2006年度の11月と3月の2回、「発達障害研修」発表の機会を頂いた。
その後、パワーポイントを数回作り直して、別の学習サークル等でプレゼンした。
前述の■発達障害知識スライドショー1~145■はその最後に作ったパワーポイントにさらに手を加えたものである。
当時、たくさんの感想を頂いた。有り難いことである。
なお、2006年度はまだ「軽度発達障害」という言葉が使われていた。
2006年11月22日『市特活研・軽度発達障害研修会』
感想まとめ/:■■中学校:PM4:00~5:00 |
他校から11校、11人、校内から10人の先生が参加してくださいました。
合計21人。
本校■■校長とは、校長を含めて4、5人の予定だと予想していたので驚きました。
お忙しい中、わざわざお越し下さり、私の勉強の手助けをしていただいて感謝申し上げます。
●1●
復習になりました。
とてもわかりやすく、ポイントがまとめられていて、
hyoko先生の勉強のすごさに感心しました。
細かいところは忘れていることも多く、もっと勉強しなくてはと思いました。
赤いチョークは、色覚異常のこのことを考えると、使ってはいけないと言われていますが、
蛍光のオレンジはどうなのか?
ちょっと疑問を持ちました。
初めて今日の内容を学ぶ人が本当にいるのなら、
先生方の勉強不足にはあきれてしまいますが……。
(T先生)
《hyoko:参加した中でT先生がもっとも知識をお持ちだったのだと思います》
●2●
「クラスの中の6~10%、軽度発達障害の生徒がいる」
うすうすそんな印象を持ちながらも、
「話を聞いていない」
と思っていることが多かった。
「話を聞いていない子」は、6~10%よりもっともっと多い。
・・・毎日の仕事にただ追いまくられて、ながされているなあと思いつつも、
とりあえず今日をのりこえることにのみ、力を使っている感じですね。
良い刺激になったと思います。
勉強していきたいと思います。
(M先生)
●3●
通常学級に在籍する軽度発達障害の子に対する対応の仕方は適切であると思う。
40人学級の中で、
1時間の授業の中でひとりひとりを多くほめる(20回以上)ことや、
一つの指示で確認しながらの授業形態は、
支援学級では可能と思われるが、通常学級では厳しい面もあるかもしれません。
基本的な姿勢として、プロとして学ぶ、学び続ける姿勢は教師のお手本と言える。
問題行動が全て障害と関連があるとは思われないが、
子ども、生徒が何に困っているかを知ることから始まると思う。
先生の勉強されたことをもっと多くの人に、日常的に会話などで広めて欲しい。
今日はありがとうございました。
(N先生)
《hyoko:授業ひとコマで20回ほめる、とものの本にはあり、
それを「通常学級」でも、できるようになりたいと思っています。
自分にもできてはいませんが、出来るようにならねばならないとは考えています。》
●4●
「Aの試験管にBを入れてください。」
・・・「同じように次も」
という言葉は、発達障害の人には不適切な言葉なのでしょうか。
具体的に言うことが大切ということは理解しました。
本日は有難うございました。
(K先生)
《hyoko:不勉強で、お答えが出来ませんでした。勉強していきます。》
●5●
何度か「軽度発達障害」に関する研修会に参加をするなどして、
自分なりに少しは学んでいたつもりでしたが、
それは全然理解が不足していた。
先生の話の中で教師が
「やってはいけない」
とされる事柄を自分がやってしまっている部分がいくつもあった。
先生から紹介いただいたものを参考に、真剣にこれから学んで生きたいと思う。
今日はありがとうございました。
(U先生)
●6●
強烈にアピールする宗教のような説得力のある講義でした。
これからの軽度発達障害児に対する対応について、
教師集団にわかりやすくおしえてくれている。
目で見て耳から入り、とてもわかりやすい。
ただ、私自身、思い込みの固まりになっていて、
一つのことを脳に入れることに苦労するようになってしまい、
