東日本大震災の発生直後から全町避難を余儀なくされ、東京電力や自衛隊の前線基地となった福島県双葉郡広野町。あれから9年――「復興五輪」をかかげる2020年東京オリンピックの聖火リレーは、この町からスタートする。けれど、その「復興」って何だろう? 「絆」「再生」「共同体」といった言葉に、つい白々さを感じてしまう……そんなあなたにこそ、この映画を観てほしい。(公式サイト イントロダクションより)
なんというのか…
感想をまとめるのがとても難しい。
いや、まとめられなくて当然なのかな。
いろんな人たちが出てきて
それぞれの暮らしが流れていくのだから。
さまざまな年代の人たちが登場する。
6年ぶりに仮設住宅から町に戻ってきて
ストーブの使い方も忘れてしまったというおばあさん。
彼女が子どもの頃に暮らしていた辺りは
今では木々が茂り、海まで続く一面の畑だったという
かつての面影はまるでない。
変わってゆく町を見続けてきた人たち。
働き盛りの人たちもいる。
この地で米作りを再開した家族。
まだ人が暮らすことのできない隣の双葉町まで
車で見回りをする消防士。
震災前から途絶えていた祭を復活させようとする人たちと、
地域にはもう、神輿を担ぐ若者がいないという人たち。
東北の震災では、各地の郷土芸能の力が
クローズアップされがちだけれど、
すべてがそうとは限らないのだ。
「復興」をテーマにした作品に取り組む演劇部の高校生たち。
復興とはなにか。
大人でも答えの見えない過酷な問いに
ひとりひとりが向き合い、悩み、ぶつかりながら
試しては行き詰まり、作っては解体し、
だんだんと伝えたい思いがクリアになっていく。
この本番の舞台を見てみたかった。
部員の1人は、実家が帰宅困難区域にある。
防護服を着てピアノを弾く姿が強く印象に残った。
テンペスト。
きっと彼女がいま暮らしている家にもピアノがあるのだろう。
でも、実家にあるそのピアノは特別なピアノなんだと思う。
そういえば、この演劇部の場面で
『福島三部作』の谷賢一さんが出てきて、びっくり。
そして、地震があったことを知らない幼い三姉妹。
彼女たちの無邪気な笑顔もまた、とても印象的だった。
オリンピックの話は出てこない。
復興とは、そんな一時的なイベント事ではなく
小さくても続いていく日々の暮らしなのだ。
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►演奏予定
6月24日(水) 三味線三昧@京都・天Q
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