学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

どんど焼き

2015-01-10 22:02:53 | その他
今夜、地域のどんど焼きに初めて出かけました。

どんど焼きは正月の松飾りや注連縄などを集めて燃やす祭りのことです。

私は1年間お世話になった熊手、達磨、お守りなどに心から感謝の気持ちを
込めて納めてきました。

こちらの地域のどんど焼きは、竹で櫓を組む方法で準備がなされるようです。
高さは電信柱よりもやや高いくらいで、とても大きくて迫力があります。

地域の人たちはやぐらから離れた場所でも、薪をくべて火を起こし、周りを
囲んで暖をとっていました。

火の周りには赤、白、緑の団子を木の枝先に差したものが立ててあります。
これは「まゆ玉」と呼ばれているようで、火のそばで団子を焼き、食べ、
1年間の健康を祈る意味があるようです。

私は飽きることなく火を眺めていました。

炎の先から火が糸を引くように上がり、やがて何かの生きもののように、
火の粉がくるくると空に舞い上がります。

その美しさに、私は速水御舟の《炎舞》を思い出していました。
舞い上がる火の粉が、あの蛾の円舞のようにも見えたからです。

いよいよ櫓に火が点けられたときには、一瞬にして周りがぱっと明るくなり、
炎の熱気に全身が包みこまれました。
何もかもが夜空に吸い込まれていくような不思議な感覚。

帰り道、ふと夜空を見上げると澄んだ空に星々が輝いていました。
火の粉が空に舞い上がって、たくさんの星になったのかもしれませんね。