宇江佐真理さんの短編時代小説の中の「身は姫じゃ」
何処の子か分からない7~8歳の小さな女の子がやせ細った体と薄汚れた着物をまとって一人遊びをしていた
それを見かけた下っぴきの龍吉はいたいけな娘に哀れを覚え岡っ引きの伊勢蔵に知らせる
娘はほとんど口も利かず稀に垢だらけの顔をあげて「身は姫じゃ」としか言わない
伊勢蔵は自宅に娘を引き取り伊勢蔵の女房のおちかは娘を洗ってやったり贅沢なものを食べさせたりして
献身的に娘の世話をする
最後娘は高貴な方の忘れ形見と分るんだけどおちかとその娘との別れの場面が泣かすんだ
それにしても宇江佐真理さんの小説ってテレビドラマや映画にもなって
僕も何冊も読んでいるけど
この方、直木賞候補に6度も上がっているのに一度も直木賞を貰ってないやん
面白くない話で直木賞を取ってる作家がいくらでもいるのに
直木賞の選考基準ってどうなってるんだろう
2015年に亡くなっているけど無念だろうな