HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

Sちゃん・楽譜の書き方

2017年01月24日 | レッスン日記(小中高生)
楽譜というのは、とても大事です。
昔は 便利な録音とかデータ保存、なんてなかったから、ほかの人に音楽を伝えたいときは楽譜を書くしかありませんでした。
現代の私たちが、バッハやベートーヴェン、ショパンなど昔の作曲家の作った曲を弾くことができるのは、彼らが詳細な楽譜を書いて遺してくれたからです。
楽譜の大事さがよくわかりますね。

Sちゃん(中1):
いずれ聴音(ちょうおん=メロディー、和音など「を聞き取って、楽譜に書き取ること。)などもやりたいということで、まず手始めに、思っているメロディーを正しく書けるかどうかやってみました。
真新しい五線ノートを広げたSちゃんに、先生は言いました。
先生「何書こうかなあ・・・そうだ、『チューリップ』を楽譜に書いてごらん」
Sちゃん「え、チューリップ?えー、わかんないー。どうやって書くのかなあ(汗)」
先生「ほかの人が見て弾いたときに、ちゃんと『チューリップ』の曲になるように書くんだからね。何の音でどのように弾いたらいいか。自分で考えて書いてみて。」
Sちゃんは「うーん、うーん」と大苦戦しながら書きはじめたのですが・・・
先生「どれどれ・・・ドー、レー、ミー...?そうね、それはいいけどさ。そんなにどんどん書いちゃダメじゃん。ドレミドレミソ~じゃリズムがわかんない。そうそう、ドレミ、ドレミ、ってお休み書けばちゃんとリズムができたね。で、それは何拍子なの?4分の4拍子?そうそう。じゃそう書いて。最初にだよ。・・・って分数じゃないんだから、4と4の間に線なんか書かないの!」

と、こんな調子で四苦八苦しながらも、ようやく「チューリップ」のメロディーを最後まで書き終わりました。
が、五線譜の端から行き当たりばったりに書いていったので、2段目の半分くらいで曲が終わってしまい、五線の右側が山ほど余ってしまってます。
点になった目でぼんやりとそれをながめたSちゃんはどうしたか。
「どうしよう・・・こんなに余っちゃった・・・そうだ、塗りつぶしちゃおう」
「ダメだよー、塗りつぶしちゃ!」
エンピツを握りしめたSちゃんを押しとどめ、最初にト音記号と拍子記号、場合によっては調子記号も書いたら まず小節割り。五線譜の最後を縦線で締め、段の真ん中で一区切り、さらにそれを半分ずつに区切ったら、1段4小節ずつの整然とした五線譜ができるでしょ?!ってところから伝授しました。
Sちゃん、自分のミスを指摘されるたびに「アハハ、アハハ」と大爆笑した後は「あぁ~、なるほど~」と感心しています。
ちゃんとした楽譜を書けるのはいつの日か。

千と千尋の神隠しみたよ!

2017年01月24日 | レッスン日記(小中高生)
Cちゃん(年中):
教室に入るなり「千とちひろの神かくし、みたよ!」と興奮気味に言いました。
「ああ、テレビでやったのかな?」
「うん、テレビで見た!」
映画を観た印象が忘れられない、といった様子のCちゃん、いきなり言いました。
「弾きたい!」
「ああ、千とちひろの歌・・・♪ラララララ~ラ ラララ・・・っていう歌?」
「うん、それ!弾きたい!」
「楽譜書いてあげようか?」
「うん!」
そこで先生は、書架から 幼児用の太い五線が印刷してある ミッキーの絵のついたノートを探し出し、Cちゃんが読める音域のハ長調で 大急ぎで楽譜を書きました。
Cちゃんが読めるのは 中央ドから上を右手、下を左手と 両手でメロディーを分担して弾くスタイルの楽譜なので、使うのはト音記号とヘ音記号が併記された「大譜表」です。
大きい音符で、大譜表に書いていくと、1ページはすぐに埋まってしまいました。
先生はそのページを切り取って、次のページに続きを書きます。
まだまだ曲は半分までしか来ていません。
2ページ目も切り取って、次は3ページ目です。
「ああん、ミニーも使ってよー」
Cちゃんが注文をつけます。見ると、ページの上はしっこに、1ページごとにミッキーとミニーの絵がちっちゃくついているのです。
なるほど、偶数ページばかリ使っているとミッキーばかりになってしまうのか・・・
そこで3ページ目はページを裏返し、ミニーの絵のページに。
さらにもう1枚、ミニーのページを使って、合計4ページの「千とちひろの神かくし」の楽譜が出来上がりました。
Cちゃんはそれをピアノの譜面台に丁寧に並べ、真剣な顔をして弾き始めました。
Cちゃんのレベルにしては すっごく難しい「千とちひろの神かくし」だけど、すごい集中力で、Cちゃんは長い時間かかって とうとう最後まで音符を読んで弾きとおしました。
「やったー!『千とちひろ』の歌になったね!」
「うん!」
Cちゃんはほんとに嬉しそうです。
Cちゃんの心の中には、映画で見た「千とちひろ」のイメージが、そしてそのときの素敵な気分が、ありありと浮かんでいるのでしょう。
こういうのって、本当に素晴らしい音楽の世界だと思いませんか。

