円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

今年度頂いたお祝い

2022-02-06 17:04:43 | 2021年度雑記
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2022-02-06
今年度、60になった。
生徒から思わぬお祝いを頂いた。

【記事1/2件】
「ありがとう」
2021年某月某日
授業へ行くために階段をのぼった。

のぼりきったところへ、1年生の授業クラスの女子、男子がつめかけて、テストについて質問を始めた。
「試験範囲は、いつ配られますか!」
「ことわざは、何問出ますか!」
「何点分、出ますか!」
いちどにすごい勢いで話しかけるので、聞き取れないし、答えられない。それに、いつもわりと無口な女子もやたらに気迫がある。
「一度に言ったら、わかんないよ~」
えーと。範囲ね。範囲は・・・・・・。と一人一人答えた。
ずいぶん、やる気になってるなあ、とここでは何もわからなかった。

廊下を歩いていくと、今度は男子が数人、文庫本を持ってつめかけた。
「この本おもしろいですよ。」
「貸してあげます。読んで下さい!なんとかかんとか、なんだかんだ、ああだこうだ!」
あー。そういうことか。
長いこと、この仕事をしていると生徒の企画はすぐわかる。
でも、中学生に教えるのは久しぶりなので、にぶっていたし、期待もしていなかった。

ぼくは、授業の荷物をろうかに置いて、じっくりと話を聞き、どんどん答えた。
伝令(でんれい)役の生徒が、ちょろちょろぼくたちと教室を行き来している。
(もういいよ)と、伝令役がこっそり言うのがぼくにも聞こえる。このアホさがたまらない。かわいすぎる。

ゆっくり歩いて授業教室に入る。まだ休み時間だが、全員席についてぼくを見る。
ぼくは、(何をしたのかな?)と教室を見回すと、黒板にいっぱいのお祝いの絵と言葉が書いてあった。
「おーーー。ありがとう。こんなことしてくれるなんて思わなかった。うれしいね!」
そして、これは予告通り無理矢理♪ハッピバースディ♪を歌わせる。予定通りのお話をする。しかし、このクラスは話を聞くときものすごく澄んだ目で聞くのだ。あぶないっ。

では授業を始めましょう、と僕は竹取物語を追い読みさせた。生徒の板書には慣れていた。
でも、教室に入れないように必死に時間かせぎする生徒の顔が目に浮かんだ。声が少し震える。
あぶない。早く読み終わらないとあぶない。早く読み終わろうとするとよけい胸がいっぱいになる。
目のふちが熱くなりかける。あ、あぶないっ。
「では、漢字ドリル」と言ったあとしばらく、だいぶがんばって何かこぼれてしまうのを我慢した。
とても感激しました。
Z組のみなさん。
ありがとうございました。
うれしいです。

【記事2/2件】
やられたっ! あの歌に。
2021年某月某日
ぼくが黒板の(ディア の**)を振りかえり「これでお願い・・・・・・」と言いかけると、
「今だっ」
という声が聞こえた。そして・・・・・・。

金曜日はぼくの御生誕の日だった。今年は学年も素晴らしいし、還暦は特別だから久しぶりにどのクラスにも
「みんなに、無理矢理歌わせる」
と言っておいた。
2時間目に、あるクラスがサプライズをしかけてきた。
何十年ぶりだから、ちょっと引っかかりかけて、目のふちがぬるぬると溶け出しそうになった。
しかし、(おれはプロだプロだ)と言い聞かせて、なんとか耐え抜いた。
いやあ、あぶなかったと思って午後、W組の授業に行った。数人宿題をしている。
あちこちに集まっておしゃべりをしている。なぜか体育館から戻ってくる生徒がいる。
「体育館にいたの? なぜ」
「いや、なんか今日は使っていい日だったんで」
普通のW組だった。何の変わりもなかった。これなら大丈夫だ。
授業開始のチャイムが鳴り、ぼくは安心して、予定通り黒板に(ディア の**)と書いた。
あいさつをするのを待たず、
「では、今日はこれでお願いします」
と言おうとすると、
「い、今だっ!」
という声が聞こえた。長い経験から(ああ、歌ってくれるのかな)くらいはわかった。
しかし、そのサプライズは想像を越えた。
「きりっつ」
という元気な声と同時に全員がそろって立ち上がり、いすを机に入れた。
ぼくは(あ、そう、立つわけ、へえ)と思い、出だしの合図をしようとした。だが。
「せーの。Happy birthday・・・」
と歌は、ものすごく上手な手拍子と共に、勝手に始まった。
その手拍子はピッタリそろって、歌はものすごく大きな声だった。
みんなが一生懸命歌っていた。ぼくは途中で踊って笑おうとした。
ものすごい歌が終わると、またたく間に一人の女子が机から何か取り出し、もう一人の女子と前に来て、
「おめでとうございます」
と言った。たぶん。渡された紙袋の中には、手紙がいっぱいつまっていた。
「ああ、こんなに準備してくれたんですね。ありがとう」
と、確か、ぼくは言った。
それから、考えておいたお礼のお話をしようとした。
でも、ダメだった。ぼくはそのとき「手紙にやられた」と言いましたが思い返すと違いました。

