学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

萩原の『カラマーゾフの兄弟』評

2008-05-30 15:47:43 | 読書感想
朝から雨である。雨だと気分も落ち込む。天気が悪いと、どうして気分が落ち込むのかは知らない。だが、少なくとも人間には太陽が要るらしい。

今日の休みを利用して図書館から萩原朔太郎の関連する書籍を2冊借りてきた。「新潮日本文学アルバム 萩原朔太郎」(新潮社)と「父・萩原朔太郎」(萩原葉子著 筑摩書房)である。まだ読んで居る途中だが「アルバム」を見ると、萩原が「カラマーゾフの兄弟」に関心を寄せていたことがわかる。萩原は自分が持っていた「カラマーゾフの兄弟」の余白にこんなメモを残している。

「この書物をよんで感動しないものはどんな書物をみても感動することのできない人である」

萩原がどれだけ「カラマーゾフの兄弟」に感動を受けていたのかがわかる文章である。萩原の言葉を真に受けると、同作が苦手な私は「感動することのできない人」であるらしい。感動することができない人間が学芸員をしていていいものだろうか、と冗談まじりに腕組をしてみた。むろん、私自身、感動することのできない人間だとは毛頭思ってもいないけれど。

これからコーヒーを飲んだ後、また読書にふけようと思う。

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