ピアノを端から端まで弾いてみる♪

2017年01月24日 | レッスン日記(小中高生)
Hちゃん(小3):
「バーナム」で、今年のはじめぐらいに「半音階」の課題に当たっていました。
半音階進行は、これまでにも断片的に出てきたり、短い距離で出てきたり、と何度か経験していますが、指使いは決まっていて、その規則性を覚えてしまえば、初心者でも練習次第で、いくらでも長く・そして速く弾けるようになることも可能です。
Hちゃんが この半音階進行、そして簡単な指使いで速いスピードで弾く、ということに快感を感じているようだったので、これを刺激してみようと思いました。

先生「この指使いさえ間違えなければ、この楽譜の分だけじゃなく、もっといっぱい、どこまででも弾けるんだよ。(2オクターブぐらい弾いてみせる)」
Hちゃん「ほんとだ!」
先生「ピアノの端から端までだって弾けるんだよ! ちょっとやってみる?端から端まで、黒いのも白いのもぜーんぶ弾いてみて。そうだ、どれくらいの時間で弾けるか、秒はかってみよう!(とI-PHONEを取り出し ストップウォッチをセットする)」
Hちゃん「え、ちょっと待ってちょっと待って。練習する!」
先生「いいよ。よくなったら言ってね」
しめしめ。これで半音階スケールをバッチリ練習するぞ。

そんなわけで、Hちゃんは弾いてはタイムを計り、計ってはさらなるスピードを目指して練習し・・・と、ひたすら半音階スケールの練習に励むのでありました。
このスケール、これからもソナチネ、ソナタ、さらにもっと大きな曲を経験するときにも必ずといっていいほど使われるテクニックです。
はやいうちにマスターしておくに越したことはないので、せっせとスピード記録を更新していってもらいたいもんです。

バッハのメヌエット、装飾音符が大変・・・

2017年01月24日 | クラシック曲
K子さん(大人)。
ピアノを始めて1年が過ぎました。
バロック音楽が大好き、とのことで「バロック名曲集」、そして手や指のフォームと訓練のため「ハノン」を併用しています。
今日弾いたメヌエットイ短調は、バッハが2度目の妻 アンナ・マグダレーナの初歩クラヴィーア練習のために作ってあげた練習曲集の中に入っている1曲です。
シンプルながら、バッハらしいフレーズの模倣と掛け合いが美しい曲です。
後半、クラヴィーア曲特有のこまかいトリルによる装飾音がキラキラと聞こえるように施されているのですが、これがけっこう手こずります。
短いフレーズの中にすばやくトリルを入れなければいけないんで、その部分は大急ぎで指を動かさないと間に合わない。
グズグズしてると時間がかかって、そこだけ曲が間延びしてしまうんです。
バッハの時代のチェンバロやハープシコード、といった楽器は、現代のピアノとはだいぶ違っています。
打鍵した音はすぐに消えていってしまい、長く伸ばすことができないので、その分 装飾音符やトリルで ♪キラキラキラキラ・・・とつないで、音の持続感を表します。
鍵盤が軽いので、いくらでもきらびやかなトリルを弾くことができます。

それに比べて、現代のピアノはシステムも大がかりだし、鍵盤も重い。
ヒバリんちのレッスンに使ってるピアノは、現代のピアノの中でも重い方なんで、細かいパッセージを弾くのは 特に子どもや初心者にとってはなかなか大変です。
メインのメロディーは変えるわけにいきませんが、装飾音はもともと「飾りの音」。メインじゃない音をたくさん弾くために、テンポがくずれたり間延びしたりしては本末転倒になってしまうので、今回K子さんは、左手のトリルを一つ分減らして、その分きっちりテンポをキープしましょう、ということにしました。
これでゆとりが出て、シンプルなメヌエットがゆったりと表現できるようになったと思います。