『黄金の壺』、物語は主人公のアンゼルムスが、りんごのかごへ突撃するという突拍子もない出来事からスタートします。この大学生アンゼルムスは、昇天祭へ出かける途中だったわけですが、かごへ突っ込んでいくなんて只事ではない。突撃するからには走っていなくてはならないわけですが、彼がどうして走っていたのかは触れられていません。昇天祭へ遅刻しそうだった?あるいは犬にでも追いかけられた?どんな理由であれ、このオープニングで、アンゼルムスが運のない男であることは読者に強く印象づけられます。
りんごを売っていた老婆から悪態をつかれ、(ただの悪態ではなし。呪いの言葉です)弁償のため昇天祭で遊ぶ金もなくし、にわとこの木陰で運のなさをひたすら嘆くアンゼルムス。彼の口から、今までどれだけ不運だったのかが語られますが、それはもう大変な運のなさであり、加えてとてもドジな人。自己嫌悪に陥っていると、クリスタルの鈴の音が聞こえたような気がして、そちらを見ると、にわとこにエメラルドグリーンの蛇が三匹いるではありませんか。その瞳に魅了され、体に電気を浴びたようにショックを受けるアンゼルムス。しばらくすると、その蛇は川へ消えてゆきました。これで第一の夜話は終わりです。
運のない男を虜にした、エメラルドグリーンの蛇の正体は…。それはまた次のお楽しみですが、第一の夜話で、すぐに非現実的な世界(エメラルドグリーンの蛇)がやってきます。無駄な説明がだらだらと続かず、てきぱきと物語が進んでいく印象です。小説のなかで非現実的な世界というと、じわじわといつの間にか現実へ入り込んでくるというイメージがありますが、それとは一味違うようで、とてもすっきりしています。それがホフマン初期作品の魅力でもあるのでしょうか。
りんごを売っていた老婆から悪態をつかれ、(ただの悪態ではなし。呪いの言葉です)弁償のため昇天祭で遊ぶ金もなくし、にわとこの木陰で運のなさをひたすら嘆くアンゼルムス。彼の口から、今までどれだけ不運だったのかが語られますが、それはもう大変な運のなさであり、加えてとてもドジな人。自己嫌悪に陥っていると、クリスタルの鈴の音が聞こえたような気がして、そちらを見ると、にわとこにエメラルドグリーンの蛇が三匹いるではありませんか。その瞳に魅了され、体に電気を浴びたようにショックを受けるアンゼルムス。しばらくすると、その蛇は川へ消えてゆきました。これで第一の夜話は終わりです。
運のない男を虜にした、エメラルドグリーンの蛇の正体は…。それはまた次のお楽しみですが、第一の夜話で、すぐに非現実的な世界(エメラルドグリーンの蛇)がやってきます。無駄な説明がだらだらと続かず、てきぱきと物語が進んでいく印象です。小説のなかで非現実的な世界というと、じわじわといつの間にか現実へ入り込んでくるというイメージがありますが、それとは一味違うようで、とてもすっきりしています。それがホフマン初期作品の魅力でもあるのでしょうか。