国土交通省のHPの資料によれば令和二年度末における全国の汚水処理施設の普及率は人口比で92.1%。
裏を返せば国民の約8%が下水処理施設を使えない環境にいることになる。その数990万人。電気通信インフラばかり気がかりな現代ではあるが、実は全国の多くの場所で、水の処理が衛生的にできないということが見えてくる。戦後70年過ぎてこれが日本の現実の一面である。
各処理別に見ると下水道による地域がもっとも多く1億123万人(80%)農業集落排水施設によるものが321万人(2.5%)浄化槽によるものが1175万人(9.3%)となっている。
私の住む村(行田市の農村部)は市街化調整区域に指定されており、各家庭の排水処理は合併浄化槽となっている。行田市内では地域的には浄化槽区域のほうが広いと思われる。
年に一度浄化槽の法廷点検があり、検査員による水質と施設検査が義務づけられている。
浄化槽は微生物の働きを利用して汚水を分解処理する装置。トイレ施設がらの汚水を専門に処理するのは単純浄化槽。生活排水をすべてろ過するのが合併浄化槽と言われる。ただし現在では単純浄化槽というのは製造設置が終わっており、合併浄化槽への切り替えが推奨されている。ただし戦後真もなく設置された単純浄化槽も場所によっては稼働していて、検査を受ければ使える仕組みである。
浄化槽は各家庭で個別に汚水を処理する日本独自の仕組みであり、初期設置にコストがかかるが下水道料金がかからない。昨年ブロイラー(送風装置)を交換したが、地面に設置した7人用合併浄化槽は設置38年が過ぎても十分に作動している(検査においても透明度も高いと評価された)これもひとえに清掃保全を請け負ってくれている新井清掃さんのお陰だ。
実は浄化槽の汲み取りの費用は市町村間で隔たりがあるそうだ。通常汲み取りでは一回で二万円以上請求されるところが多いが、行田市においては約15000円となっている。これは汲み取った汚水を最終処分する各行政機関(市町村)が価格決定に権限を持つそうだ。場所によっては清掃保守管理を促すため、独自補助金を配るところもあるらしい。
水道料金については昨今多くの人々が関心をもって見ていることは確かだ。上水だけでなく環境の保全、持続可能な社会を目指すrため、浄化槽を始め、処理施設には関心があつまることだろう。