Sちゃん(小1):
「今日ね、ママにないしょで持って来ちゃったものがあるの!」
レッスン室に入ってすぐに、Sちゃんがそーっとカバンから出したのは、大人のためのピアノ初歩曲集でした。
「ママの本なんだけど、これをひいてみたから!」
Sちゃんはピアノの譜面代に楽譜を広げました。
ヴィヴァルディの「四季」より、「春」を易しくアレンジしたものです。
Sちゃんは 器用に「春」のメロディーを弾きました。左手の伴奏も簡単なので、両手で弾けます。
「終わりのほうは、わからないの」
最後の方は 左手なしのメロディーだけになって・・・アレ? ちょっとメロディーがヘンだね?
せっかくがんばって大人の本を弾いてみたんだから、この最後のところを、きちんと弾いてみようよ、と持ちかけ、一緒に楽譜を読んだり手拍子でリズムうちをしたりして、メロディーを正確に弾くように指導しました。
そうやって丁寧にやってみると、聞き覚えたメロディーになったのでしょう、Sちゃんは「ああ~!」と言って、元気よく自信をもってメロディーを弾きました。
「左手も、最後まで弾いたら?音符も読めるし 弾けると思うよ?」
「う~ん・・・」
Sちゃんは、ちょっと気後れしているみたいでしたが、先生に励まされて、楽譜を読み始めました。
音符の位置を確かめ、五線を「1、2、・・・」と1本1本数えて、音符を読みとっていきます。
Sちゃんは先月「バーナム」の基礎編の本をもらって、練習を始めています。
バーナムはとても好きなようで、音符も迷わずに読んでスラスラと弾いています。
けれども、こうやって 違う本、違うレイアウトやフォントの楽譜を見ると、バーナムでスラスラ読めているはずの音符も、即座にそれを応用して、ということは難しいらしい。
「えーっと・・・」と詰まったり、ヤマカンで弾こうとしたりしてしまいます。
耳になじんだ歌や、聞いたことのあるクラシックの曲などがピアノで弾けたら、とても楽しいでしょう。
楽譜がスラスラ読みこなせたら、そういう曲がどんどん弾いていけます。
そういう基礎力や読譜力が自然に身についていくようにと、レッスンで「バーナム」を使っています。
小さい生徒たちは、バーナムはバーナム、ほかの本はほかの本、と切り離して考えているのか、「応用する」ということに いまいち無頓着なことが多く、面白いです。
曲の中で初出の音に「うわ、高いねえ!」などとびっくりしているので「バーナムで弾いたじゃない?この高いド」などと思い出させると、やっと「ああ、そうか」と 両者を結びつけて考えることができたりします。
「バーナム」で基礎の楽典や読譜、指のテクニックなどを学び、その他の曲に応用していけるよう、時間をかけて指導していきたいと思います。
「今日ね、ママにないしょで持って来ちゃったものがあるの!」
レッスン室に入ってすぐに、Sちゃんがそーっとカバンから出したのは、大人のためのピアノ初歩曲集でした。
「ママの本なんだけど、これをひいてみたから!」
Sちゃんはピアノの譜面代に楽譜を広げました。
ヴィヴァルディの「四季」より、「春」を易しくアレンジしたものです。
Sちゃんは 器用に「春」のメロディーを弾きました。左手の伴奏も簡単なので、両手で弾けます。
「終わりのほうは、わからないの」
最後の方は 左手なしのメロディーだけになって・・・アレ? ちょっとメロディーがヘンだね?
せっかくがんばって大人の本を弾いてみたんだから、この最後のところを、きちんと弾いてみようよ、と持ちかけ、一緒に楽譜を読んだり手拍子でリズムうちをしたりして、メロディーを正確に弾くように指導しました。
そうやって丁寧にやってみると、聞き覚えたメロディーになったのでしょう、Sちゃんは「ああ~!」と言って、元気よく自信をもってメロディーを弾きました。
「左手も、最後まで弾いたら?音符も読めるし 弾けると思うよ?」
「う~ん・・・」
Sちゃんは、ちょっと気後れしているみたいでしたが、先生に励まされて、楽譜を読み始めました。
音符の位置を確かめ、五線を「1、2、・・・」と1本1本数えて、音符を読みとっていきます。
Sちゃんは先月「バーナム」の基礎編の本をもらって、練習を始めています。
バーナムはとても好きなようで、音符も迷わずに読んでスラスラと弾いています。
けれども、こうやって 違う本、違うレイアウトやフォントの楽譜を見ると、バーナムでスラスラ読めているはずの音符も、即座にそれを応用して、ということは難しいらしい。
「えーっと・・・」と詰まったり、ヤマカンで弾こうとしたりしてしまいます。
耳になじんだ歌や、聞いたことのあるクラシックの曲などがピアノで弾けたら、とても楽しいでしょう。
楽譜がスラスラ読みこなせたら、そういう曲がどんどん弾いていけます。
そういう基礎力や読譜力が自然に身についていくようにと、レッスンで「バーナム」を使っています。
小さい生徒たちは、バーナムはバーナム、ほかの本はほかの本、と切り離して考えているのか、「応用する」ということに いまいち無頓着なことが多く、面白いです。
曲の中で初出の音に「うわ、高いねえ!」などとびっくりしているので「バーナムで弾いたじゃない?この高いド」などと思い出させると、やっと「ああ、そうか」と 両者を結びつけて考えることができたりします。
「バーナム」で基礎の楽典や読譜、指のテクニックなどを学び、その他の曲に応用していけるよう、時間をかけて指導していきたいと思います。