歌でした。歌はアカン。しかも、本気で歌ってくれるのはアカン。ぼくはしゃべれなくなって、顔を押さえた。
いや、まさかこんなことになるとは自分でも想像もしなかった。
歌はそれくらい力がある。ぼくがそのまま動かずにいると、誰かが言った。
「ほ、ほ、ほんとかよ」
 生きていて、悲しくて泣くことはある。
でも、うれしくて目から水が出るのはこの仕事くらいだ。とても感激しました。
手紙は帰って二度繰り返し読みました。
W組の皆さん。
とてもうれしいです。
ありがとうございました。
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いいなあ

2022-01-18 21:32:39 | 2021年度雑記
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2022-1-18
階段で一年生ととすれ違う。
「先生、次何組ですか?」
「○組だよ」
僕よりひとつ上の階に走りながら生徒が言う。
「いいなあ」
何て言おうかなあ。そうでしょ~? そうかなぁ?
「ありがとうぉーーー」
「いいえぇ」
聞こえないかと思ったら、生徒は上の方からそう答えた。

どのクラスもどの授業も、過去最高のレベルの授業が続く。
生徒にとって、わかりやすく、楽しく、全員が参加して、価値がある授業だ。
生徒の勢いにつられて、ますますがんばって、毎日へとへとだ。
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授業のことを言ってくれる職場

2021-12-16 20:56:01 | 2021年度雑記
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2021-12-16
討論の授業後、書かせた作文を学年職員に渡す。
この職場に来なかったら二度とこんなことできなかった、
今頃公園の掃除のパートしてた、
ほんとにうれしいです、と言ったら、
「生徒も、安先生が来てくれて良かったと思ってますよ」
「そうかなあ、そうだといいけど」
「絶対、そう思ってますよ」
と同僚が言ってくれた。
そんなことを言ってくれた職場はどこにもなかった。

聞いていた学年主任が、
「面白いこと聞きましたよ、そういえば」
と言った。毎朝、学年主任と他の大人も入り口に立って生徒に挨拶している。
僕もある時立っていたが、二、三人大人がいると結構圧力がある気がしてやめた。
「なんでいつもいるんですか」
と生徒が言ったそうで。
「安先生ならいいけど」
とも言ったそうで。僕は、
「それは、配慮を欠いた発言ですね」
と答え、三人で笑った。

ある担任が言った。
「面談で、安先生の話が出ますよ。討論のこと。目が輝いてました」
「そうですよね、討論は勇気も、話す力もいるし、達成感が大きいから」
「そのあと、先生に、よく言えたと言ってもらえたのがよけいいいみたい」
「ああ、やっと○○さん本気出したねと言ったんです。大事ですね。もっと言おう」

授業のことで、生徒が喜んでいるということをこんなに言ってもらえるのは初めてだ。
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なぜ立って授業するんですか

2021-09-22 20:20:33 | 2021年度雑記
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2021-09-22
「先生はなぜ立って授業するんですか?」

放課後、女子コンビに訊かれた。
つまり、座って授業する人がいるということらしい。

「俺は、学校の先生になって、一度も座って授業したことないよ」
「へえ。何でですか」
「座ってたら、見えないじゃん生徒が。いつも、全員を見てる。プロだから」
「ほおお」
「大人の人には言わないけどね。そのカンジわかる?」
「うんうん」

僕は大学生のときに見せて頂いた授業から始まって、参観した研究授業で座っていた人を見たことがない。
あ、あった。あったな。同い年のベテランだった。
しかも両足を投げ出して腕組みをしていた。
口と目がポカンと開いてふさがらなかった。
座って授業する人の考えはわからないが、見たとしても今は何も言わない。
中1は毎日6回も授業を見比べている。
中学生はみんなお見通しだっ。

本当は僕も、ものすごく体調が悪かった1ヶ月か2ヶ月、座っていたことはありますが、
中学生に言っても仕方のないことです。
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コロナワクチンめちゃ分かるサイト

2021-08-28 20:07:12 | 2021年度雑記
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2021-08-28
次の記事を見つけて「僕はあまりにもワクチンに無知すぎた」と分かりました。
誰のせいにしていいか分かりませんが、少なくとも僕の周囲は、ワクチンについてあまりにも説明をされていません。
数日前やっとワクチン予約を取りましたが、接種には不安でいっぱいです。
でも次の記事でおおかた不安はなくなりました。

「子どもにワクチン」不安な人へ 小児科医ママの思い:朝日新聞デジタル
(これは、新聞記事なので早く消えるかも)

ワクチンQ&A:みなさんへ - こびナビ
【例】Q 4-5 mRNAワクチンによるアナフィラキシーについて詳しく教えて下さい。
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子どもの可愛らしさということ

