円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

高校国語指導案・ひよこの眼発問と感想

2013-05-31 22:41:25 | 作文・生徒感想・討論
2013-05-31up
高校国語指導案・ひよこの眼発問と感想
高3X、今日の主発問。『ひよこの眼』(山田詠美)
「読者が、幹生が死ぬかもしれないと、読み取れるのは何段落ですか」

50代の段落番号をいくつも言う。
どんどん黒板に書く。
「いいよいいよ。どんどん言って」
「36」
「36? そこで分かる? なぜ」

(段落の言葉を読み始めて、説明しようとする。
 だが、周りが、それは無理でしょ、と言い本人も気づく。
 そんなふうに、いくつも言わせていく)

「時間がない。50より前」
(生徒は読んで探し続ける)
「**段落」
「なぜ」
「・・・・・てことは、・・・・で、・・・・だから」
「よし。俺もそう思った。
 **段落 ・・・・・・・、の言葉だな(板書)。
 俺はこれが三つ目だと思う。
 この前に二つある」
「これより前? 言わないで下さい!」
「言わない言わない」
「**段落」
「うーん。それは前すぎるでしょ。
 ++ページだな」

(黙読して、探して、生徒は色々言う。
 それは違う。それは弱い。おっ、惜しいな、ってな感じで進む)
(三つ探させ終わる。「なるほど」という様子になる)

「でも、去年の3年が、これよりあとに、4つ目を探した。
 ++ページ。どの台詞だ」


読み、考える時間が長いから、教室は静かだ。
一人、二人は眠気に負ける。そんなことは何の問題でもない。

4つ目を解決して、
「あと5分だから、もう1つだけ質問がんばって」
と言うと、生徒は初めて時計を見て言った。
「え!!! もう終わり?」

国語科で「発問」で授業を進められない教員人生は哀れだ。
生徒がこんなに面白がるのは、国語科教員の人生の喜びだからだ。

生徒は、おもしろいことなら、考えるのが大好きだ。
生徒は、受験のためだけに生きているわけじゃない。

<高3X・ひよこの眼・上記授業の感想>
1 現代文はたのしいです。わかりやすい。
2 ねむかったです。すいませんでした。
3 ねむかったが、集中できた。
4 今日も先生の授業は早いと感じました。
  そしてこの話は深いと思いました。
5 おもしろい!!
6 一つの考えだけじゃなくて、何個も考えが出てきます。
7 文から色々なものをよみとるのが とってもおもしろい!!!
  本をよんでみようとおもいます。
  国語力をつけたい。

8 深読みしなくちゃいけないから難しいけどおもしろい。
9 めちゃくちゃ授業終わるの早かったです!!
10 亜紀と幹生は 本当に中3かとききたくなる。
11 5月もありがとうございました。

<高3古典・苦手チーム>
1 初めての授業でしたがとても分かりやすかったです。
  これからもよろしくお願いします。
 (時々、生徒の強い希望があれば、チームの入れ替えがある)
2 集中してできた。分かりやすかった。
3 いっぱいできました。
4 たのしかった。
5 今日もたのしかった!
6 ずっとかいていたからねむくならなかった。
 (最初10分解説。次はワークシート。
  できたら持ってきて花丸をもらい、つぎのプリントを持っていく)
7 先生のプリントはとてもわかりやすいです。
 (俺もやっと、高校古典に慣れた。もう大丈夫だ)
8 ちょいちょい先生の話を父にして盛り上がってます。
 (有難いことです)
9 集中したらたくさん出来るようになりました♡
  あすから6月。はやいなぁ。
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高校国語指導案・始まりはいつも指書き

2013-05-31 21:58:19 | 中高国語など指導案
2013-05-31up
高校国語指導案・始まりはいつも指書き

はじまりはいつも雨。
いい歌だったなぁ。

<1着席>
チャイムが鳴る前に僕は教科書、名前磁石、チョークなどを配置してある。
キーンコーンカーンコーン・・・
鳴り終わる前に全員が着席する。
高校2・3年とも、着席するように、4月最初の授業でしつけた。

<2挨拶>
鳴り終わると同時に。
「両手をそろえて。首筋を立てて。お願いします」
「お願いします。(語先後礼で)」
「いち、に、止めて! うまいっ。どんどんうまくなる」


