『日本の美術 帯』を読みました。日常において、我々が着物姿の女性を見る機会はほとんどありません。でも、たまに見かけたときは、ああ、きれいだなあと思います。視線は着物、そして帯に目が行きますね。あるいは最初に帯に目が行く人もいるかもしれない。帯は着物に付随するものですが、なかなかデザインについて語られたことはありません。しかし、本書を読むと「帯」の奥深さに驚かされます。
私が興味を惹かれたことは、奈良時代の正倉院宝物に「紺玉帯」が所蔵されていること。これはバックル付きのベルトなんですね。すでに奈良時代にあったことに驚かされました。しかも、かの有名な《聖徳太子二王子画像》には、バックル付きのベルト(帯)を締めた聖徳太子がいる…まだまだ観察力が足りないですね、私…。
時代を経るごとに帯は大きくなり、江戸時代の肉筆浮世絵などには幅の広くて、素敵なデザインの帯が次々に登場します。着物と帯は動く絵画、などといいますが、とてもきれいです。明治、大正となると、油絵で南蛮船を描いたもの、アールデコを取り入れた帯なども登場してきたようです。奇抜すぎて、アールデコはちょっと違和感がありますけれども…。
著者の長崎巌氏は、現在「帯はきもの以上に存亡の危機に瀕している」と締めくくっています。日本人は着物や帯を見に付ける機会が本当に少なくなりましたが、時代の流れ、で片付けるのはとても悲しいですね…。
●『日本の美術 第514号 帯』長崎巌著 至文堂 2009年
私が興味を惹かれたことは、奈良時代の正倉院宝物に「紺玉帯」が所蔵されていること。これはバックル付きのベルトなんですね。すでに奈良時代にあったことに驚かされました。しかも、かの有名な《聖徳太子二王子画像》には、バックル付きのベルト(帯)を締めた聖徳太子がいる…まだまだ観察力が足りないですね、私…。
時代を経るごとに帯は大きくなり、江戸時代の肉筆浮世絵などには幅の広くて、素敵なデザインの帯が次々に登場します。着物と帯は動く絵画、などといいますが、とてもきれいです。明治、大正となると、油絵で南蛮船を描いたもの、アールデコを取り入れた帯なども登場してきたようです。奇抜すぎて、アールデコはちょっと違和感がありますけれども…。
著者の長崎巌氏は、現在「帯はきもの以上に存亡の危機に瀕している」と締めくくっています。日本人は着物や帯を見に付ける機会が本当に少なくなりましたが、時代の流れ、で片付けるのはとても悲しいですね…。
●『日本の美術 第514号 帯』長崎巌著 至文堂 2009年
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