しかも最近覚えたことは簡単に忘れるようになっている。
ただ、生徒に接する心は、今日の話を聞いて、
反省すべきところもあったが、共感することが多かったのは少しの救いでもあった。
いい勉強をさせていただきました。
(N先生)
《hyoko:参加してくださった21人のうち、たぶんぼくよりお若い人は
他校で5人・本校■■中で4人と半分以下です。
それだけ、ベテランの先生が多く来てくださったわけです。
しかし、自分で去年・今年フリーになって勉強してみて、
年齢は関係ないと思いました。
N先生はずいぶん謙虚に書いていらっしゃいます。
「目で見て、耳から入る」
これは、軽度発達障害児への対応の一つです。
「視覚刺激」と「聴覚刺激」の両方を使うと効果が上がるということです。
子どもによって、視覚・聴覚どちらの刺激が入りやすいかが違うからです。
国語なら、文を目で見ながら、声を出して音読することです。
小学校で意識している先生は、
「算数」の「問題文」も必ず声に出して読ませます。
中学校の数学も同じ効果があるはずです。
●7●
ありがとうございました。来て良かった。
これまでも幾度となくご一緒させて頂いてますが、
今日hyoko先生をとても身近に感じ、
我々から変える!!という宣言を、とてもうれしく思いました。
質問のお答え、自身になりました。
(H先生)
《hyoko:
■■校長と■■先生に、
「軽度発達障害の知識と対応技術の伝達」をライフワークにして頂きたいと、
本気でお願いしておきました。
■■市で、■■県で、今後10年間最も広めるべき事柄だと信じています。
教師の、本業は「授業」ですから。
H先生のご質問は、次のものでした。
「教師は素人なので診断してはならないと言う。
本人に言ってもならないと言う。
だが、そうではないかと思う生徒がいる場合、
保護者にも言ってはならないのか」
お答えしたことです。
横山裕之ドクターによれば、
「軽度発達障害の疑いを発見できるのは、小学校、中学校の教師だけ」
です。
保護者には専門的知識がないので難しい。
疑いのある生徒を発見し、保護者に専門医への受診を
<慎重に><粘り強く>勧めるのも教師の仕事です。
保護者が納得し、受診にこぎつけるまで、一年、二年とかかるのが普通だそうです。
その覚悟を教師は持たなければならないとおっしゃっています。》
●8●
校内の研修会でやってもいいかもしれません。
もっと勉強しなきゃって思いました。改めて。
T先生はかなりよく正解してましたよ。
・・・覚えていなかったこと。
「反抗挑戦性障害 =ODDの日本名の方」
「微細運動障害」
・・・勉強不足無念です。
初心にもどります。「捨」を読んだ後みたい。
(H先生)
《hyoko:本校■■中で一番若い20代の先生の言葉です。》
●9●
pm4:00からという時間にもかかわらず、
本当にあきない、ぐんぐんひきこまれていく「授業」でした。
魅力的です。教師として。
内容については、本当に「聞きたかったこと」ばかりでして、
「なるほど!」とうなずくものばかりでした。
私に悪態をつき始めた、体の小さな、
スポーツ大好きでも、勉強大嫌いの少年の顔を思い浮かべながら、聞き入りました。
まずは
「ほめる!」
「こうしたらどう?」
とアドバイスする。
そんな所から関係作りを再始動します。
今日は生徒になった気分で楽しく学習できました。
ありがとうございました。
(K先生)
《hyoko:K先生。10年以上ぶりで、
しかも研修の場でお会いできて大変感謝しております。》
●10●
スピーディーな授業で、私の頭がついてゆくのに必死でした。
とても参考になる学習会に参加させていただきありがとうございました。
ほめ方について、どのような部分をほめればよいのかということが、
もう少し詳しく教えていただきたかったです。
ほめ方がへたなので。
一時一事はそのとおりだと思います。
普段の授業でも、意識してやってみたいです。
《hyoko:ほめ方について。
▼新潟中野山小学校3年生の田中先生の授業で。
