学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

夢の話

2007-09-03 18:26:04 | Weblog
午前は曇天、午後より快晴。夕方、暖かな日和に誘われて、うとうとと午睡。そんななかで見た夢の話。

気が付くと、私は祖父母の家に居ました。家の中は、まるで黄金色のように光っています。それは電灯をつけたような人工的なものではなく、家のなかから発せられているかのようでした。また、いつもは茶の間にあるべきはずの年季が入ったテーブル、違い棚に置かれていた埃まみれの笹野彫、そればかりか、障子すらもなくなっていました。ですから、家のなかが大変広く感じられたのです。

私は裏口を開けて、外を見ると、こげ茶色の盛り土があって、その向こうにバラックの屋根が沢山見えました。ここは畑があったはずなのですが・・・。

祖母の姿が見えないので、いとこをつかまえて、どこへ行ったのかと聞くと、知らないと言います。ちょうど父が二階へ上がる姿を見かけたので、私は後ろから追いかけて行って、同じ質問をすると、もう亡くなったよ、と言われました。いつ亡くなったのかと聞き返すと、8月21日(この日付、なぜか明確に覚えています)だと答えます。そのとき私の世界ではまだ生きているのに、とすぐに思いました。「私の世界」つまり、このとき、私は「現実の世界」と「夢の世界」の存在に気づいていたのでした。

私は外を散歩することにし、家の裏へ周ると、先ほど盛り土があったはずなのに、辺り一面田んぼです。道のそばで、一人の男性が座っています。男性は暑いらしく、ハンカチで額を拭きながら、私にメモを渡し、この人の住所を知らないかと聞きます。私はその人の住所を知っていました。けれど、この人が今はメモにある場所に住んでいないことも知っています。私は「彼ならもう引越ししていないよ」と答えると、男性はいなくともかまわないから、そこに案内して欲しいと言うのです。私はしぶしぶ男性を案内しました。

その場所に着きました。なんと申せばいいのか。神社の社の上に何故か押入れがあって、彼はかつてそこに住んでいたのでした。(自分で書いていても意味が不明です。ごめんなさい。)とても古くて巨大な神社で、押入れも開くのかどうかわからないほど朽ちていました。私は、「昔は10メートルくらいのはしごを使って、彼は家から出たり入ったりしていたのです。」と男性に説明をしました。男性は随分納得してくれて、もう充分だよ、と私に言いました。

場所が変わって、私は書店で本を探しています。目がかすれて、うまく本の背表紙が読めません。私は一冊の本を手にとって、中を開いてみました。本のなかには、見たこともないほどの美しい色彩が広がっていて、そこに作者の詩が書いてありました。なんと書いてあったのかは記憶がありません。すると、私のすぐ横で女性のくすくすと笑う声がしました。私が横を見ると、白いワンピース姿の女性が前を向いて、右手を口に当てて笑っているのです。私はその女性を見たことがありませんでした。女性に話しかけようとした、そのとき・・・目が覚めてしまいました。

よくも、まあこれほど明確に夢を覚えているものだと思いますが、そんな不思議な夢の話でした。

文学の旅(予習)

2007-09-02 18:12:32 | Weblog
午後から疲労した体を引きずって、書店へ出かけました。来週から「文学の旅」に出るに伴い、必要なガイド等を買ってきたわけです。

まっぷる「東北」
→旅行ガイドの定番ですね。これを読んで具体的に行く場所を決めます。

プルーストリー著「イングランド紀行」
→旅行後、文章でまとめる機会があるかもしれないので、
 参考までに買いました。本当はゲーテの「イタリア紀行」が
 欲しかったけれど、売っていなかったのです(泣)
 でも立ち読み(失礼!)した限り、なかなか面白そう。

太宰治著「津軽」
→太宰はあまり好きじゃないけれど、滅多に青森へ行く機会もないわけですから、
 しっかりと彼の著作も読んで行きたいと思います。

さて、どんな旅になりますやら。明日はいよいよ行先決定です!

はじめての展覧会

2007-09-01 21:51:18 | Weblog
ここ数日の霧雨で、すっかり気温が下がりました。殊に今朝は肌寒いほどで、相変わらずの曇天模様と重なって、なんだか心持がよくありませんでした。ようやく忙しかった一週間が終わり、来週はやや落ち着いて仕事に臨めそうです。明日も午前中は出勤ですが、午後はお休み。少しでも休みがいただけるだけで、ありがたみを感じる今日のこのごろ。

今日のブログは長いので、お茶でもすすりながらどうぞご覧下さいまし。

さて、今日は、私が初めて展覧会なるものに行った時の思い出を書いてみたいと思います。私の頼りない記憶によれば、初めて見た展覧会は仙台市博物館の「大名の精華」展です。確か中学一年生だったように思います。もちろん、それ以前にも博物館へ行ったことはありましたが、「展覧会」を意識したことはなく、展示してある作品を断片的に覚えている程度でした。この展覧会には、友達と2人で見に行ったのですが(実にしぶい中学生でした:笑)、実は見に行こうと思って見た展示ではなかったのです。そのいきさつから始めましょう。

中学生の時分、私は科学部でした。入部してすぐにグループ研究をすることになり、私は仲のいいE君と共に化石の研究をすることにしたのです。そこで研究をするには、まず本物の化石が必要だということになり、実際に取りに出かけることにしました。実は化石の採掘場所として仙台市博物館の西には竜ノ口渓谷と呼ばれる場所があり、そこの地層からは様々な化石が取れることを知っていたのです。いわゆる、いわくつきの場所でもあるのですが・・・。私とE君は、早速化石を取りに出かけることにしました。

運動のしやすい格好で、長靴を履き、いざ出陣!!仙台市博物館前のバス停でおり、私たち2人は期待に胸をふくらませ、意気揚々と目的地を目指しました。竜ノ口渓谷入口についたのは、おそらく午前9時頃でしたでしょうか。なんだかいやな予感。なぜなら、川のすさまじい轟音を聞いたためです。これはもしかして、と川の見える位置まで歩くと、とても人が入れるような状態ではありませんでした。前日の雨で水かさがかなり増し、水流もうなるような激しさだったのです。いつもはくるぶし程度の水量が、ひざほどまできているのですから、これはお手上げ。我々2人は、とぼとぼと帰途に着くことにしたのです。その途中、歴史好きの私たち2人は、折角だからというので「大名の精華」展を見ることになった、そんないきさつでした。

「大名の精華」展では、仙台伊達家の意匠や茶道具、武具など、斬新なデザインではありながら、質素な調子を失わない作品たちが並んでいました。開館してすぐに来館したため、他のお客さんもおらず、ゆっくりと楽しむことができました。ただ・・・私たち、とても博物館を見学するようないでたちではありませんでしたから(特に長靴)、少し冷ややかな監視員の視線を子供ながらに感じましたけれど・・・。でも、自分も監視員だったら、同じく冷ややかな目をするでしょうね(笑)あんまり面白かったので、図録を買おうと思いましたら、結構高い。それはあたりまえ、中学生の感覚では、2千円、3千円する図録は高いですよね。でも、無理して買いました。このとき、買うかどうか随分悩みまして、E君から早く決断しろと言われました(笑)「あのときはさあ~」と今でも言われるときがあるくらいですから。無理して買ったおかげで、絶対に元はとってやろうと図録を隅から隅まで読みました。今はだいぶ色があせてしまったけれど、大事な大事な思い出の本として、私の本棚に置いてあります。

少し長めでしたが、私が初めて見学した、そんな展覧会のお話でした。