語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】野菜不足解消によい「浅漬け」は添加物まみれ

2016年05月03日 | 医療・保健・福祉・介護
   ①永谷園「ササッと浅漬け」
   ②エバラ食品工業「粉末 浅漬けの素」
   ③マルコ食品「手もみ漬けの素(しそ風味)」

 (1)和食の基本は、「一汁三菜」。一汁は汁物で、三菜は副食3皿。ご飯や漬物は、毎食摂ることを前提としているのが和食なので、わざわざ挙げない。

 (2)野菜の保存が誕生の目的だった漬物は、保存製法の大部分が塩蔵だったので、塩分含有率が高いのが特徴だ。
 かつての食生活の中で米の最高の友だった漬物だが、20~30年ほど前から高塩分が生活習慣病の要因だと敬遠され、昨今はサラダ感覚の「浅漬け」が主流となっている。

 (3)「浅漬け」は、短期間で風味よく漬け込んだ漬物の総称で、保存を目的としないため2~3%程度の薄塩だ。家庭で作れば好みの野菜と塩+昆布など台所の常備材料で作ることができる。しかし、ここで簡便な市販の浅漬けの素に頼ると、不必要な添加物を摂取することになる。
 ①、②、③の原材料は、(a)「調味料(アミノ酸等)」、(b)「デキストリン」、(c)「微粒二酸化ケイ素」、(d)「酸味料」など、家庭の台所とは馴染みのない添加物だ。
  (a)「調味料(アミノ酸等)」・・・・現代人が旨みとして好む添加物のスター的存在で、グルタミン酸ナトリウム(化学調味料)を主体にイノシン酸などを混ぜて使用される合成食品添加物だ。一括名表示の添加物であるため、どのような成分が添加されているか、不明な上、「3gが食塩1gに相当する」という指摘を考慮すると、これら浅漬けの素は摂取量によっては決して塩分含有が低いとはいえない。   

  (b)「デキストリン」・・・・ジャガイモやトウモロコシのでん粉を酵素や酸で加水分解した時に得られる中間生成物の総称だ。本来でん粉は水に溶けないのだが、細かく分解してデキストリンにすると水に溶けやすくなり、糊剤や乳化剤などに用いられる。でん粉を加工した食品なので消化されてエネルギーに変わるため問題ないとされているが、危惧される点は、原材料に使用されるジャガイモやトウモロコシ。90%以上を米国からの輸入に頼るが、これらは遺伝子組み換えの危険性が濃厚だ。

  (c)「微粒二酸化ケイ素」・・・・二酸化ケイ素の微粒で、「シリカ」と呼ばれる必須ミネラルだ。鉱物に含まれる不溶性と、動植物に含まれる水溶性があり、食品の固形化防止作用があるためサプリメントなどには水溶性が使用されている。加齢により不足するミネラルだが、粉末を吸収すると肺癌の危険性ありと指摘されている。浅漬けに必要な添加物とは決して言えない。

  (d)「酸味料」・・・・食品に酸味を与えたり酸味を調整したりするために使用される添加物だ。(a)と同様、一括名表示が認められている。成分によっては危険度の高いものだがあるが、どの成分がどれくらい使用されているか、消費者は知ることができない。

 (4)漬け込む時間が短い浅漬けは野菜に含まれる成分を失いにくいという利点があり、サラダ感覚の野菜摂取は健康面からもプラスだ。
 しかし、これはあくまでも不必要な添加物が加わっていない場合の話だ。

□沢木みずほ「「浅漬け」は野菜不足解消にいいけれど添加物まみれはやめて」(「週刊金曜日」2016年4月29日号)
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