学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

近現代日本陶芸の巨匠たち

2009-03-18 21:11:41 | 展覧会感想
休暇を利用して、茨城県笠間市にある茨城県陶芸美術館へ行ってきました。この美術館は冠に掲げている通り「陶芸」をテーマに様々な企画展を行っています。板谷波山、松井康成など郷土にゆかりのある陶芸家から、日本の民藝、ロシア・アバンギャルド、現代アメリカの陶芸など世界の陶芸を紹介しています。毎回展覧会は面白く、私の好きな美術館の1つです。

今日は企画展はやっておらず、コレクション展でした。しかし、なかなかどうして充実したコレクションを所蔵している美術館だけあって、そうそうたる作品が展示されています。焼き物を見る場合、私は「もの」がもつ第一印象はもちろんですが、「土」を焼成することでどういった表現が生まれるのかを楽しみに見ています。板谷波山の葆光彩磁(ほこうさいじ)の薄いヴェールをかけたような作品、松井康成の練上(ねりあげ)を見ていきますと、「土」の可能性を追求し続けた陶芸家たちの姿が目に浮かんできます。とても見ごたえのあるコレクション展でした。

あと…展示室の前にあったわかりやすい解説。陶芸作品のタイトルは「種類」-「模様」-「用途」の順番に名づけられているというもの。これを知っておくだけでも、とても興味深く鑑賞できる、そんな親切な解説です。もし、陶芸を美術館でご覧になる場合にはぜひご参考下さいませ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