精神が屈折しそうな展開ばかり
自分だけだろうか・・・
いや違うな
小さな頃から屈折しそうな時があった
育って来た環境もあるんだろうか
両親には深い愛情で育てて頂いた
それじゃいったい何が
小学校の校舎は戦前に建てられた古い木造建てで
所々廊下の板が剥がれていたりした
運動場は山の斜面が迫り
校舎の裏はのどかな畑でその向こうは砂浜
浜辺から吹き寄せる風に空高く鳶が舞った
まるで岬の分教場を彷彿させるようなシチュエーションだ
岬の分教場には大石先生のような愛情あふれる教師がいた
あれは4年生の頃か
僕はいつものように授業中に外を眺めて空想に浸っていた
その時、急に自分の身に危険が迫るのを感じ取った
「このボケ、ちょっと立て」
その頃テレビでやっていた‘どてらい奴,の坂田軍曹似の鬼のような顔の教師に怒鳴られた
「わりゃ(方言)わしのやる授業なんぞあほらしいて聞けんちゅーのか、おう!」
「どうなんや」
教師は僕の事を名字で呼ばず(このボケ)と呼んだ
「おう!どうなんや」
逆らう事が出来るはずも無いであろう10歳の少年
勉強も出来ず運動もどんくさい、いたぶっても余りある
そんな情けない少年に教師は執拗に返事を迫った
今時の反社会的組織の人間でもこれほどまでしないだろう
精神の高揚が最高点に高まった時点で教師は
僕の頬を思い切り叩いた
・・・
わしの人生辛いもんがあるのう