<3漢字練習5語・指書き>
 「指書き(プリント)を出しなさい」
  (放送事故並みの間)
 「今日は一列目、一番左。
 一番。だいこん、だいこん。二番。きりぼし、きりぼし。
 三番。まっちゃ、まっちゃ。四番。えびす、えびす。
 五番。せんたく、せんたく。
 シャーペン置いて。指、机。
 ・・・今日簡単だなぁ。
 コンビに、声聞いててねって言いなさい」
 「声、聞いててねっ♡」
 
  (注:高3でもみんな言う。みんな笑顔)
 「抹茶の、まつ。さんはい。いちにーぃさんしごろくしちはち。
 洗濯のたく。いちにさん・・・」

  (簡単な漢字は飛ばす。僕は自分も指書きしながら生徒全員の指を見る。
   30人くらいなら机の指書きで、書き順を間違う生徒が見えるようになった)
   例えば、りっしんべんとか、感とか、覚えさせたい漢字は空書きで指導)

<なぞり書き・写し書き・5問テスト>
 「なぞりどうぞ。テストまで」
  (高校生は早いので、5語なぞり、5語写して、
   丸付けコンビで「行ける?」ってな感じでテスト・交換採点する)
  (終わるとどんどん、プリントをファイルし直す)
  (僕は、今日音読するページと段落を板書する)

■ここまで授業5分間経過■

<教科書1分交代音読>
「56ページ。⑥段落から。4回行きます。いい?いい?」
「一人目。ヨーイ始め」

  (丸付けコンビは体ごと向かい合い、相手に音読を聞かせる。
   高校生でもみんなやる。音読は楽しいのだ)
  (僕はストップウォッチを持つ)
「40秒」
「3、2、1。押さえて。二人目。よーい。始め」
「3、2、1。押さえて。三人目。始め」
「3、2、1。押さえて。四人目。三人チームは誰が読むか決めなさい。始め」
「そこまで。一人が、暑いのに。一人が、がんばったね、と言いなさい」
「暑いのに」「がんばったね」
(ほとんど全員こういうからかわいい)

■ここまで9分、と言いたいところだが10分以上かかる■

<ノートと発問へ>
「ノート出して。5月31日(金) ◎ひよこの眼・・・」

国語の授業は一年間、ほぼこのように始まる。
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でも心が軽くなりました

2013-05-30 22:26:10 | 作文・生徒感想・討論
2013-05-30up
まず言いたいのは「行事は全部やめよう」だ。
世界を見ようよ、と言いたい。
どうあがいても、三十年後五十年後に「日本人」人口は三分の二、八千万人になる国だ。
お歌と縄跳びとブカツでお茶濁してる場合じゃないとなぜ思わないのかわからない。
教育は数十年先を見ようよ、と言いたい。
「教育」という概念が、見上げても見回しても見つからない。
本屋に教育書はないし、教員は教育書を買わない。
公立は託児所で私立は予備校だ。
子供の「時間と点数」を上手に売る人の給料が上がるから、教育は棚に上がる。

「反論」はいつでも受ける。

合唱コンクール・のようなもの、のあとは授業が辛い。
生徒の感情に気づかなければ、辛くないのかもしれない。
知っていても、辛くない教員もいるかもしれない。
年齢には関係ない。
感性の問題だ。
今日は一日、授業はコンクールの感情処理が中心だった。
なぜ、朝のうちに感情処理を済ませないかわからない。
なぜ、授業を削って「契約社員」の俺が感情処理をしなくてはならないのかわからない。
愚痴じゃない。もう、愚痴を言うほど若くない。
俺の授業成立のために必要だから、感情処理をするのだ。
ただ、効率が悪すぎる。
社長と担任が一発、愛情のシャワーを浴びせれば済む。
誰も生徒に「語って、心を鎮める」ことができない。
「語ることの出来る」のが教員だ、と初任の頃教わった。それは誰だ。どこだ。

