語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】ネットの使い方、情報の新しさを判断する目安 ~最強の読み方(5)~

2017年03月18日 | ●佐藤優
 第3章 僕らのネットの使い方 ~上級者のメディアをどう使いこなすか
 「調べ物はネット検索より、辞書・事典サイトが便利―「冥王星」の項目で、情報の新しさを判断する」から以下、引用。

池上 辞書や事典が最新の情報に更新されているかどうかは、どうやって確認するんですか?

佐藤 百科事典だと、たとえば2006年に惑星から準惑星に格下げされた「冥王星」がチェックポイントです。「冥王星」の項目を見て、「準惑星」あるいは「以前は惑星とされていた」と書かれていれば、その百科事典はきちんと情報が更新されていると考えていいでしょう。

池上 なるほど。いまだに「太陽系の惑星」と説明されていたら古いと判断するわけですね。

佐藤 そうです。辞書でも、冥王星はひとつの目安になると思いますよ。

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~
【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~
 


【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~

2017年03月18日 | ●佐藤優
 第2章 僕らの雑誌の読み方 ~週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで
  「『失敗の本質』の教訓は「組織は抜本的な改革はできない」こと」から以下、引用。

池上 軍事研究関連でビジネスパーソンにすすめるなら、雑誌ではなく書籍になりますが、有名な『失敗の本質』はやはりおすすめです。あれを読むと、日本の組織というのは昔も今もまったく変わらない、つまり陸軍海軍が現代の官僚や役所と同じだったことがよくわかります。

佐藤 続編の『組織の不条理』もあわせて読むといいですね。結局、組織というのは、抜本的な改革はできないことがわかります。私が常々、「組織と闘うな」と言う理由のひとつでもあります。「半沢直樹」が流行りましたが、あれを現実でやったら即破滅ですよ。ファンタジーを真に受けると、ひどい目にあいます。

池上 それと、企業でよく「集中と選択」のような議論がありますが、これもゼロ戦を見るとよくわかります。ゼロ戦は、海軍からの矛盾だらけの要望に応え、あらゆる性能を満たそうとした結果、一発弾が当たったらあっという間に火だるまになるような飛行機になってしまった。高度なパイロットの技術が必要な、ものすごく人を選ぶ戦闘機だったようです。逆にアメリカは、たいした能力がなくても、誰でも使えるような単純な戦闘機にするわけで、設計思想からして違います。それはじつは、日本の企業にも言えることではないかと。

佐藤 そのとおりです。一見マニアックな軍事雑誌の話も、じつはこうして現代社会につながってくるわけですね。

 *

 はじめに(池上彰)
 序章 僕らが毎日やっている「読み方」を公開
 第1章 僕らの新聞の読み方 ~どの新聞を、どう読むか。全国紙から地方紙まで
 第2章 僕らの雑誌の読み方 ~週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで 
 第3章 僕らのネットの使い方 ~上級者のメディアをどう使いこなすか
 第4章 僕らの書籍の読み方 ~速読、多読から難解な本、入門書の読み方まで 
 第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方 ~基礎知識を一気に強化する 
 特別付録1 「人から情報を得る」7つの極意
 特別付録2 本書に登場する「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「映画・ドラマ」リスト 
 特別付録3 池上×佐藤式70+7の極意を一挙公開! 
 おわりに(佐藤優)

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~
 



【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~

2017年03月18日 | ●佐藤優
 第2章 僕らの雑誌の読み方 ~週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで
  「「文藝春秋」は論壇カタログ」から以下、引用。

佐藤 総合月刊誌も情報収集という点ではさほど重要ではありませんが、周辺知識として役立つことはあります。ノンフィクション、小説、エッセイ、座談、人事情報、書評などありとあらゆる情報が1冊の雑誌に盛り込まれる総合雑誌は、ヨーロッパ、アメリカ、ロシアには存在しません。日本人の独特な情報感覚を反映したものとして考察するとそれも面白い。ビジネスパーソンにとって重要な月刊総合誌というと、やはり筆頭は『文藝春秋』でしょう。

池上 『文藝春秋』のような総合雑誌は、たしかに海外では見かけませんね。私は『今月買った本』という連載を交代で4ヵ月に一度受け持っているので、献本してもらって読んでいます。

佐藤 池上さんはテーマによって特集の記事も書いていますね。専門家が集まって議論する「円卓」スタイルは海外の雑誌にもありますが、分野の違う人たちが集まって井戸端会議をやり、それを商品にする「座談」スタイルは、おそらく日本の総合誌だけだと思います。テレビのワイドショーはその「座談」スタイルの視聴覚版なんですね。

池上 なるほど、その説明はわかりやすい。

佐藤 『文藝春秋』に目を通したほうがいい理由は、ありとあらゆるものが入っている「論壇カタログ」だからです。ここで何が論壇におけるイシュー(論点)になるかが決まる。右か左かでいえば極度に右寄りではありますが。

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~