2021-08-27 22:44:59 | 2021年度雑記
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2021-08-27
今朝、出勤の途中で信号待ちをした。
すぐ目の前に、小学校5年生くらいの小柄な男の子が自転車を支えて立っていた。
突然交差点を左から右へ、大きく真っ赤な消防車とはしご車が次々と横切って行った。
サイレンの音がけたたましい。
男の子は僕を見上げた。
前からの知り合いのように男の子は言った。
「火事ですか」
「わかんない」
「きっと高いところですね」
「そうだね。はしご車だったからね」
大人を信じている透明でまっすぐな目線で男の子は僕を見た。
「大火事かな」
「わかんない。でも、煙とか火とか見えないから小さい火事かもね」
信号待ちの高校生や大人が日差しをさけて歩道のはしに立っている。
しゃべっているのは僕たち二人だけだ。
「見に行こうかな」
「だめだよ行っちゃ。あぶないから」
信号が変わる。
男の子は何もなかったようにするすると横断歩道を渡っていった。
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今最も重要なのは

2021-06-15 21:25:17 | 2021年度雑記
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2021-06-15
今最も重要なのは、もうすぐすべてが終わるということだ。

明日かもしれない。来月かもしれない。長くて数年だろう。

何も感じず眠れる日がもうすぐやっと来る。

授業はこのうえなく楽しいけれど分担の仕事は面倒だ。なくしていいものがたくさんある。

もうすぐ終わると思えば無駄なことは考えない。

授業を愉快に楽しく大切にすればよい。

ー この世を 仮の住み家と思へば 何の苦もなし ー伊達政宗が言ったらしい。
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どこまでほんとなのかなぁ?

2021-06-13 15:28:25 | 2021年度雑記
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2021-06-13
切りがいいので、授業の感想を書いてもらった。

わかりやすい、というのが多かった。
早く終わる、というのも少し出てきた。
「指書き」よりも「フラッシュカード」のほうが評判が良かった。
コンビで交代に速読みするのは意見が別れた。
速く読むと内容がわからない。
速く何度も読むから覚えてしまうど頭に入る。
読書経験の差によるのかもしれない。
読み聞かせのスピードで読ませるのを取り入れるつもりだ。

良くも悪くもちゃっかりした人が多い。
大人を喜ばせる文章の書き方を知っている。
賢いのだ。
けれども、全員がそんな人のわけがない。
そこまでいいこと書いてくれるの、というのがたくさんあった。
持って帰るのを忘れたので、後日「生徒の2ヶ月半感想」を載せます。
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「幸せな気持ちになる」授業

2021-05-15 00:43:32 | 2021年度雑記
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2021-05-14
国語授業は、4月の練習期間が終わり、5月は本番の入り口だ。

休み時間に、多量のテキストを、机の左か右上に積んである。
挨拶と同時に「授業前に準備できましたか」で、生徒が「はいっ」と言う。
1秒の間もなく、部首名のフラッシュカードを読ませる。
(4月は熟字訓だった)
(挨拶はそのうち無くす。無駄かつ、気を付け、という軍制用語の連用だ)

間もなく、漢字ドリルの、テストと次回の予習ページを始める。
間もなく、教科書の、1分交代読み4回を始める。
短編教材なので、ほぼ全員が全文を音読し終える。
(しかし、最初生徒は「これを? 4回で? 全部読むんですか?」と言った)
間もなく、ノートを開かせて、日付・本時のテーマを視写させる。
僕の板書が終わると同時に、生徒は、ほぼ全員書き終わる。
だが、まだまだ足りない。

「間もなく」が、今は10秒から30秒ほどかかってしまう。
1か月後には、コンマ5秒程度にする。
1秒以内ということだ。
生徒には「段取り力」という言葉を教えた。
板書のあと、1秒以内に書き終わる生徒は今でも10人くらいはいる。
それは、先を読み指示より先に漢字ドリルを開いているからだ。
その程度のことをわざわざと思われたら申し訳ございません。

今週、授業開始1か月半たって、初めて校長が廊下を通った。
ちょうど、1分交代音読のときだった。
2、3分していなくなった。
職員室に戻ると、校長が僕の視線の前の方に立っている。
そこにいたことのない位置なので、何か言ってくれるかと思った。
僕の様子を見はからい、校長が話しかけた。
「生徒が楽しそうでしたね」
「はい。僕がいちばん楽しいんです」
「ああ、それが大事ですね」
「はい」
「先生の授業を見ていると、幸せな気持ちになります」
「有難うございます。僕が本当に毎日幸せです。
 また見て頂ければ有り難いです」


この35年間、校長が「授業について」何か言ってくれたことは一度もなかった。
(初任時の教頭だけは、授業の達人で、多くを教わった)
まず、見に来ない。
廊下で見聞きし通り過ぎても、監視・無関心・あら探し、のどれかだった。

「幸せな気持ちになる授業」
素敵な言葉だ。
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本日より再び公立中学校へ

2021-04-01 21:31:32 | 2021年度雑記
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2021-04-01
知人の案内があり、初めての地方自治体で就職できた。

あ~~~

公立中職員室のこの勢い。

みんなで手分けして仕事する楽しさ。

若い人たちの笑い声がいっぱいする。

まだ、生徒にも会っていないのに、このあふれる幸福感。

色んな人に感謝したい。

ありがとう。
コメント (2)
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