ニコンSP ニッコールS.C5cmF1.4
先日いつものようにオークションをチェックしていたところ、なんとなんとニコンSPが
ジャンクとして出品されていました!そう、あのニコンSPです。カメラおたくの私としては
「良くハナシには聞くけれども実際に使ったこともないし撮影に使われているところも見たことがない」
カメラナンバー1といったマシンです。
同時代のライバルたるライカのM3やM2のポピュラーさと比較しますとカローラとスバル1000にも
さも似たりといったところです。ジャンク扱いではあるものの、シャッターは全速切れている・・という
ことでした。そして商品説明には明記されていなかったのですが、シャッター幕はチタン製であるようでした。
SPのシャッター幕は製造時期中途から布幕からチタン幕に変更されていたそうです。
どんくさい私としては、誤って太陽光でシャッター幕を焼いてしまう心配がないだけでも
嬉しくなってしまいす。
ニコン修理のエキスパートフォト工房キィートスさんのホームページの解説文に
『S型カメラは最近ではとても貴重なカメラです。日本の技術の高さを誇れるすばらしいカメラです。
当社では経験豊富なベテラン技術者が誠意を持って修理を行います。どうぞお気軽にご連絡ください。』
とまで書かれています。
そこまでいわれては行かなくちゃ!という感じですね(^^)。さすがにちと高価でしたが
ジャンクと大書してあるおかげで特に競ることもなくあっさりと手元にやってきてくれました。
ニコンSP ニッコールS.C5cmF1.4 1/125 F5.6 ベルビア50
装着されていたレンズはニッコールS.C5cmF1.4で、私の好きなゾナータイプの玉です。
内爪を使って装着するのですが、ヘリコイドもボディのほうを使うのでレンズ単体では素晴らしく小さな
レンズです。が、他のSマウントのレンズに交換したときには外爪用のリヤレンズキャップが合わないんですね(^^;)。
これはか~なり不便です。
ニコンSP ニッコールS.C5cmF1.4 1/125 F5.6 ベルビア50
プロ用カメラSPでプロカメラマンを撮影です。いやはや彼らのシャッターを切ること切ることまさにマシンガンのようです。
撮影した写真はすぐさまパソコンで電送していましたが・・撮影そのものよりも100コマも200コマも送られる画像から
ベストショットを選ぶほうがよっぽど大変なのではないでしょうか?
いまや全自動で笑顔を撮影するカメラもあるほどですから、ナイスピッチング自動認識やホームラン自動認識の
機能をつけたカメラを発売すればプロカメラマンに爆売れは間違いありませんね。あ、そうなったらプロカメラマンなんか
いらなくなりますが(^^)。
ニコンSP ニッコールS.C5cmF1.4 1/60 開放 ベルビア50
開放・最短撮影距離でがんばってみました。昔の大口径レンズらしくぼわんぼわんのボケです。
この頃のレンズはエンジンでいえばレッドゾーンみたいなものですから現在のレンズと比較するのは
ヤボというものです。
夜景など撮影するとおどろおどろしい写真がとれそうですね。
ニコンSP ニッコールS.C5cmF1.4 1/250 F5.6 ベルビア50
桜の花を浮き立たせようとちょっと暗めの露出にしましたら,超へちゃつぶれになってしまいました(^^;)。
ベルビアなんかより軟調なネガフィルムかモノクロフィルムを使うべきレンズであります。
ニコンSP ニッコールS.C5cmF1.4 1/125 F5.6 ベルビア50
ボディは角いうえにギザギザのフォーカシングギヤも長時間使うとけっこう指が痛くなって、いちいち手につらいカメラです。
感覚性能が硬派でずっと正座しているような感じです。昔の人はこんなカメラで仕事をしていたんですね。えらいなあ。
先人たちの苦労があればこそ今のユーザーフレンドリーなカメラ達があるわけですね。でも現在の連射しまくるプロカメラマンより
手をささくれだたせてSPで仕事をしていた昔のカメラマンのほうがかっこいいです。絶対(^^)。