ふと・・昔のバイトの事を書いていて思い出したけど
土方のバイトも面白い事もいろいろあったな
どうしても現場仕事で仲良くなるのは僕と一緒で役の立たない人
仲間意識と言うか
なんて言ったかそうそう吉田さん
この人が僕より二つ三つ年上だったんだけど
歯が無い
おまけに小指も無い
もちろん金も無い
無い無い尽くし
あっ!
笑うと愛嬌があったな
にっ!と笑うと前歯が1本か2本だけあって
吉田さんは釜ヶ崎経由の土方だったな
ある日、現場に吉田さんを訪ねて人が来た
「おおこら!利子だけでも入れろや!」
とか言われて吉田さん頭をこづかれてた
「おおなんぼあるねん?」
「30円だけしか無いんですわ」
「30円ちゅーたら缶コーヒーも飲まれへん」
「そっちのドカチンにでもいくらか借りろや」
って借金取りが僕を指さした
「僕も50円だけ」
「何ぃ~ここの現場は貧乏人も貧乏人ゴミみたいな奴ばっかりやな」
とか言っとったな
あの頃
日当が出ると皆パチンコのフィーバー台に入れあげて
100円玉が無くなるまで打ってたから
100円も無い連中がけっこういた
まあ土方の現場だけだろうけど
もう40年も昔になるかな・・
10代最後の夏
2度目の受験に失敗してその年の5月頃から人生初めてのバイトに出た
まだ出始めの薄っぺらい求人誌を見て一番時給の高い所を選んだ
何をする仕事か分からなかったが「簡単な軽作業」と書いてあったので
「楽勝やな」と気楽に考えてた
そこの会社は天六の商店街に近い南森町にあったんだけど
会社の前にオンボロのワゴン車が並んでいて車の中にツルハシやらヘルメットが入っていた
新喜劇のチャーリー浜、似?の課長に面接して貰ったら
「もう忙しいて誰でもええねん、明日から来てくれるか?」
「ヘルメットと安全靴はこっちで用意するから」
「おーい!タゴやん、明日からこいつを手元に使うてくれるか?」
とチャーリー浜似の課長が横山やすし似のガラの悪そうなおっさんに声をかけた
(知らんかったけど、この業界?では助手の事を‘手元,って言うんですよ)
横山やすし似のおっさんの教え方が・・
「ええか!言うとくぞ!言われて動くのは遅いんじゃ!」
「わしがこれから何をするかよう見極めて先に動くんじゃ!ボケぇ~!」
「わりゃ~ぼけ~と、しとったらシバキ倒すぞほんま、ボケぇ~!」
「は~い!」
と僕がびびっとったら
「タゴやん、ま~ええやないか、ほんなに言わんでも入ったばっかしでまだ右も左も分からんのやさかい」
「兄ちゃん、そんなにびびらいでも大丈夫やで、ここは優しい人がぎょうさんおるがな」
と成田三樹夫似のおっさんが中に入ってなだめてくれて
「兄ちゃんもな、がんばって働いて田舎のお母さんに蔵でも建てたったらええやんか!」
「わしの家は平屋の借家やけどな」
「わはは」
とかなんとかあったけど
終いにはこの成田三樹夫似のおっさんに一番いじめられた
「こんな役たたん奴知らんわ、ここの飯場始まって以来やな」
「もうええ、お前には何もさせん現場の見張りだけしとけ今日からお前のあだ名は看守じゃ!」
とか何とか言われながら
だけどここのバイトは正味2か月ぐらいしかいなかった
現場仕事はあぶないし
同僚は海千山千の連中ばかりで
会話と言えばパチンコ競馬に野球賭博
その割に宗教しとる人が多かった
辞めた最大の原因が僕が役に立たなかった
土方に向いて無かった
真逆やもんな
7月頃かな
ここのバイト先で知り合った梅本と言う同い年の男と一緒にここの仕事を辞めて
二人で白浜のホテルに住み込みのバイトに行った
続く・・
先週の日曜日の早朝、近くのお宮にお参りしたんですが
夏の朝らしい清々しい陽気に萩の花
青々とした緑と静寂の中にも響き渡る蝉の音
手洗いに灌ぐ小さな水の音
止まった時間にちょっとの間、感動してしまった
それが
ここんとこ毎日、暑うて暑うて
朝のウォーキングもおっくうで
仕事なんか嫌で嫌で
な~~~~んもやる気がせん!
へたばって家の中で倒れこんどりゃええもんを
ヒートアップして電車の中で刃物を振り回すもんも出るし
テレビを点けたらオリンピックばっかし
何処で探して来たのかとって付けた様な‘美談,をほざいてるし
巷に目をやると‘コロナ,‘コロナ,で煽りまくってるし
夏なんだから海なんぞに出かけたいんだけど
もうこの連休もエアコンで冷えた部屋で酒飲むしか無いのか・・・
それもええけど
ええんかい!