もうやる事なす事、おっくうでおっくうで・・・
やらなきゃならん事がすごいプレッシャーで・・
思い起こせば、ものごこころ付いた頃にはもう怠け者だった気がする
40年以上も前・・18歳の時
土方助手のアルバイトをしていた・・
現場が釜ヶ崎の三角公園横で公園は多くのホームレスが寝ていて
僕は役立たずだったので昼休みに土工連中が昼飯の時間、現場の見張りをさせられていた
その時間、ぼくはずっと公園の住人の観察をしていた
公園は強烈な乾いた小便の臭いがしていて住人の動きは極めて緩慢だ
やる事の無いおっさん連中が市場のまぐろのごとく大勢横たわっていて
公園の端の方の人だかりはコイコイ博奕
肺病病みはコンコンと乾いた咳をして
咳をしちゃー酒をあおっていた
酒の中身は捨てられた酒瓶の残りを集めた物
それでも嬉しそうにクビクビと飲んでいた
おもむろに立ち上がって小便をする
そばでおっさんが寝てるやん
もうほとんど人間を捨ててる
僕はぽかーんとその光景を見ていた
僕自身がホームレスと変わらない汚い作業着だったから
公園の連中から見ると別に違和感は持たれなかっただろう
それでも目つきの悪い何人かはあきらかに現場の工具を狙っていた
住人が大きな声で‘ホラ話,をしている
「わしの生まれた家には女中の5人もおってよう」
「もう上げ膳据え膳、おんぶにだっこ」
「ほいて気が付いたら釜ヶ崎」
ははは!住人が笑う
つられて僕も一緒になって笑う
僕はその時ふと思った
ここはわしの性格に合ってる
この自由さと何事にも縛られない幸福
人間が人間を捨てたら幸せになれる・・
・・とか思ったね
それから何十年かして隅田川に青テントが出現した時
休みのたんびに隅田川に遊びに行った
住人と同化しに
今では隅田川の青テントは撤去され
釜ヶ崎は綺麗に?なり
B級グルメのユーチューバーが闊歩する街になった
わしはこの先どこに行こう