最近、夢の中に死んだお母ちゃんがたびたび出て来る
それも一番元気だったころの姿
老人ホームで骸骨の様にやせ衰えた姿と違ってふっくらと健康的な笑顔
いつも僕の事を心配してた
それに父や兄、じぃさん、ばぁさんまで夢に出て来る
実家の家はまだ家族皆健在だった頃のままで手つかずだ
壁時計にカレンダー
台所のテーブルに椅子
土間には親父の地下足袋に長靴
もう100年近くになるだろう備え付けの箪笥の中身までそのままだ
姉の部屋に飾ったジュリーのポスターに電子オルガン
兄の部屋のパソコン
僕の部屋の漫画本
じぃさんばぁさんの離れの隠居部屋
本人達がだれもいないのに
家だけが皆が健在の時そのままなんだ
最近、死んだ家族が夢に出て来て思ったんだが
実家の家で家族があの時のまま普通に暮らしてる気がした
他人には見えないだけで
あの世に行ったじぃさんやばぁさんや両親や兄貴が
霊魂となって健在な時の幸せな生活のままに
あの家で暮らしているような気がした
そして
皆、言ってるんだろうな・・
「ひろ造も早くこっちへ来ないかね」
って