C ビオゴン21mmF4.5 ZM
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「レンズの味」という表現があります。舐めてみて甘いとか辛いとかいうことではなく、そのレンズで撮影した時の
描写の個性と言い換えても良いかもしれません。
そこでマニアック&ニッチなマーケティングを得意とするコシナがツァイス銘で2007年に発売したのが
今回ご紹介するC ビオゴン21mmF4.5 ZMです。
名前のとおりむか~しからあるコンタックス用のビオゴンレンズを現代の技術でよみがえらせたクラシックテイストの
レンズ・・というわけですね。もっとも本家のビオゴンがどんなレンズだったかは知りませんので
純粋に「ツァイスの21mm」という評価しかできませんが(^^)ゞ。
F値は4.5という暗さですが、おかげで非常に小さくまとめられていて、ちょい撮りのスナップには
最適ですね。暗めのレンズですので露光不足にならないようにとAE撮影ができるツァイスイコンに装着しましたら
なんと電池が消耗してしまっておりました(TT)。
仕方なく私のコレクションの「電池がなくても写せるシリーズ」のライカMDを取り出してきました。
ライカMDもおよそ何年ぶりかの出動ですがそもそも故障するところがないカメラですからこのような非常時には
頼れる助っ人であります(^^)。
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ライカMD C ビオゴン21mmF4.5 ZM 1/30 開放 ベルビア50
「駅近古墳」ではナンバー1ではないか?と思える垂水の五色塚古墳です。古墳といえばもこもこに雑木が生えて
山だか丘だかわからない・・・というのが定番ですが、この五色塚古墳は円筒形埴輪と葺石できれいにレストアされていて
建造当時?の姿を彷彿とさせてくれます。曇っていたので絞り開放での撮影です。開放絞りでもパンフォーカス感バツグンで
超高級写ルンです感が半端ないですね(^^)。
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ライカMD C ビオゴン21mmF4.5 ZM 1/125 F5.6 ベルビア50
いかにも明石という土地を象徴する鯛のモニュメントです。青空を周辺落ちでドラマチックにしてくれるまさに
「ビオゴン効果」です。画面真ん中と周辺の光量をくらべますと1絞り以上落ちた感がありますね。
これがビオゴンの味でしょうか。
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ライカMD C ビオゴン21mmF4.5 ZM 1/125 F5.6 ベルビア50
長大な明石海峡大橋も21mmという広角でミニチュアみたいに写せました。青空が広がっていると
いくらでもシャッターを切ってしまいます。
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ライカMD C ビオゴン21mmF4.5 ZM 1/30 開放 ベルビア50
普段見慣れている景色もなんとなくストーリー性があるように変換して描写してくれる楽しいレンズです。
非常におどろどろしい魚の棚のタコの絵です。今風に萌えの絵にしてもらったほうがオタクのおじさんとしては嬉しいですが(^^)ゞ。
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ライカMD C ビオゴン21mmF4.5 ZM 1/125 F5.6 ベルビア50
周辺落ちばかりに目を奪われますが、けっこう太い線の描写をする玉です。もっともベルビア50なんぞよりも
モノクロでコントラストが高めのフィルムなどのほうが相性が良いかもしれません。
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ライカMD C ビオゴン21mmF4.5 ZM 1/125 F5.6 ベルビア50
生命感たっぷりの楠の枝ぶりが素敵な龍野城です。揖保川の恵みで非常に情緒豊かな街並みで
楽しく撮影できます。ヒガシマル醤油と揖保乃糸そうめんのふるさとでもあります。
今年の夏は猛暑でしたのでとってもお世話になりました(^^)。
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ライカMD C ビオゴン21mmF4.5 ZM 1/125 F5.6 ベルビア50
青空に溶けこんでしまうような高圧線もきちんと描写していますからパワーのあるレンズであることはまちがいありません。
コシナメイドらしく青っぽさは常に漂っていますが(^^)。MDみたいにフォーカスフリーのボディに装着しますと
高級写ルンですとして大活躍です。ネガフィルムで旅行でのスナップが一番正しい使い方かもしれませんね。