平岩弓枝監修の短編集「武士道春秋」の一篇「餌」
台風で両親を亡くした孫を連れて漁に出た灘兵衛
孫がおしっこをしたいと言うので船べりに立たせ
灘兵衛は孫が船から落ちないように両脇を支えた
と・・突然波が膨れ上がり鮫が現れ孫は「お爺、恐ろし」
灘兵衛はあわてて孫を引き寄せた・・
が途端、剥き出しの下半身が宙に浮いたところ小舟ほどある大きな鮫は孫の下半身を咬み裂いた
上半身だけになった孫の体を抱いて鮫への復讐心に燃える
灘兵衛は船の錨を釣り針にして
「孫よ!餌になれ!」と
孫の上半身を餌に鮫を釣り上げようとするんだ
文豪宮尾登美子さんのエッセイ
第一章は満州から引き揚げて高知に帰ってから旦那様の実家で暮らした日々
旦那様の実家な裕福とは言えない山奥の農家で登美子さん自身
畑仕事にリヤカーを曳いて野菜の行商をしたりしていた
登美子さんの生まれ自体(小説の題材で有名」)は裕福な幼少期を送っている
それにしても40歳ちかくになって離婚そして再婚
農家の嫁から直木賞受賞、著作作品が2度の大河ドラマに
一躍、市井の主婦から超有名なセレブ人に
波乱万丈ながら稀に見る才能に恵まれてたんだろうな
僕には人並みの才能も向上心もありません
所謂、怠けもんのアホんだらだす
この正月休みに‘あきない世傳金と銀,全13巻読み切りました
この話の主人公‘幸,の元々のモデルは松坂屋の前身、いとう呉服店のいとう宇多さんを取り扱ったんだって
名古屋のはなしを大阪にしたんだね
まあ商い話は大阪の船場周辺に話を持って来た方がおもしろいもんね
それに商売って実際、男が取り組むより女の方が向いているんじゃなかろうか
うちのばあちゃんは田舎でただ一軒の洋服屋をやっていた
町でただ一軒だから結構繁盛していて季節ごとに大阪に仕入れに行くんだけど
船場にもよく行ってて店の大将と商談が決まると店の前で‘腰巻,から札束を取り出して
現金払いするんだ
誰も笑う人はいない、もう50年以上前だから
買った商品を風呂敷に包んでそれを両手と肩に背負って地下鉄に乗る
手で物に掴まる事も出来ない
しかし、良くできたもので三つの風呂敷を持って歩いていると必ず
「おばはん、持ちまっさ」
と必ず誰かが両手の荷物を持ってくれる
「おおきにおおきに」と礼を言って歩いているとまた誰かが持ってくれる
僕は恥ずかしくて
「おばあちゃん、チッキ(宅配便の前身)頼んだらええやん」と言うと
「あほぬかせ、チッキ頼んだら銭がいるけど頭下げるんはタダや」
まあ今の時代だったら誰も持ってくれないだろうけど
あの頃は普通だった
それでいて祖母の普段の生活が‘しわい,(ケチ)かと言うとそうじゃ無くて
好物は牛カツに‘ずぼらや,のテッチリ
大阪のコマ劇場に美空ひばりの公演を見に行ったり砂かぶりで相撲を見たり
僕が仕入れについて行くと宝塚のファミリーランドに鬼太郎を見に連れて行ってくれた
削れるものは徹底的に削ってそれでいて使うところは使う
あの頃の年寄りにしたら随分贅沢な生活をしていた
女性のくそ度胸と繊細な感性が商売に向いているんだろう
この本の話の中にも何度も‘図太い,と言う言葉が出てくる
「図太うになりいや」と故郷を送り出され
主人公‘幸,は「図太い」を実践して出世して行く
「図太い」と「偉そう」とは違う
ひかえめでいて言うところは言うやる事はやるひるまない
女性は「図太くて」男は「臆病者」
絶対に商売は女性の方が向いていると思う
あけましておめでとうございます
今年の正月休みはどこにも行かないで(風呂には行く)