「反論」はいつでも受ける。

<古典高3苦手クラス>2校時
1 合唱コンクールのお話ありがとうございます。
  元気がでてきました 感謝してます。

  ありがとうございます。
2 今日の先生の話でみんな元気が出たと思いました。
3 合唱コンクール、賞とりたかったです!
  担任先生に賞を渡したかった。
  応援ありがとうございました。
4 合唱コンクールが終了し、つかれているためあまりすすまなかった。
5 朝からモチベーションがあがらなくてだるかった。
6 先生の話に感動しました!
  先生みたいにポジティブになりたいです。
7 先生の話を聞いてたら泣きそうになった。
  でも、心が軽くなりました。

8 負けるが勝ち

9 毎回わかりやすい授業ありがとうございます。
10 訳を(注:現代語訳)解けてうれしかったです。
11 期末に向けてまた覚えるぞ―!!
12 頭よくなった。
13 現代語訳があまり出来なかった。 

<現国3X>5校時
1 合唱コンクールたのしかった!
  みんなとたのしくうたえたからOK♡
  最高のクラスなんです。
2 みんなで合唱をうたえたことがよかったです。
  でも賞はとりたかった!
3 本当にいい言葉をありがとうございました。
4 先生の最初の言葉感動しました。
  「敵は自分の中にある」
5 敵はいつも自分の中にいるっていう言葉
  いい言葉だと思った。

6 一人一人違う考え個性を持ってるX組が最高です。
7 今日は合唱からのモチベーションから立ちなおしてくれて
  ありがとうございます。


上記二クラスコメントのうち、6人は同じ男子だ。
だから、どうでもないが。

何を語ったか。もう眠くて書けない。
・・・買いたら誰か真似て くれるの だりゃぁ きゃ ぁ
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一学期中間試験後アンケート2013①高2X・古典

2013-05-28 21:50:22 | 作文・生徒感想・討論
2013-05-28
直前記事のタイトルが「先生が取られちゃう」だった。
滅多にない300超えアクセスがあった。
僕にとってはかけがえのない生徒の記録だった。
だが、読んだ皆さんはさぞかし、がっかりしただろう。
人がいかに、タイトルで文章を手に取るか、ということだ。

生徒の感想文引用は、断りない限り、てにをは、句読点まで一切手を加えない。
かつ、生徒・傭兵にとってネットに載せるべきでない言葉は削除している。

一学期中間試験後アンケート2013①
[高2X]
◆傭兵「2年古典」授業について感想・意見・思ったことを書いて下さい◆
1 傭兵先生が大好きです。
  Q組を教えてるから、ひそかにやきもちをやいています。
  あたしの先生じゃないけど! 古典をもっと頑張ります。

2 とても良い! 先生大好き♡

3 古典とか漢文は先生も私たちもあつかいづらいのかもしれないから
  吸収しずらいのかも。

4 もっとちゃんと授業真剣にきけばよかった。
  もっと出来たはずなのに、後悔してる。
  つぎはQ組みたいにみんなで良い結果を出す!!
  (注:みんなで、がいいでしょ)

5 授業を休んだもちの話の点がさがっているのを考えると
  授業の影響力はすごいと思った。
  (注:僕が中学2年の時。理科の教師が最も優れていた。
    明解だった。質問には何でも答えてくれた。
    理科はほとんど満点近かった。
    二学期かな? 試験でどうしても分からない問題があった。
    おかしい。
    授業ノートはすべて、わら半紙をホチキスで留めた自家製ノートに写した。
    満点に近い試験が返されてわかった。
    その問題に関する授業の日、僕は風邪で休んでいた。
    努力型。だから、五十過ぎて毎日予習でも何も困らない)

6 授業数が少ないのに、すごく点が思ったより高かったのがすごいと思った。

7 今までと同じくめっちゃ分かりやすかったです。
  もう少し授業数が多いといいのですが・・・

8 やればできるものだと思った。分かりやすい!!!

