昨日29日、第79期名人戦七番勝負第5局で、渡辺名人が94手で斎藤八段に勝ち、七番勝負の成績を4勝1敗として、名人防衛を決めました。 おめでとうございます。対局後の記者会見で、6月6日から始まる藤井聡太棋聖(18)との第92期棋聖戦五番勝負に向け、「挑戦者として出ることができるので、四つ目のタイトルを目指したい」と新たな目標に言及したと報じれれています。
そう昨年の対決では、ここをクリック⇒親子ではないですが若い叔父さんと甥の対決位には見えましたよ。
一時は調子を落としていた時も有りましたが気力充実の様です。どちらにも頑張って欲しいものです。
写真:第79期名人戦七番勝負第5局で挑戦者の斎藤慎太郎八段に勝って初防衛し、記者会見する渡辺明名人=神奈川県箱根町のホテル花月園で2021年5月29日午後7時55分、丸山博撮影
毎日新聞:
第79期名人戦七番勝負で初防衛を果たした渡辺明名人(37)が29日夜、第5局の舞台となった神奈川県箱根町のホテル花月園で記者会見した。「名人位を守ることができてすごくうれしい」と話したうえで、6月6日から始まる藤井聡太棋聖(18)との第92期棋聖戦五番勝負に向け、「挑戦者として出ることができるので、四つ目のタイトルを目指したい」と目標を語った。主なやり取りは以下の通り。
――防衛を決めた今の心境は。
◆昨日の段階でちょっと苦しくしてしまったが、今日の午後に入ってから急に好転してそのまま勝ちに結びついた。そういう流れだったので、防衛を意識するところはなかった。
――終盤、長考の場面があり、勝ちを目前にして慎重になったように見えたが。
◆最終盤は勝ちになっているような気がしたので慎重にやっている気がした。ただ、1日目から(斎藤慎太郎八段の)言いなりになっているような将棋だったので、後手としてもあまり選択権がない将棋でつらい流れだった。最後の5四馬あたりで勝ちを意識して慎重になったと思う。
――防衛が懸かる一番で緊張はなかったか。
◆防衛戦自体は散々やってきているし、昨年の名人戦ほどではなかった。
――2期目を獲得したが、その実感は。
◆昨年が(新型コロナウイルス感染拡大で日程がずれ込むなど)イレギュラーの日程で、ここまでバタバタと来てしまった。そういう意味では、通常の日程のなかでのタイトル戦で名人位を守れたところはすごくうれしく思っている。
――4勝1敗という結果だったが。
◆名人戦はA級順位戦を経て挑戦者が決まるため、常に強い人がでてくる。勢いがあるところを含めて難しい戦いになるだろうなと思っていた。そのなかで、準備とかを含めてうまく立ち回ることができたかなと思う。
――棋聖戦で藤井棋聖と対戦するが、どういう思いか。
◆1月から防衛戦を三つやってきて、それが終わったら少し休みたいなと思っていた。そこでタイトル戦、挑戦者という立場で続くのはうれしい誤算。挑戦権を取れたので、休むなんて言ってないで、もう1カ月ぐらい頑張って、それが終わったら休みたいと思う。
――今日の対局で斎藤八段の封じ手(8九金)が開かれた瞬間、驚かれたようにも見えたが。
◆正直、8七同金だとより困るなと思っていたが、(封じ手の)8九金でもどちらでも悪いなと思っていた。ちょっと選択権がない将棋だったので、どちらでもきついかなと。
――シリーズを振り返って、第1局は優勢に進めた将棋を終盤逆転されて負けた。あの1局で逆に開き直るところがあったのか。
◆いや、きついはきつかったが、第1局だったのと、第2局までちょっと間が空いたのがよかったかなと。あれで連戦だったら嫌なところだった。
――今シリーズ、真の名人を目指すと言っていたが。
◆短い在位期間で終わらなかったところがホッとしているところです。
――永世名人の獲得についてはどう思うか。
◆永世称号はあと1期ぐらいになってこないと、なかなかやっぱり意識しないと思う。あと一つになったら是が非でも目指したいところだが、年齢的に名人になるのが遅かったので、永世称号は今の段階ではあまり考えていない。それよりは、1年1年の防衛戦でタイトルを守っていくことを目標にしてやっていく。
――防衛で3冠を維持した。一番充実している時期だと思うが、どう意識しているか。
◆今はいい状態で指せていると思う、ただ、年齢的なことを考えると、あと3年続くかといわれると、絶対そうじゃないと思う。とりあえず今はいい状態でやれているので、どこまでそれを引っ張っていけるかを考えて取り組んでいきたい。
――今後もやり方を変えながらやっていくのか。
◆ずっと同じやり方でやっているとなかなかきつくなってくると思う。いろんな人に話を聞いていくなかで、取り入れられそうなものは取り入れたりとか、そういうことは普段から心がけている。
――体力面で変化は。
◆20代に比べると眠れなくなったりとか、微妙な変化を感じる。これから40代に向かって何もしないと体力が落ちていくので、そうならないように先回りして20代よりも健康状態を意識して取り組んでいく必要があるかと思う。
――斎藤八段の印象はどうだったか。
◆将棋の印象は特段変わることはなかった。斎藤八段は2日制は初めてだったと思うが、堂々とした対局姿が印象に残った。
――今のうちに4冠、5冠と取りたいか。
◆あまり考えていなかったが、1月から防衛戦が続いていくつ守れるか、と考えていた。名人戦の先のことはあまり考えていなかったが、挑戦者でタイトル戦に出られるので、四つ目(のタイトル獲得)を目指していきたいと思う。
――棋聖戦への意気込みを。
◆開幕まで1週間ぐらいしかないが、ずっと名人戦のことを考えてきたので、終わって一息ついたところで、頭を切り替えて次のタイトル戦に向かっていきたい。