学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

北茨城芸術祭・袋田の滝

2016-10-03 20:00:52 | 展覧会感想
昨日は再び「北茨城芸術祭」へ出かけ、大子町(だいごまち)エリアを回ってきました。大子町は茨城県の北西に位置している山間の街で、北は福島県、西は栃木県に接しています。都内からだと、車で3時間程度で来ることができるので、ドライブにはちょうど良い距離かもしれません。

大子町といえば、日本三名瀑のひとつ「袋田の滝」(ふくろだのたき)が、よく知られているのではないでしょうか。私はいつか行ってみたいとは思いながら、なかなか重い腰が動かず、昨年になって初めて訪れました。今年はここが「北茨城芸術祭」の会場のひとつになっていて、このたび再び訪れたというわけです。

作品は「袋田の滝」へ向かうトンネルのなかに展示されています。天井に設置されたユニットのなかを赤い(あるいはピンクのような)光が走る、という作品で、作者は韓国のジョン・ヘリョンさん。狭いトンネルのなかを赤いヘビがうねるようでもあるし、トンネルを人間の腕や足のなかだと考えれば血液の流れのようにも見えます。ガイドブックによれば、作者の意図は「袋田の滝」を始めとする川などの流れをイメージしたそう。人によって様々な見え方で楽しめるのが芸術祭の魅力です。作品は作者の意図を越えて、私たちの心にいつも語りかけてくれます。ここで写真を紹介したいところなのですが、著作権がありますので、ぜひ本物の作品をご覧になって見てください。

さて、私は1年ぶりに「袋田の滝」を訪れたわけですが、ここは本当に楽しいところ。

まず、滝を見るまでしばらく歩くのですが、道沿いにお店が連なっていて、手軽に地元の名物が食べられるんですね。竹串に刺さった奥久慈のしゃものお肉、しゃものテール、鮎の塩焼き(子持ち鮎がとても美味しい!!)、お団子など、滝に向かいながら食べられる贅沢!食べ終わった後の竹串も、道端にゴミ箱があるのはもちろん、空の竹串に気づいた他のお店の人が声をかけて下さり回収してくれるのです。よくイベントなどで食べた後のゴミの捨て場にこまることがありますが、ここではそういう心配は一切ありませんでした。お店の人たちがそれぞれ連携している姿にとても好感が持てます。

肝心の「袋田の滝」も、観瀑台がいくつもあって、遠目から全体の姿を眺められるし、水しぶきがかかるほど目の前でも眺めることができます。そこからは自然の美しさ、爽やかさ、力強さといった要素が楽しめます。これからは、11月の「袋田の滝」ライトアップ、紅葉のシーズン、そして氷爆のシーズン。まだまだ楽しめそうですね!




ぜひ、「北茨城芸術祭」と合わせてお楽しみ下さい♪