昔々、10代最後の2年間は大阪で一人暮らしをした
三畳一間のボロアパートは北風が窓枠の隙間から吹き込んだ
隙間を目張りで塞ぐと風が吹くたんび窓枠ごとガタガタ揺らした。
便所の手洗いのような台所でインスタントラーメンを作った
ラーメンは一番安いキンツルラーメン
そこにキャベツを刻んで混ぜた
新聞をとってないのに古新聞屋に新聞を売った
新聞回収が来るとささっっと近所の玄関に置かれている新聞を集めて売った
その儲けでいつもラーメンとキャベツを買った
回送電車の警笛と深夜ラジオが流れる一人だけの夢の城
炬燵でラーメンをすすっていると
(俺って世界一の幸せもんかも知れんな)
・・と思った