外は冷たい雨がみぞれに変わった
雪になって積もらなきゃええが
明日はめったに乗らない車に乗らにゃならんのに・・
難儀やな
今日は娘の学校の卒業式らしい
生徒だけでも数千人
親御さん入れたら大変やな
わしも、ぅん十年昔に高校を巣立った
ど田舎の高校だったんで
ほとんどの卒業生が親元を離れ必然的に都会へと旅立つ
わしも大学受験に失敗したが
周りの級友らと一緒くたに押し出されるように大阪に出た
何の夢も目的も無く
ただ皆が行くんで自分も行った感じだった
その頃は家業も忙しくて
金銭面に心配が無く
兄も姉も学生だったんで
自分も取りあえず学生と名の付く専門学校へ入った
芸術系の学校だった
そこの生徒はその頃まだ珍しかった茶髪が大勢いた
いわゆるヤンキーばかりだった
大阪に出てアパートの手配から家財道具一式
掃除に挨拶
全部、おふくろが取り仕切った
わしはおふくろの後ろを付いて行くだけ
心細かった専門学校の入学式の時も
後ろを振り返るとそこにおふくろの姿があった
その専門学校は詐欺的経営で
授業はあまり開かれず
あっても授業中はお祭り状態
結局わしは2か月持たずに辞めた
もう一度、予備校に通い直したわけやけど
都会の大阪で酒とタバコを覚え
毎日パチンコ三昧
勉強なんて手に付かず
遊んでばかりやった
そんな中おふくろは毎月の仕送りとは別に
わしに金を送り続けた
そんな生活が2年目の頃
親父に電話で
「わし来年、東京に出ようと思ってるんやけど」
と言ったら
親父は
「そうせえ、お母ちゃんの目の届かんとこ行く方がええやろ」
と言いよった
親父はだいたいの事分かってたんやろな
翌年、友人の運転するレンタカーで上京した
アパートの手配や身の回りの事一切自分でやった
おふくろが上京する事は無かった
東京は遠かった
助けてくれる身内は誰もいなかった
その代りに
ちょとずつ
自立心が身に付いて行ったように思う
自分がやらなきゃ誰もやってくれない
あのまま
大阪での生活が続いたとしたら
ぞっとするな
雪になって積もらなきゃええが
明日はめったに乗らない車に乗らにゃならんのに・・
難儀やな
今日は娘の学校の卒業式らしい
生徒だけでも数千人
親御さん入れたら大変やな
わしも、ぅん十年昔に高校を巣立った
ど田舎の高校だったんで
ほとんどの卒業生が親元を離れ必然的に都会へと旅立つ
わしも大学受験に失敗したが
周りの級友らと一緒くたに押し出されるように大阪に出た
何の夢も目的も無く
ただ皆が行くんで自分も行った感じだった
その頃は家業も忙しくて
金銭面に心配が無く
兄も姉も学生だったんで
自分も取りあえず学生と名の付く専門学校へ入った
芸術系の学校だった
そこの生徒はその頃まだ珍しかった茶髪が大勢いた
いわゆるヤンキーばかりだった
大阪に出てアパートの手配から家財道具一式
掃除に挨拶
全部、おふくろが取り仕切った
わしはおふくろの後ろを付いて行くだけ
心細かった専門学校の入学式の時も
後ろを振り返るとそこにおふくろの姿があった
その専門学校は詐欺的経営で
授業はあまり開かれず
あっても授業中はお祭り状態
結局わしは2か月持たずに辞めた
もう一度、予備校に通い直したわけやけど
都会の大阪で酒とタバコを覚え
毎日パチンコ三昧
勉強なんて手に付かず
遊んでばかりやった
そんな中おふくろは毎月の仕送りとは別に
わしに金を送り続けた
そんな生活が2年目の頃
親父に電話で
「わし来年、東京に出ようと思ってるんやけど」
と言ったら
親父は
「そうせえ、お母ちゃんの目の届かんとこ行く方がええやろ」
と言いよった
親父はだいたいの事分かってたんやろな
翌年、友人の運転するレンタカーで上京した
アパートの手配や身の回りの事一切自分でやった
おふくろが上京する事は無かった
東京は遠かった
助けてくれる身内は誰もいなかった
その代りに
ちょとずつ
自立心が身に付いて行ったように思う
自分がやらなきゃ誰もやってくれない
あのまま
大阪での生活が続いたとしたら
ぞっとするな