小さい頃の夢はアイドル歌手になる事
お客さんのジュンコさん(誰)にそれを言ったら
「キャハハ!アホちゃう!」・・
と言われた
御三家でヒロミと秀樹は自分とはタイプが違う
それで五郎のレコードは19時の街角?まで全部買った
新曲が出ると一日に何十回も五郎の歌に合わせて歌うんだけど
二階の窓を開けて歌っていたら
隣の家の婆ちゃんが・・
「ひろ造ちゃん、歌手にでもなるんかいな?あんた男前やからなれるんちゃうか」
・・と豚のようにおだてられた
中学生の頃と高校に入った頃
2度程‘スター誕生,の予選を受けた
大阪と地元の高知で受けたんだけど
高知の時は出場者が800人だった
1時予選は1人一小節だけ歌うんだよ
全員の曲をあのアコーディオン演奏者の横森良造さんがピアノ演奏するんだけれど
今考えるといろんな曲があるんだから全部伴奏するってすごいよね
僕の番が来て歌おうとして
もちろん野口五郎の曲で
そうしたら
(あれ!野口五郎が一緒に歌ってくれへんやん)
・・って思ったわけよ
いつもレコードの野口五郎の歌に合わせて歌っているから
歌無しの伴奏じゃ歌え無いのよ
それでもってええ加減に歌っていたら前に座って僕の歌を聞いていた女の子らが・・
(こいつ何を歌ってるんや、全然違うやん)
って言ってるのが聞こえて来た
・・・
わし何の話やったっけ
そうそうアイドル歌手
アイドル・・アイドル
もしあの時、アイドルの登竜門に入れたとして
10代のまだ何も知らない少年の頃に
ジャニー喜多川のジジィが夜中に布団に入って来たりしたら
思っただけでもぞっとするわ
アイドルになれずに普通のへたれなガキでよかった
昨晩、夢を見た
初年兵として灼熱のインパール街道を前線に先行した部隊を追求している
ビルマに到着すぐに発病、半強制的に退院させられ
ふらふらした体で三八式歩兵銃と米入りのズタ袋を持たされている
米は飢餓状態で戦っている前線の部隊に送るために持たされた物だが
担送中、中抜きされてズタ袋にはほとんど残って無い
こんな物を部隊に届けたところで待っているのは
(途中でお前が食ったんだろう・・)
と言う古参兵から受ける凄まじい濡れ衣の私的制裁だ
それでも持って行かねばならない
部隊にたどり着かねばならない
上官の命令は陛下の命令
逃げる事は逃亡罪、敵前逃亡は即死刑
累は家族縁者に及ぶ
インパール、ニューギニア、ボルネオ戦線
全滅に近い戦線の兵隊の戦死は初年兵から始まる
生き残りの兵隊はほとんど古参兵だ
インパール作戦の死者のほとんどは病死
マラリアやコレラ、赤痢、と言った伝染病
伝染病は生水を煮沸する事である程度防げる
しかし、従軍中、初年兵は雑用に追われて生水を沸かす時間など無い
必然、生水に手を出して発病してしまう
夢の中で僕はひたすらインパール街道を歩いている
待ち受ける古参兵、飢餓、病気
進むも死
逃げるも死
絶望へ向かって歩いている
そんな夢を見た
戦記物の読み過ぎか