勉強嫌い

今日も仕事は暇だった・・・

暇な理由は分かっている

僕の勉強嫌いが原因だ

世の中では勝ち組、負け組みとか言っているが

現在のさまざまな商売においては‘一人勝ち，の時代だ

客が特定の店や場所に一極集中する時代

繁盛店のほとんどのオーナーは人一倍勉強している

物を売る商売なら商品に対して誰よりも精通しているし

サービスを売る店ならそのサービスがいかなる物かよく知っている

商品の良し悪しや技術内容、料理の味、とか主体的なものじゃなく

お客をその値段で納得させる環境を作る能力

お客のニーズを的確に掴んで満足感をくすぐる能力

その能力を作るのは知識だ

知識は繁盛させる仕組みを作り出す

勉強嫌いの僕にはその仕組みを作りだす能力が無い


小さい頃の微かな記憶の中に

ばあさんとバスに揺られてつり橋でつながった離島の夏祭りに露天を開きに行った事があった

それはちっちゃなちっちゃな夏祭りで

露天と言っても、みかん箱の上に商品のビワをいくつか並べただけだった

何時間たっても１つも売れなくて

幼心に惨めになって来た。

そしてばぁさんが「もう帰ろう」って言い出した頃、

祭り見物に来ていた島のお姉さんが

「おばあさん、それ売り物なの、１つ貰うわ」って

ようやく１つ買ってくれたんだ。

みかん箱の横で座っていた僕はお姉さんを見あげて

「にこっ！」と笑った。

お姉さんはきれいな人だった

たぶん心もきれいな人だったろう

あの時の僕の笑顔は純粋にうれしい笑顔だったのか

それとも媚を売った笑顔だったのか

いまとなってはわからないが

媚を売るような仕事だけはしたく無い