2012/1/1up全ページ目次 |
いつでもいい 何もいらない20120101 |
:歳の正月が来るとは思わなかった。
一度も想像しなかったことが現実になった。おまけの時間はもう充分もらった。酒池肉林も極めた。酒はいらない。くれると言ってもいらない。ご馳走もごめんだ。明日から豆腐と野菜ジュースだけで過ごせと言われても平気だ。本当にできる。今もそれに近い。時々アジフライと豆大福があれば天国だ。女性も……女性は素敵な人が来れば拒まない。それが礼儀というものだ。
死ぬ前にもう一度授業もできた。
しかも、日本にまだこんな可愛いnoが残っていたのかという子たちに会った。しかも極めて優秀だ。二十八年間で最高の授業が毎日積み上げられていく。授業ほど楽しくて価値ある仕事はそうそうない。かなわないのはお医者さんくらいだ。仕事を紹介してくれた知人は命の恩人だ。あの世へ行ったら取り憑いて守ってさし上げよう。
爪は研いである。
粗食であること。テレビを捨てたこと。金がないこと。孤独であること。姿かたちに恵まれないこと。志が残っていること。払い続ける代償が爪を鋭くしてくれる。だからまだ力は伸びていく。爪は研いでおくことだ。
2012年が今日始まった。もういつでもいい。どこでもいい。できれば授業の途中で倒れて一瞬でイクのが一番いい。ただひとつの欲は犬を飼うことだ。名前も決まっている。だが飼い犬が死んでしまうのを想像しただけで泣けてくるから駄目だ。飼わないほうがいい。何もいらないということだ。