語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】「人から情報を得る」7つの極意(1) ~最強の読み方(7)~

2017年03月20日 | ●佐藤優
 「特別付録1 「「人から情報を得る」7つの極意」の以下、要旨。

(1)「斜めの人間関係」を重視する
 記者も官僚も、建前上はチームプレーを強調するが、実際は個人プレーの世界だ。先輩だろうが後輩だろうが、皆ライバルだ。
 池上彰は、新人時代、自社の先輩が教えてくれず、困った。それでどうしたかというと、競合のほかの新聞社の先輩方のお世話になった。現場で新人記者がウロウロして困っているのを見ると、みんな昔の自分を思い出すわけだ。島根県警を担当していたとき、読売新聞と中国新聞の先輩記者に、いろいろ取材のコツを教えてもらった。「そういうものか」と思い、その後、自分も他者の若い記者にはずいぶんいろいろ教えたものだ。 
 新人のうちは、一緒に食事に行くとか、そういう機会を逃さないことだ。
 いつも初々しく振る舞いながら、素直に「わからないことがあるので、教えてください」とついていく。自分に利害のない相手なら、「よしよし」と教えてくれる。
 優秀な人ほど教える。中途半端に情報を出し渋っていたら、その人のところにも結局、情報は入ってこなくなるので。
 ただ、直属の関係だと難しいかも。情報をくれるのは、「斜めの人間関係」だ。会社組織で言えば、自分の所属とは別の部署の先輩、とりあえず競合には当たらない先輩を狙うのがコツだ。

(2)「初々しさ」を出して「いい聞き手」になる
 情報収集において「初々しさ」は非常に重要な要素だ。佐藤優は外交官時代、ロシア政府から発表されたばかりの公開文書がほしいとき、常に3人ぐらいに同時に電話していた。それで運よく、そのうち1人から情報を入手できたとする。その後、2番目、3番目から連絡が来たとき、どうするか。1人目と同じく「ありがとうございます。すぐに取りに伺います」と飛んでいく。ここで、もし「その情報はすでに手に入ったので結構です」とか「後ほど伺います」などと答えたら、二度と情報を教えてくれない。
 どんな相手と話すときでも、情報を引き出そうと思ったら、「はじめて聞きました」という初々しさが大事だ。
 インタビューにおいて、いつも「いい聞き手」になるように努力する。何でも興味を持って聞き、教えてくれたら「そうなんですか! さすがですね」と心底、感心する。そうすると相手は気持ちよくなって、もっといろいろ話してくれる。よき生徒は、誰にとっても可愛いものだから。
 「こいつは、なかなかやる気があっていいやつだから、なんとか面倒を見てやろう」と味方になってくれる可能性も高い。人から情報や知識を得ようとすれば、「誰と付き合うか」だけでなく、「どう付き合うか」も大事な技法だ。

(3)数年先の先輩に「白い勉強」と「黒い勉強」を教えてもらう
 (1)の「斜めの人間関係」の大切さは、トラブル処理についても言える。何かトラブルが発生したとき、一般的にはすぐに直属の上司に報告すべきだ。ただし、トラブルの種類によっては、上司に報告してはいけないものもある。
 すべて正直に話せばよい、というものではない。
 〈例〉オランダに出張し、ちょっとした出来心でハシシ(大麻)をやったとする。向こうでは合法だから。それで調子に乗ってヘロヘロになっているときに、所持金を全部すられてしまい、そこには会社の出張費も入っていたとする。そのとき上司に「どうしましょう?」とバカ正直にすべてを報告したら、上司も困る。かばいたくてもかばいきれないから。
 聞いてしまったら、なかったことにできないから。もしかばって、隠していたことが露見したら、その上司の責任問題にも発展してしまう。
 そんなとき、上司より先に相談できる相手、数年上の先輩がいるかどうかがポイントだ。「ハシシなんて正直に言うんじゃない。酔って寝ていたことにしろ」とアドバイスしてくれる先輩がいるかどうか。そういう「黒い勉強」を教えてくれるものいい先輩だ。ビジネスパーソンは真面目に「白い勉強」だけやっていればいいわけではないのだから。
 トラブル処理に限らず、数年先に入社した先輩から学ぶことは本当にたくさんある。まだ新人の感覚を忘れていないから、つまずくポイントがわかるのでアドバイスが実践的なのだ。
 むろん「白い勉強」についても、いろいろ教わることは多いはずだ。仕事に必要なメモのとり方や社内外の人との接し方、外交官だったら語学の勉強の仕方、電報の書き方など、参考になることは多々あるはずだ。

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】ネット利用の3大原則 ~最強の読み方(6)~
【佐藤優】ネットの使い方、情報の新しさを判断する目安 ~最強の読み方(5)~
【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~
【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~
 



【南雲つぐみ】春は突風に注意 ~飛来物・落下物・転倒事故~

2017年03月20日 | 医療・保健・福祉・介護
 春は強風や突風で、飛ばされた看板にぶつかったり、歩行中にバランスを崩して転倒したりする事故が多いという。
 東京消防庁が平成18年から22年までの救急搬送事故を集計したところ、2月から4月の3カ月が突出して多く、全体の52%。こうした事故を年齢別にみると、飛来物や落下物がぶつかっての事故は、11歳から40歳までの若年層に多いが、歩いていてバランスを崩す事故は、60代から増加し、70代、80代が75%を占めている。
 5歳以下の子供に多いのは、乗り物が風にあおられて転倒する事故だ。ベビーカーや自転車に子供を乗せている際に突風にあおられるのは防ぎようがないだけに怖い。自転車に乗せるときの子供用ヘルメットは、道路交通法によって「着用するように努めること」と定められている。まさかの事故でもけがのないように対策が必要だ。
 同調査での飛来物、落下物の内訳を見ると、もっとも多いのが看板とテント。こちらも「まさか」と思わず、戸外の設置物は、念入りに点検したほうがいいだろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「春は突風に注意 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月18日)を引用
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 【参考】
【南雲つぐみ】春苗の植えどき ~ハーブ、青菜、花~
【南雲つぐみ】お彼岸 ~その心~
【南雲つぐみ】せきを抑えるツボ ~自衛法~
【南雲つぐみ】加齢黄斑変性とその治療法
【南雲つぐみ】頭痛が続く時 ~「気象病」~
【南雲つぐみ】クラゲの癒やし ~ストレス解消~
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【南雲つぐみ】遺伝子検査と生活習慣
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