始めました。
「宿題の『茶色の小びん』が簡単だったから」
「余力で弾いてみたんだ?」
「うん」
前にMちゃんが弾いているのを聞いていたからでしょうか、よくフィーリングをつかんで、いいノリで弾けている!
そう、M3ちゃんはかなりの「おみみちゃん」なのです。
 ※「おみみちゃん」については、HP「ピアノのすすめ・POCO A POCO通信」の「音楽のツボ」にコラムがあるので読んでください。
おみみちゃんの良いところは、楽譜にとらわれない、ごきげんなノリとフィーリングの演奏ができることです。
「ダイアナ」のポイントを指導し、来週仕上げてくるように、と、これが正式な課題に昇格しました。
「これも弾ける」
次にM3ちゃんが弾いたのは、一番最後の曲「くまんばちのブギ」だ!
半音階の連続のこの曲も、あっさり「来週仕上げ」の宿題に加わりました。
「あと、これもいいな」
「光りと闇の踊り」。これも上手に弾けています。
宿題の「茶色の小びん」はもちろん一発でOK。
先週終わった「黒い瞳」は、とても情熱的に美しくレベルアップしています。
「M3ちゃん!すごいよ。これじゃ、すぐにこの本終わっちゃうじゃない!そうだ、来週で9月が終わりだから、9月中に全部終わらせちゃう?」
「あ、ほんとだ。もう残り少ししかない」
「ねーっ?もうどんどんできちゃうんだから、いくらでもたくさんやっておいで」
2年前、M3ちゃんが初めてヒバリ教室にきたとき、私は 彼女のピアノのレベルと、持っている音楽性との間に、何か違和感を感じていました。
そのころのM3ちゃんのピアノは、どうもパッとしないし音符はよく読めないし・・・という状態だったのにもかかわらず、本当のM3ちゃんは こんなんじゃない。という匂いみたいなものを、いつも感じていました。
それがどうでしょう。6年生になった今は、彼女本来の音楽性があふれるようにわき出していて、自由にのびのびとピアノを弾きこなしています。
音楽が好き!ということが、体中から発散しているような彼女のピアノ。
よしっ、これで軌道に乗ったな という手応えを感じます。
これから、彼女の本当の音楽ライフが広がっていくといいな~

Mちゃんの楽典

2010年09月21日 | レッスン日記(小中高生)
Mちゃん(小6):
毎週レッスン室に入ると マンガの本棚に直行し、即行読書に没頭しているMちゃんですが。
ピアノはよく練習してきていて、感心です。
ブルクミュラーの「進歩」が終わって、新しく「清らかな流れ」が宿題、ということになっていたのですが、ピアノの前に座ると、言われもしないのに「進歩」を暗譜で弾き始めました。
「うわー、すごい。暗譜したんだ」と感心しながら見ていると、最後まで弾き終わったMちゃんは
「わーい、やったー。暗譜で弾けた!\(^O^)/」と喜んでいます。
「暗譜で仕上げてきなさい」と宿題に出されたわけではなく、丸になった曲にもかかわらず その後さらに自分で何度も弾き込んだからこそ、暗譜したのでしょう。
自分から弾いている、という点が、何よりすごいところです。
新課題になっていた「清らかな流れ」も、前半まではほとんどもう覚えているようでした。
後半を 右手・左手別々にパート練習すると、ほぼ全部が覚えられたようです。
Mちゃんは、音楽を感じて取り込むのがとても早いし、ごく自然に覚えています。
音楽には、いちいち説明するととてもやっかいなきまりごとみたいなものがあります。
文章で言えば「文法」みたいなもので、楽曲を構成している小節の数とか、和音の性質や並び方とか・・・
Mちゃんは、無意識に その規則を理解していて、それにのっとって音楽を捕らえているのだと思います。
多分、本人にそう言うと、
「えっ、そんなこと、私ちっとも知らないよ」と言うでしょう。
文法みたいな・・音楽では「楽典」「楽式」というのですが・・・それは、分厚い本で勉強して、「こう書いてあるからこの記号をまもりましょう」などというのでは逆だと思います。
Mちゃんみたいに、無意識のうちに「なぜだかわからないけど、この流れがこうなってると思った」と感じて演奏したら、それが楽式の正当なスタイルだった、というようなのが理想の姿であるべきだと思っています。