「○○さん、口がとってもよくあいてる。」
「後ろの子の声もよーくひびいてきます。」
▼『ADHD症状を抑える授業力』(明図)より
○ 努力している状態をほめる。
○ 経過をほめる。
○ ほめるところがなくても事実や準備状態をほめる
☆[短く]=「いいじゃない」
「かしこい」
「最高」
「グー」
☆[名前]=「りょうちゃん、いいじゃない。」
(上のフレーズに名前を入れる。)
☆[成長]=「できるようになったね」
「昨日より進歩したね」
☆[期待]=「ここまでやってくれてうれしいなあ」
「すごく詳しいね。日本一になれるよ。」
☆[準備状態]=「鉛筆持ってるね。やる気満々だ。」
「今日は声が出てる。だから上手いんだ。」
▼ぼくの場合は、
「すごい」
「すばらしい」
「天才」
「うまい」
「百点」
「千点」
「合格」
「千点千点千点、合計三千点」
「天才一年生だ」
「えらいねえ、ドリルが机の上に出てて」
「あいさつがうまいねえ」
「あなたたちは僕たちの誇りです」
「△△君、漢字満点か。うれしいねえ。感激だねえ。今日一日俺は幸せだよ」
(と言って抱きしめる。3年男子に)
「(採点の)丸は閉じた丸で。だめ。そうそう、うまいねえ」
(つまり、やり直させてからほめる)
あと、授業の最後は
(心の中で、今日もこんな授業をちゃんと受けてくれて、と言ってから)
「ありがとうございました。」
(と深々と頭を下げる)
そうじの反省会のときは「最後に先生から」と言わせて
「今日もよくやってくれて、ありがとうございました」
(と言って100度くらい頭を下げる)
のは毎日やってる。
本心から、そう思うのが大事だと思う。
ぼくはほんとにそう思っているので、きっと伝わっているという気がする。》
●11●
軽度発達障害について、知らなかったことが多くあり、
大変参考になりました。
また、自分もこの新しい概念について、
まだまだたくさん勉強をしなければならないと思う
良い機会になりました。
クラスにも、あてはまるのかなとつい考えてしまう生徒が数人いますが、
本当に障害なのか、いまいち自信がもてない場面があります。
これからの勉強を元に、生徒の特徴をよくとらえ、
適切に対処していかなければと思います。
本日は本当にありがとうございました。
(匿名)
●12●
hyoko先生。本日はとても分かりやすい学習会をありがとうございました。
普通教室内での特別支援という内容が中心であり、
教師の発見が大切なことが分かりました。
特に、ODDという
教室内でその障害を悪化させてしまうということには驚きました。
自分自身も研修を深めて、今後生徒と接していきたいと思いました。
小2で発見ということで、
小学校の先生方にも、有意義な研修になると思いました。
(F先生)
《hyoko:今後、新しいパワーポイントにも書きますが・・・
① 小学校4年生までに、障害の発見と治療をしなかった場合、
一生影響がある。
② 小学校4年生までの学力を身につけさせれば、
障害があっても成人して自立して生活できる。
それができなければ、自立も難しい。
③ つまり、専門医による小学校低学年までの
早期発見、早期治療が必要だということです。
同僚でお子さんが一歳になる先生は
「俺は絶対、幼稚園までに息子を横山ドクターに診せる。」
と言ってます。》
●13●
子供が
「障害を持っているかもしれない」
と思いながら接することの大切さはよくわかりました。
これで救われる生徒が、何人もいるだろうということは想像できます。
しかし、では
「本当に生徒を叱るべき時」
とは、どんな時なのかと思います。
あれもこれも
「障害かな~」
と気を遣いすぎて、
本当に叱るべき時にタイミングを逸してしまわないかも気がかりです。
生徒を叱るような状況にしないような指導をするというのが
本当のプロかもしれません。
ありがとうございました。
(T先生)
《hyoko:横山ドクターが度々書き、おっしゃるのは
「危険なことは叱れ」
ということです。
それ以上はご紹介した本をご覧ください。
