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毎月購読している『バスケットボール・マガジン』が、突然、今月号で休刊だという。先月号までそんなことはどこにも書いていなかったのにあんまりである。広告記事やスタープレーヤの人気取り記事が少なく、バスケットボールのファンダメンタルとフィロソフィーにしっかりと取り組んできた同誌だっただけに惜しまれる。私は、19年前に創刊されて以来の読者だった(一時ちょっとだけバスケットボールからはならており、読まない時期があったが……)。参考になる連載も数多く、毎号楽しみにしていたものもあった。ここ数年連載されている「イチから始めるチーム作り」や「困った時の処方箋」などもそのひとつである。ああ、本当に残念だ。
やはり、部数が減少していたのだろうか。指導者を対象にしたような硬派な編集姿勢だったので、マーケットには限界があったのだろうか。今後は、『熱中!バスケ部』なる雑誌の強化をはかるのだという。確かに、他社の発行する『中学高校バスケットボール』は売れているようであり、実際私も買っている。中高生対象の手っ取り早い練習メニューなどが多く掲載されいて便利であり、取り上げる話題もとっつきやすい。売れるのはよくわかる。世の中全体が、そういった《とりあえず実用的》な方向にシフトしているのだろう。ただ、ファンダメンタルを重視し、なぜそうしなければならないのかということを、しっかりとしたフィロソフィーを背景として説明する『バスケットボール・マガジン』の硬派な編集姿勢は、薄い雑誌ながら他の追随を許さないものがあったと思う。
バスケットボール素人だった私は、この雑誌から教わったものは多い。その意味では感謝したい。しかし、いくらなんでも突然すぎはしないか。