ヒカラビ一家の花日記

山の上に住む花農家から 魚沼発のあれこれを

雨の日   ブナ新緑

2010年05月14日 | 観察

朝の気温は6度。冷たい雨。仕事になりません。

津南の球根養成畑に行ってきた。

今年1年、研修生として働くホナミちゃん。去年に続いて2年目のショウゴ君。
20代の二人に一度は津南の広大な農地を見てほしかったのだ。

気になっていたのはここ数日の異常な低温。
しかも畑は標高700mほどの台地の上だ。
もし伸びた新芽がこの低温にあうと、思いがけない障害を発生してしまう。
事実、おととしの春の低温に遭遇した球根は、去年の採花時に大量のバイラス症状を発生させた。

低温が幸いしたのか、植え込みは終わっているものの芽はまだ出たばかり。
土に守られた状態。土の保温性は意外に高い。

偶然にも津南の切花生産者の圃場巡回に出くわした。
ちゃっかりとお供してしまった。

よく知っている顔ぶれだが、ここ数年津南も若手の就農者が多く、新しい顔ぶれが目立つ。
ハウス内はさすがに 「 雪美人 」、たくましいカサブランカが育っている。

津南の広大な農地はうらやましいほどに整備されているが、昨日や今日できたものではない。
この若者たちが生まれる前、昭和53年から59年にかけて、国の事業で整備されたものだ。

川からポンプアップされた水をいったんダムに溜める。
その水をさらにポンプアップして山の上のファームポンドに溜める。
各畑はバルブを開くだけで自然落下圧でスプリンクラーが回るのだ。


先人たちがこの地に夢見た思いが、短い文字で看板に書かれている。

誰もが住んでみたい村に

町から遠く、雪深く自然の厳しい台地を若者が生き生き働く村にするには農村を整備する。

ここには立派な高原野菜と花の産地が育っているのだ。

産地は農家の努力だけでできるものではない。
この地をどう創造するか。思いとビジョンと多くの努力の積み重ねの上にできていくのだ。

国道を走っていると気がつかない大地。
有名な河岸段丘を見せようと対岸の台地に上がってみた。
写真では良くわからないけど、まあまあ説明できる程度には眺められた。

住んでいるところを魅力ある地域に。
妻有郷全域にこの思いがあるように思う。

「 大地の芸術祭 」の名残のオブジェがいたるところに残されている。



このオブジェの向かいで白い犬が出迎えてくれた。

ちょっと狼っぽいけど人懐っこい犬で、しばしあいさつ。

奥方は惚れられてしまった。

オブジェと犬でハイテンションになった我々はこのまま芸術探しの旅に出ることにした。

つづく



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