「生徒を叱るような状況にしない」
については、同僚とよくこんな話をします。
…「正しいしつけ」
「正しい生活指導」
「細かい生活指導」
「充分準備した四月最初の三日間の学級指導と年間学級経営案づくり」
「正しい授業指導」
をしないで、生徒がガチャガチャになってくると、
いわゆる「生徒指導」でガツンとやって、言うこと聞かせて、
指導力がある、と言われる人っているよなあ……》
~ご感想・以上~
<発表後記>
■■校長には、自分のような三流教員に発表のチャンスを下さり、
又々感謝しております。
何の期待も保証もないのに、
わざわざ参加して下った先生方にも心よりお礼申し上げます。
本校■■中の生徒には皆、
背中に真っ白い小さな羽根が二つついています。
勉強しなければならないと思うのは、
その天使たちのおかげです。
「普通教室の特別支援教育パワーポイント」の続きは作り続けます。
ありがとうございました。
2007年3月30日/『普通教室の特別支援教育』:教育会館
感想まとめ |
先月、教育会館でお話させていただく機会を得た。
『普通教室の特別支援教育』がテーマである。
参加は、・・・・・・先生の7人。
頂いた感想を紹介します。
●1●
今日は提案ありがとうございました。
特別支援と言っても、勉強不足でしたし、
今日のお話でそのスタート地点に立てそうです。
まだまだ勉強が必要だと感じました。
(Y先生)
●2●
今日は本当にありがとう。
若い人にはもちろん、YやKというベテランの、
ハートのある人が聞いてくれたことは大きいと思う。
またこれは大きな一歩だと思うよ。
3月には、もう少し人も来ると思うんで、体調も悪いかも知れないし、
異動結果によってはナーバスになっているかも知れないがもう一発頼むよ。
で、感想。
1 構成がすごくよくなった。
前の「うるせー」から入るのはどうも俺としては違和感があったんだけど、
今日の入りはとてもいいと思った。
それから、教室で授業者がどうするべきかに
特化していっているんだと思うけど、これもいい。
というか、みんな知りたいのはそこだと思うんだよ。
だから、もうちょっと早くそこへ行く方がいいかなと思わんでもないが、
まあ、今日は寄り道が多かったからこんなんでいいのかも。
それから、となると、やっぱり気になるのは、で
は、中一に生徒たちが入ってきた時に、
学校として、学年として、何をすべきなのってことだと思うのよ。
次は更にそう言う形で突きつめてくれればいいというのが俺の願い。
2 疑問は
やはり親の育て方に問題はない、というふうに聞こえてしまうこと。
やはり親にも責任があるのは間違いないと思うのよ。
そこを踏まえた持って行き方にしないと、
ちょっと??と思う人はきっといると思う。
要は
「親だけのせいじゃない」
ってことだし、学校が教師ができることはしなきゃ、
ってことだと思うので、それはいいんだけど、
ストレートに
「親のせいではない、100%教師が悪いのです」と言ってしまうのは逆に、がんばろうとしている人にとってもマイナスだと思う。
3 あと、メモにも書いたけど、野口芳宏先生に話し方が似てきていい感じ。
4 坂本竜馬が読書百遍した話はもう少しして欲しいな。
(A先生)
●3●
話を聞きながら、今教えている生徒の何人かの顔が浮かびました。
いつも落ち着きのないNくん、Iくん。
ごめんね。叱っちゃいけなかったんだね。
「叱らない。一時一事。代案を示してあげる。
ほめる、ほめまくる。視線を合わせる。」
明日から、意識して行えることばかりです。
「教室の前の掲示物は全てはがす、机の中は整理してあげる、鉛筆で」
実践してみたいな。
『のび太・ジャイアン症候群』ネットで注文してみようと思います。
明日からの実践に生きる話、本当にありがとう。
ただ、うまく表現できないのですが、
100人の中に、6人もいる人のことを
「軽度発達障害」と名付けることで、差別化することにつながらないかな、
と危険も感じました。
一歩間違うとこわいな、慎重に伝えなければ、と思います。
(K先生)