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ゆかしい香りで気が付きました。
フウラン(風蘭)が咲いていました。
数年前にはたくさんの鉢があり、植え替えも毎年のようにされていました。
今では冬もそのままにし、手もかけないので、鉢数は少なくはなりましたが、
有難いことですが、きちんと、咲いてくれております。
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水苔を替え、株分けをしなくてはいけませんね。
風蘭は老木などに着生するラン科の常緑多年草です。
『風蘭や岩をつかんでのんだ松』
『風蘭や軒にもたれし松の枝』
『風蘭のほのかに白し鉄燈籠』
と子規は詠まれております。
6月から7月には白い花柄を出して数輪の花をつけ
上品ですっきりとした芳香を放ちます。
花弁は三裂し、距(きょ)とよばれる長い管が後方に伸びるのが特長です。
名の由来は、風に乗って木に止まったように見えるからとか、
樹上の風を見て茂るからだともいわれています。
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江戸時代には「富貴蘭」と呼ばれ、葉っぱや花に変異のある様々な品種が栽培され
安政二年「風蘭見立鏡」には118品種があったそうです。
最近では戦後、榊莫山さんがブームにされたとか。
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その『莫山家の茶懐石のおもてなし』世界文化社では
風蘭の香りの中での点心と「水無月」の菓子後の一服の茶
風蘭の世界に浸ってくださいとのこと。
このような風流な茶事はしたいものですが、
風蘭の花が咲く時と上手く合わないとね。