9 先生の教え方は完ぺきでした。
  自分の努力がたりませんでした。

10 傭兵先生が教えてくれたから ここまで点をとれたんだと思います。
  これからもよろしくおねがいします。感謝です。

11 たのしい。傭兵先生だから今回この点をとれたんだと思う。
(高2X以上)
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先生が取られちゃう

2013-05-27 21:22:23 | 2013年度雑記
2013-05-27up
中3から三年間縁がある高2Xで試験を返した。
彼らはとてもよくやった。
学年の他のクラスと1点差未満の同等だ。
ただ、僕が教えているもう一つのクラスは十点飛び抜けてしまった。
その、平均点を聞きたいという。
「え? いいじゃん。がんばったんだから」
「知りたい。教えて」
「俺はさ、今日も<他人=ヒトと比べない>って言ったしさ」
「比べないから。大丈夫だから」
「そぉお? じゃあ。×0点ちょうど」
「えーーーーー。先生が答え教えたんじゃなくて?」
「それはないだろ」
「ほんとに」
「そのクラスも、本当に?本当? って聞いてたよ」
「ザワザワザワザワ・・・・・」


「なんか、先生が他のクラスに取られちゃう気がする」
「そんなことない! 2Xあっての俺の人生だよ!」

(・・・ちょっと泣くので別の話題に)

<高3X『ひよこの眼・山田詠美』第2時登場人物>
1授業のやり方がとても良いです
2この話おもしろい!!
3この物語はいろいろ考えさせられます。
4今日もわかりやすい授業をありがとうございました。
5長文だけどわかりやすかったです。現代文の授業楽しい。
6話が長くて辛い。でも話はおもしろいし、内容もわかった。
 もうちょっと色々な視点から考えられるようにしたい!
(それが、授業ですよ)
7いつも先生の授業は終わるのが早いと思いました。
 そして、この話は深いと思いました。
8不思議な感覚になった。

<高3Y『ひよこの眼・山田詠美』第1時読み聞かせ>
1人が生きようと日々努力をすることを止めてしまうと
 人は「ひよこの眼」になってしまうと思う。
 けど、「ひよこの眼」になっている人を助けることもできる。
 それが恋というもののちからなのだと思う。
2みきおが死を見つめていたと亜紀が気づいた瞬間から
 物語が動いたような気がして その感覚がとてもおもしろかった。
3恋、死、学校生活 いろんなことがかかれててさいご感動した。
4この話好き。今までにない感動を感じた。
 先生の読み方がすごい感情こもていておもしろかった。
5深いというか予想外なてんかい。ビックリって感じ。
 思い。よみおわってすごく体が重い、深い文章。
6ちょうど全ての真相がわかった時に死んでしまったところがおもしろかった。
7先生の声がききやすかったです。
8聞いていてひきこまれた。
9最後のところが心にジーンと来て涙が出て来そうになった。
10先生の読み方がとてもよかった。
11女の子のいろんな気持ちがいっぱいでててすごかった。
 こっちにまで気持ちが伝わる感じがした。
12とても展開がしょうげきてきで、最初からは少し連想できにくくおどろいた。
 みきおは死ぬとき何を思ったのだろう。

高3Yの感性と表現はなかなかだ。
高3Xは、初めの読み聞かせのあと「最後の段落で鳥肌が立った」と男子が言った。
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高校国語指導案・ひよこの眼・発問集2013

2013-05-25 23:30:24 | 中高国語など指導案
2013-05-25up
高校国語指導案・ひよこの眼・発問集2013
今日、去年初めて授業した『ひよこの眼』・高3授業用、の発問を並べた。
高校3年生にはとても好評だった。

今日タイプし直したのは、組んでいる新採用のかたのためだ。
土曜無報酬出勤だが、これも死ぬ前の仕事のうち、だと自覚している。
今日読み直したら、新しい発問がいくつも浮かんだ。
登場人物は中学3年だし、文章は明解なので中学生にも授業できる、よね。

教科書には珍しい傑作だと思う。
試験用にネットで答えを探す、馬×学生よけに、無駄な答えは削除した。
教員の皆さんには何の問題もない。
 

<第1時>(全10時間予想)
●読み聞かせ(机上計測28分30秒・授業ではプラス5分以上かかる)
●初読感想・記号で花丸◎○△×・人数記入
「記号の理由を書きなさい。あとで全員発表します。発表点に入れます」
書いたら持ってこさせる。全員花丸をつける。
●全員発表。
(長いので、発表までは終わらない。諦めるか第2時の初めに行う)

