皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

御内裏様が右手に持っているのは

2022-03-03 22:54:31 | 神社と歴史

御内裏様とお雛様
二人ならんで澄まし顔
ひな祭りの主役の一人御内裏様が右手に持っているのは『笏』
現在でも神職の正装の際に持つものとして知られる。平安時代の貴族の装束が起源になっている。笏とは『しゃく』とよびもとは『こつ』とも呼ばれていた。ただし『こつ』だと『骨』と同音となることから嫌われ『しゃく』とよばれるようになった。
男性装束において、その風格を重々しく威厳を持たせるための役割を果たし、その内側には式次第などのメモを潜ませたと言われる。

現在でも笏の内側に祝詞や大祓詞を重ね持つのが作法となっっていて、祭式行事作法における所作を神職は継承し、祭祀に当たっている
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上巳の節句

2022-03-03 22:06:52 | 風の習わし時を超え

陽数の重なる五節句は人日、上巳、端午、七夕、重陽。弥生の巳の日に水辺で厄災を祓う中国の行事がの本に伝来し、平安期には厄を人形に預けて流す『流し雛』が風習となった。今日は上巳の節句。一般的には桃の節句と呼んだほうが馴染みがある。
雛壇に飾る『雛飾り』が一般化したのは江戸期になってからだという。
埼玉県内には雛人形の産地が二ヶ所あって、鴻巣、岩槻ともに人形の里として知られる。ともに中仙道、日光街道の宿場町で、特に鴻巣では古墳から出土した埴輪が人形作りの始まりとなっている(「生出塚古墳』) 

桜餅や菱餅をお供えして祝う。菱餅は清らかな水を表す白、魔除けを表す赤、健康長寿を祈る緑の三色であることが多い。

婚礼にも祝いの品として用いられる蛤。ひな祭りにも欠かせない一品であるが、その意味は二枚の貝殻が一組に噛み合わせ、夫婦円満や縁結びに結び付くという。

桃の節句と呼ばれるのも、桃には霊的な力が宿ると考えられていて、魔除けの意味合いを有している。
古事記神話において、黄泉の国で腐敗した愛するイザナミノミコトの姿を見てしまったイザナギノミコト。逃げ帰る際に投げつけたのは桃の実だったという。
いよいよ梅の花も咲き始め、桜の季節も間近に迫っている。
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