おにいちゃんの場合

2010年09月21日 | レッスン日記(小中高生)
Tくん(小5):
今日、Tくんは 学校からコンサートを聴きに行ったとのことで、少し遅れてやってきました。
小学生のうちから、一流の演奏会を聴くのはとてもいいことですね。
なにも「クラシックに親しんで」とか「高尚な芸術を知ってもらいたい」とかではなく、ただただ音楽を楽しんだら それでいいのです。
静かな音楽にリラックスしたり、生き生きしたテンポの音楽に高揚したり、それで充分なのですから。
どうも日本人は、なんでも「お勉強」にしてしまう特性がありがちですが、音楽は純粋に楽しみ、体で感じればいい。
「これ聴くと踊っちゃう」「この曲聴くとゴハンがおいしい」これでいいのです。
Tくんが 今日の演奏会をどう感じたかは聞くの忘れましたが・・・

ところで、妹のTちゃんが「控えめである」「自信がない」ということを、「妹だからかもしれない」と分析しましたが、おにいちゃんのTくんの場合はどうでしょうか。
Tくんの場合、男の子ということもあり さすがに冒険心は旺盛です。
Tくんは、いろんな意味で とっても「男」!
いさましく、勇気あり、力強く、心は熱く、しかも優しい。
一方、プライド高く、一本気(つまり おだてに弱く、単純ということ)。

こんなTくんを新しい課題に臨ませるときには「この曲、かっこいいよ」「どう?この迫力!」と かっこよさをアピールすれば充分です。
「すごいでしょ!それなのに実は簡単」と、ちょっぴり安心させてあげれば、もう彼の心は私の手の内。
男の子の特徴「プライド高い」と「単純」を交互に利用してレッスンしていけばOKです。
妹のTちゃんと二人で来ているので、できるだけ妹の前で恥をかかせないように、ということもポイントです。
注意事項やダメなところは伝えつつも、おにいちゃんの尊厳は守る、という方法でレッスンを進めています。

しかしTちゃん同様、彼もまた 成長するにつれて、自分の実力や可能性、ほかの人との関係などを 徐々に認識するようになっていくでしょう。
実は妹が、そーんなに幼くはないんだ・・・ということも、いつか気づくかもしれない。
チンタラしてる間に、真面目に努力してきた妹が、自分の弾けないような曲を弾いちゃう日も 近々来るでしょう。
でも、そんな時に男の子が言うセリフはこうです。
「女はマジメだからだよ!」
そうして発奮した男の子は、驚異の集中力と強引な体力に物を言わせて、あっと驚くような大曲をものしてしまう。

こうして、わがヒバリ教室では、これまでにたくさんの男の子たちが ピアノの達人となっていったのです・・・

ウォーリーTちゃん・本日の課題

2010年09月21日 | レッスン日記(小中高生)
Tちゃん(小3):
ウォーリーズの初代リーダー「ウォーリー1号」のTちゃんは、先週に引き続き今日も「ひいて歌って」の曲集を忘れてきました。
せっかく「この曲がいい!」といって宿題になった「星空はいつも」なのに残念です。
かわりに、このときとばかり「バーナム」に集中してしごかれました。
Tちゃんは、どちらかというと 新しい課題や難しそうな課題には「難しそう!」と気後れしてしまうタイプかもしれません。
バーナムも、細かい音符がいっぱい書かれていると「うわ~、すごい。難しそう・・・」とひるんでしまいます。
けれども、落ち着いて楽譜をよく見て、ひとつひとつ弾いていくと、意外にスラスラ弾けてテクニックも読譜力もあることが確認できるのです。
自分の実力を過信せず、うぬぼれず、淡々と力を発揮する・・・これはTちゃんの素敵なところだなあ、と思うし、また同時に「もうちょっと自信もってもいいのに。もうちょっと、思い切って難しいことにも飛び込む勇気を出せばいいのに」と もったいなくも感じます。

子どもたち(大人もだけど)は、いろんな場面でいろんな個性を見せてくれますが、どんな課題に魅力を感じるか、ということに限っていうと、大きく二つのタイプに分けることができます。
「簡単なこと」だと安心して取り組めるタイプと、「難しいこと」だと発奮してがんばるタイプ。
Tちゃんは、前者ですね。
だから、Tちゃんに新しいことをやらせようと思うときは
「ほら、見て。こんなに簡単なんだよ」ということを強調して騙(だま)し(?)、難しいこともさせてしまうようにリードしています。

Tちゃんが、おにいちゃんを持っている「妹」であることが、こうした「控えめさ」あるいは「自信のなさ」に影響を与えていることもあるかもしれませんが、彼らが成長するにつれて 各々 自分の力や可能性、他の人とのかかわりなども知っていくでしょうし、新たな勇気も育ってくることでしょう。

ここでヒバリ先生は、一つの予言をしてみたいと思います。
Tちゃんがもっと大きくなったとき、「イヤな女」になることは100パーセントないでしょう。
たぶん、実力はあるのに控えめな、すてきな女性に成長するだろうと思っています。
おっと! しかし「ウォーリーズ」のまんまではダメだ!「信頼」が得られんぞ。