ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

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クロマティ様、日本の野球レベルは決して落ちておりません。

2017-09-07 20:55:00 | 思うこと

かつて巨人で人気助っ人だったウォーレン・クロマティが、日本のプロ野球に苦言を呈したそうな。
以下、ヤフーニュースより抜粋。

「私はテレビなどで日本のプロフェッショナルの野球のレベルを見ていてがっかりしています。レベルダウンしています。野球に対する関心、ファンの熱意は健在です。しかし、競技面でのレベルは少し落ちてますね。進化という部分というか、メンタル面の部分なのか、日本の野球はワンパターンと言ってもいいかもしれません。日本の野球はずっと同じで、サプライズというものが欠けています。言うなれば、全てが予想可能なのです。先頭打者がヒットを打てば、次の打者はバントする。驚きという要素、本能と呼ぶべきものが足りません。ベースボールと野球はリズムが違いますね。依然としてあまりに組織立っているというか。ですから、私は選手の自己表現をもっと見たいと思っています」

私はこの記事を読んで、かなりの違和感を覚えた。
私は野球ファンという程でもなく、支持球団もないので私ごときが意見出来た義理ではない事は、重々承知の上である。

超一流どころがメジャーでプレイしているため、国内のプロ野球がレベルダウンしているかのようなイメージを持っていたなら、分からないでもない。
しかし鳴り物入りで日本に来た選手が、みな期待通りの活躍をしているのか?
もちろん期待通りの選手ばかりではないはずである。

クロマティが日本で活躍した1980年代後半から30年近く経つが、野球は確実に変化、進化している。

まず投手面では、少なくともクロマティが巨人に居た当時、カットボールやツーシームは存在しなかった。
いつの時代にも速球投手は居たが、球速だけ見ても少なくともクロマティの現役時代に大谷翔平を超える球を投げる投手は存在していなかったはずだ。

打撃面でも、高橋由伸が現役時代2番を打ち始めた頃から打順の組み方も変わってきた。
先頭打者が凡退しても、2番打者がいきなり長打して1死2塁を作れるような攻撃的布陣も、普通に見かけるようになった。
クロマティの現役時代より、全てのフランチャイズ球場も平均10㍍ほど外野が深くなっている。
プロ野球が退化しているとは、さほど思えないのである。

プロのみならず、少年野球でもゴロやフライの捕球は決して打球の正面に入らず、右利きの場合左に入るよう指導される。
正面に入ると、軌道を見失うからである。
打撃も、「上から叩け」という指導者はめっきり減った。投球の軌道にバットを乗せるレベルスイングの方が、理にかなっている。

確かにクロマティの言う
「先頭打者が出たら、判で押したように送りバント」
が意外性に欠ける、読めてしまって面白くないというのは一理ある。
しかしそれは野球の定石であり、定石に面白さを求める方が間違いではないのか。
WBCで日本は2度世界一に輝いているが、それはとりも直さずスモール・ベースボールの賜物であり、スモール・ベースボールは世界に通ずるのである。

菅官房長官ふうに言えば、
「クロマティさん、その指摘は当たらない」
と思うのだが(笑)…?