<第2時以降>
ほぼすべて板書とノート(9時間ですべて扱うのは不可能)
文章全体をつかむ発問
●「登場人物を書きなさい」
   ①私(亜紀)=中学3年②幹生③春子④男子生徒数人⑤亜紀の母⑥妹(真利子)
●「主役は、A亜紀・B幹生、どちらか」
   人数数える。理由を相談させる。数人言わせるのも良い。
●「主役は、亜紀、です。もう一度理由を相談しなさい」
●「主役とは何ですか」
   その人物の心の動きを中心に物語が進む人。
●「対役、が幹生です」
   主役の心理に最も影響を与える人。
●「他は、脇役ですね。話者=ナレーターは誰ですか?」
(登場人物・場所・時代、を合わせて「物語の設定」という)

●「63段落の中で、二つだけ時代の違う段落がある。どれか。
  ……「回想」ですね」
  (ところが、文中に数か所筆者の視点の「時」が飛ぶ所がある。
  僕は筆者の「話者の視点、についての認識不足」だと考えている)

●「これは、亜紀の話ですか。幹生の話ですか。当然亜紀の話です」
 「亜紀が幹生に対して、何かに気づく話、です。あらすじを書くとしたらキーワードは」
  死(眼、ひよこ、などが出るだろう。「もっと重要な漢字一字があります」)
 <亜紀が・・・話・33字=長い>
●「「ひよこの眼」のタイトル・題名の謎は何段落でわかりますか」
●「タイトルは、眼、です。しかし、目・瞳、を使っている段落が二つある。どれか」
  この二つの段落で「眼」は使われていない。
  ここでの「瞳、の読み方を一つずつ検討する授業」はおもしろい。
  だが、受験用の高校授業では時間が足りない。
  中学校ならできる。非常に惜しい。
 「では、なぜタイトルは『ひよこの眼』なのか。考えを書きなさい。指名なし発表」
●「読者が、初めて、亜紀が幹生を好きだ、とわかるのは何段落か。三つ書きなさい」
 「その段落の、どの言葉か」
●「読者が、初めて、幹生の死を読み取ることができるのは何段落か。どの言葉か」
  (これを読む方はご一考を。僕は三つ見つけ去年の高3が別の言葉を指摘した)

段落を追った発問
[1段落]
(端を発する、などの語句意味は、指名音読の途中で止め、サッと教科書に聴写させる)
●「せつない感情が・心を湿らせた。
  何々法ですか? 心を湿らせる、とはどんな気持ちの比喩ですか?」
[2段落]
●「カギのついた文は会話文。それ以外の文は?」
[4段落]
 以下、指摘する語句はすべてマルで囲ませる・答えを書かせる語句は板書する
●「咳払い。コンビに向かってして見て下さい。どういうときにするものですか」
[6段落]
●「肩をすくめて。コンビにやって見せてください。どういうときにする?」
●「いっせいに吹き出した。理由を二つ書きなさい」
●「雰囲気。発音しなさい」
●「担任教師を嫌っていた。理由をここまでの文章から想像して書きなさい」
●「コンビと、目くばせを交わしてみてください。どういうときにする?」
[7段落]
●「季節外れの転校生。いつ転校してきたかわかる段落を、三つ書きなさい」
  相談させて、サッサと処理。
[9段落]
●「その日。その日はいつ? 書きなさい」
[12・13段落]
●「12段落に三つ。13段落に三つ。亜紀と春子の台詞があります。
  コンビのどちらかが亜紀、春子になり読んでもらいます。テストです。
  12、13どちらかを選びなさい。・・・人物を選びなさい。
  評価は、A・B・C・D、4段階。Dは読まない・拒否で0点です。練習しなさい」
  (台詞の音読テストは、非常に面白い。生徒も初めは嫌がるが、始まれば楽しむ)
 「始めます。++コンビから。どうぞ。
  ・・・A!!!素晴らしい。拍手!(C!よくがんばった。拍手!)」
  (個別評定は、生徒に考える暇を与えず、瞬間に下さねばならない)
[15段落]
●「無防備。これは誰に対して・どうしなかったことか。書きなさい」
[18段落]
●「クラス委員は、男子・女子どちらですか」
[21段落]
●(四つの台詞で、コンビの音読テストをするとおもしろい。たぶん時間がない)
●「このクラス委員は、鈍感で頭の悪い生徒だと思いますが、どうですか」サラッと。
[26段落]
●「感嘆の声。感嘆とは、驚きと少し尊敬の気持ちが混じっています。
  なぜ、男子生徒は感嘆の声を上げたのですか」サラッと指名。発表だけ。
[35段落]
●「唇をかんだ。どういうときに、唇をかみますかねぇ」次の台詞も幹生らしくない。
[37段落]
●「その日から。いつから?」
[38段落]
●「それは、今までに一度も味わったことのない感情。
  あなたの考える、恋、とはどんなものですか。できれば少し比喩を使って書きなさい」
●「気のおけない友人。どんな友人か。・・・仲がいい・悪い、どちらか」
  意味をノートさせる。ほとんど知らない。
[40段落]
●「幹生の台詞。全部、うそだよ。
  亜紀は、幹生の話を A本気にした B嘘だと思った どちらか」ここはサラッと流す。
●「では、幹生の話は、A本当だ B嘘だ どちらか。(人数を数える・答えは言わない)
  先生はどちらか答えを持っています。どちらか、証拠を探しなさい」
[42段落]
●「おれが、ひとりでぼんやりしてる時のほうが真剣に見つめてる。
  ①以前は(   )ためだった。 ②今は(5字 )だからだ。」
[48段落]
●「私の手を握り自分のジャケットのポケットに押し込んだ・・・笑い出した。どう思う?」
[52段落]
●「ばかばかしくなって。なぜか理由を書きなさい。
  (      )に比べて妹の(         )から。
[57・58・59段落]
●瞳・目、を囲ませながら、生徒に指名音読させるとよい。
●「諦観、とは、どんな感情か」(サッと考えさせて、辞書の意味をメモさせる)
[60段落]
●「恐ろしい予感。すぐ分かるけど61段落で、その日から、はタイミング良すぎないか?」
  A良すぎる Bそうは思わない