この高田郁さん作の「あきない世傳金と銀13巻及び特別巻1巻」読み切ります
たまたまBSNHKの時代劇を見て慌てて買いに行きました。
図書館のリクエストは予約者が一杯でブックオフは売り切れ
仕方が無くて普通の本屋に行ったんですが一冊580円・・
面白いのに安いね
貧乏な娘が9歳で天満の呉服屋に女衆(おなごし)として奉公に上がり
「一生、鍋の底を磨いて過ごす」女衆身分から
生まれ持った才覚と美貌?で御寮さんからやがて女主に・・
大阪物の女性立身出世物語には花登筺さん原作の「細腕繁盛記」なんてありましたが
この物語もおもしろいテレビドラマもおもしろい
お家さん役の高島礼子・・演技が旨いね配役にピッタリ
小さい頃、洋服の仕入れに祖母に付いて船場に何度か行った事があるけど
現在でも服の問屋さんとかあるのかな
浅田次郎さんの小説・・
おもしろいので仕事中に昨日から一気に読んでしまった
(どんだけ仕事が暇なんや!)
話の中に七福神が出てくる
大黒様の持っておられる袋は‘福袋,で文字通り福が入っている
方や布袋様の持っておられる袋は‘堪忍袋,と言って
人の煩悩や不平不満を押し込んでいる
現代の人々はこの堪忍袋がはち切れんとしている人が非常に多い
中にはもう、はち切れた人もチラホラ
何気に借りて来た
たまにブログに書く岩村精一郎さんてお兄さんも男爵になってたんだ
華族か・・
おひいさまとか呼ばれていたんだろうな
代々世襲でいろんな特典があったんだって
先祖は華族だったなんて自慢だね
僕の先祖ってひい爺さんあたりはもう知らないから
たぶん、どこかの馬の骨だね
宇江佐真理さんの短編時代小説の中の「身は姫じゃ」
何処の子か分からない7~8歳の小さな女の子がやせ細った体と薄汚れた着物をまとって一人遊びをしていた
それを見かけた下っぴきの龍吉はいたいけな娘に哀れを覚え岡っ引きの伊勢蔵に知らせる
娘はほとんど口も利かず稀に垢だらけの顔をあげて「身は姫じゃ」としか言わない
伊勢蔵は自宅に娘を引き取り伊勢蔵の女房のおちかは娘を洗ってやったり贅沢なものを食べさせたりして
献身的に娘の世話をする
最後娘は高貴な方の忘れ形見と分るんだけどおちかとその娘との別れの場面が泣かすんだ
それにしても宇江佐真理さんの小説ってテレビドラマや映画にもなって
僕も何冊も読んでいるけど
この方、直木賞候補に6度も上がっているのに一度も直木賞を貰ってないやん
面白くない話で直木賞を取ってる作家がいくらでもいるのに
直木賞の選考基準ってどうなってるんだろう
2015年に亡くなっているけど無念だろうな
底辺人生から明日を求めて 無いと思うな人生運
偉人でも有名人でも無い、普通の人の自分史
お父さんが甲斐性無しで生活が成り立たず中学生の時から住み込みで働き始め
丁稚のような生活を送る
夜間高校、夜間大学を卒業する
ここまでは恵まれない青春時代の話ですが
就職してからの話が面白い
高度経済成長期の時だから就職先で人生の運不運が決まる
この方30歳で転職した会社・・東京オリンピックの頃か
新しい業種の小さな会社がどんどん大きくなって
この人もがむしゃらに働いて入社4年で給料が三倍におまけに部長にまで昇進する
それで定年までこの会社にいて人生安泰で過ごしたかと言うと
人間どこかで欲にかられるんだな
会社から独立して全く畑違いの分野に手を出して失敗してしまう
まっ!誰の人生もこんなもんだな
ざっと走り読みで10分ほど読んだが
なかなか認知症の予防は難しい