ラスト
●「この小説の「主題」を書きなさい」
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発問全てを新採用に渡した試験

2013-05-21 23:45:02 | 2013年度雑記
2013-05-21up
国語科の正社員がどんどん入ってくる。
素晴らしい企業だ。

で、契約社員の僕が大卒正社員と授業を組む。
組むというのは同じ学年で同じ授業をするということだ。
同じように成績をつけるということでもある。

(あんまり詳細は書くのが嫌だな。なぜ嫌かを言うのも怖い)
国語科教員のかたなら分かるだろうが、一度に三学年を教えるのは大変だ。
三教材を同時に教材研究する。
三学年分の定期試験を同時に作る。
公立「中学校」では、かなり珍しいはずだ。

僕は今、高校学年二つを教え、三つの教材を同時に授業している。
毎日三、四時間予習になるわけだ。
ただし、去年からこんなふうでだいぶ慣れた。

しかーし。
大卒正社員に同じことは出来ない。出来たらおかしいい。

僕は4月最初、高三で組んだ新採用の彼に、すべての発問を書いて渡した。
授業で言う、台詞通りにだ。
一つ目は論説文(ひどい駄作)だ。
二つ目は俳句の読解(僕の読解ワークシートでまだまし)だ。

本ブログの「ブログの意図」にある通り、
「最初はすべての授業案を渡し真似させるのが当然」
だからだ。
ただ、渡して真似できるなら何の苦労もない。
「発問」を「台詞通り」渡しても、素人はその通りに「発問する」ことはできない。
当たり前だ。
できたら、教員のプロとは何だ、ということになる。

それに「発問」に伴う「作業指示」まで書くのは無理だった。
作業指示を伴わない発問は、ほとんど意味がない。
「授業」という行為にならないからだ。

だが、高校三年生だからよくやった。
「試験」も僕がすべて作った。当然だ。
かつ、上、からのお達しで、若いかたと大きな差がつかないように。
今日、試験を採点したら、新採用の彼のクラスの平均点のほうが高かった。
少しの差だ。
成功と言える。
嬉しいかって? 嬉しいですよ。契約社員の僕がそこまでやらせて頂いて。

今日、彼が隣に来てくれて採点のコツと、説明解答の擦り合わせをしながら三時間くらい過ごした。
なにしろ、僕は契約社員の分際で、正社員の彼の席に近寄ることなど出来ないからだ。
「終わった? お疲れ様でした。まだ残るの?」
「中学の試験の採点をします」
「あ??? 俺は過労死しそうだから帰ります。じゃねー」
「ありがとうございました」

俺も二十代のときは毎日21時、22時退勤が普通だった。
若いって嫌だね。
二度と戻りたくない。
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「不便」と「不幸」

2013-05-19 21:02:44 | 2013年度雑記
2013-05-19up
http://labaq.com/archives/51789293.html より
上のサイトは、
「中には100年くらい昔の物もありますが、
 これだけ並ぶと現代の暮らしがいかに便利になっているか実感できますね」

と締めている。
単純に「便利になっている」と表現するのが浅はかだ。
「便利」についての「思想」がないからだ。

「不便」なら不幸か。
車椅子を使う人は、日本では大変な不便を強いられる。
だから、不幸か。
そんな馬鹿なことはない。
僕は通勤に往復3時間かかり、別の人は往復10分間だ。
だから、僕のほうが不幸だ。
そんな馬鹿なことはない。
「不便」と「不幸」は全く異なる概念だ。


20130520:これ以下は、どうも筆が滑りすぎて恥ずかしいので削除しました。
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夏に半そでを着始める日付が決まってると

2013-05-19 13:06:32 | 2013年度雑記
2013-05-19up
僕はこういった比較文化の話が大好きです。
(なんどでも言いますが、ブカツは日本にしかない)

外国人が「日本に長く居すぎてしまった」と実感するとき69
http://labaq.com/archives/50779932.html より
●みんなと飲みに行って、全員のビールを注ぎ始めるとき。
 ・・・ビールを注いであげるなんてことはない

●日本人は相手の話しが終る前に話し始めることで有名

●夏に半そでを着始める日付が決まってると思うとき。

●誰かが乾杯を言うのを待ってしまうとき。

●単語にアンダーラインを引くのに定規を出すとき。
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A君に古典質問すると全部答えられちゃう

2013-05-17 22:15:03 | 2013年度雑記
2013-05-17
高3Xの国語授業に行くとB女さんが言う。
「古典、教えてください」
「え? だって来週試験だよ。もう無理だよ。でもなんで?」


B女さんは、古典優秀チームで僕の担当は一番苦手チームだ。
「A君に、古典のこと聞くと、全部答えられちゃうんです」
「へぇ~~~!!! そうなの!」
「だから、教えてください」
「だって、Bさんできるチームじゃん。
 でも嬉しいよ。A君が何でも答えられるなんて」


A君は僕担当の一番古典苦手チームだ。
何しろ100人以上を3チームに分けた上と下だ。地力が違う。
違うはずだ。違うかもしれない。
いやもしかして、生徒の地力の違いじゃないかもしれない。が、わからない。
「今のチームも先生も嫌じゃないから移りたくはないけど。でも、悔しいっ♡」
「そうだねぇ。先生と合うならいいじゃん。
 俺のチームだって、俺を嫌だって思ってる人も何人もいるんだよ」


授業前の休み時間だ。
聞いていた男子たちが大声で言った。
「ありえねえーーー。傭兵先生の授業で嫌とかありえねー。
 傭兵先生の授業で、わかるようにならないなんてあり得ないっすよ」
「嬉しいよ! C君がそんなこと言ってくれるなんてほんと嬉しいよ」


C君は以前の記事に登場した。
僕は4月最初の授業でC君に、必ず定期試験の漢字で9割以上取らせる、と言った。
高3Xの生徒は今までずっと、できないできない、駄目だ駄目だ、と言われ続けたそうだ。
事実らしい。
非常に馬鹿げたことだ。

過去の成績で古典授業チームは分けられる。
だから、3Xの7割は、僕担当の古典苦手チームにいる。
傭兵授業を国語・古典合わせて週8時間受ける気の毒な人の一部だ。
しかし、A君がB女さんの質問にことごとく答えるという。
C君は、俺の教え方でいいと言ってくれた。
[生まれて初めて高校古典を教えたど素人の俺」を、だ。

毎日毎日、3時間、4時間、古典授業の予習をしてよかった。
試験の結果が楽しみだ。
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