禁忌な事は昔から言われている
深酒、喫煙、運動不足、他人と交わらないなどだけど
これこれこうすると認知症の予防になりますよって言う事例は難しい
まあ要は生活習慣病を防ぐことと同じなんだけど
一時期、エゴマオイルがボケに聞くって言うのでエゴマオイルが店頭から消えるほど売れに売れた
僕も混じれ物の無い値段の高い奴が効くって言うので釣られて買った事があったけど
あの話はどこへ行ったんだろう
もの食って認知症が防げればこれに越したした事は無いが
そんな事はありえ無い
僕も還暦を過ぎてけっこう認知度が下がっている
まあ現在のところ物忘れ程度で住んでいるが
遅かれ早かれこの先我が家の血統としても絶対に呆ける
それで何をしているかと言えば
お金は細かく現金払いだ
運動もまあまあやってる
市の介護認定審査会の末席の委員だから
他人様の認知度がどうのこうのって話はけっこう委員会で出る
そのうち自分がボケ診断にひっかかって判定されるんだろうけど
僕には出来ないけど
僕のブログを見ている数少ない方に
この本にも書かれていない数少ないボケ防止策を教えよう
もう一度言うけれど生まれながら人より労を惜しむ僕には出来ないボケ防止の行動
頭をピュアにする行動
それは‘達成感,
目標を決める
今日はどこそことどこそこを掃除する
ここからあそこまで歩く
まあある程度の困難さも必要だけど
まあ冬山に上るまで行かなくても
お寺の階段を2往復するとか日々の日常生活でやれる事をする
やりきった達成感は頭をすっきりさせるんだ
達成感は認知度を高める
反対に認知度を下げることは
やれる事をしない
掃除をやらなきゃならないんだけど
めんどくさい
ウォーキングをしなきゃならないんだけど
やりたくない
どうせやらないなら
やらなきゃならんと考えなきゃいいんだけど
頭の中であれこれ、ああせにゃ、こうせにゃとうずうずと考えてしまう
それでいて行動には移せない
プレッシャーだけが溜まりに溜まってこれが認知度を下げてしまう
行動の早い人は認知度が高く
行動が遅くのらりくらりの人間は認知度を下げてしまう
僕の事なんだが
認知度を予防する・・予防と言うか・・足しにはなる行為
歩幅はいつも広めにとって速足で歩く
片足立ちの姿勢を暇を見てやる
出来る人は目を瞑ってやってみる
こんなところか
こんな事を書きながらも
僕は絶対に呆ける
前回読んだ宇江敏勝さんの自伝的な本
宇江さんは和歌山の炭焼きの家庭に生まれご自分でも高校を卒業後炭焼きをなさっておられた
その後、林業に変わって一年のほとんどを熊野の山奥で仕事に従事するんだが
その時の暮らし自然、仕事出来事をこの本の中で書かれている
飯場はほぼ男だけの世界で余暇と言ったら小博奕か酒
宇江さんの場合は読書もされていたようだけど仕事も手を抜くことが無かった
文の一節に・・・
「仕事をしても他人に引けを取る事など無く、精神的に安定していた
飲むことはいわば慰安であり、酔えばぐっすりと眠って、あくる日は阿修羅のように働くのだ」
阿修羅のように働く!
わしも毎晩酒を飲んで眠るがあくる日は畜生のように怠けるぞ
宇江さんの本の何が良いかと言えば僕のようなひきこもり体質の人間って
人里離れた山奥で出来るだけ他人とかかわらずに生きる生活って憧れるんだよな
だけど宇江さんの本て図書館だけでも20冊以上あって
山の中で貧乏暮らしをしていた割に人生の後半は印税でウハウハしていたりして
関係ない話だけど・・坂本冬美さんと同じ高校なんだ