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中学校統合作文① 教師見本と2点 『S中統合についてどう考える』 |
三年生が国語の授業で作文を書いた。
「S中統合」については、一度は考えを聞いておきたかった。
三年生の思考力の向上が見られ、作文として読む価値のあるものだ。
このような文章を書ける生徒は、ぼくたちS中の職員の「誇り」である。
S中の職員の皆さんに、そして、中統合を惜しんでくださる方々にご紹介したい。
いつもの指導では、ぼくの見本作文をまず読ませ、習って書くようにしている。
だが今回見本はあとで提示した。
したがって、生徒の作文にぼくの思考、文体は影響していない。
……それで、これだけ書ければケッコウイケテルんじゃないかな。
<生徒が書いた後提示したhyokoの見本作文>
できれば統合はしてほしくないと思っている。
理由は三つある。
一つ目に、極めて個人的な理由だが、
S中の生徒と保護者が、ぼくを助けてくれたからだ。
S中の生徒に会えたおかげで、ぼくはまだ教員を続けようという気持ちになれた。
二つ目に、少人数の学校の教育的価値は高いからだ。
少人数だからこそ目が行き届き学力にも影響がある。
これは、フィンランドやアメリカでの実績も証明している。
三つ目に、第一教室があるからだ。
本校の第一教室は市にも県にも誇るべき教育をしている。
S中の生徒が心やさしいのは、第一教室の生徒と、接しているからだろう。
地域の多くの人が統合を惜しんでいる。
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<生徒作文の紹介にあたって>
(1) 匿名とし性別も記さない。順番は出席順とは関係なくばらばらにしてある。
(2) 作文用紙の半分を越えない作品は除いた。
なぜなら、その生徒が後半で述べたであろう内容を載せないために
誤解が生じることを避けたいからである。
(3) 漢字の間違いは直した。
それ以外、言葉づかいも句読点もすべて原文どおりである。
(4) 生徒の不利益になるおそれのある表現は伏字とした。
また、紹介すべきでないとhyokoが判断した作文は除いた。
<生徒作文>
●1●
私は、統合する事に今でも反対だ。
理由は二つある。
一つ目に、「人数が少ないから」「他の学校との授業の差が出る」など、
周り(大人)から見た一方的な思いで、決めないでほしい。
実際授業を受け、色んな事を教えられるのは私達だ。
それを決めて、を選んだのだから。
二つ目に、中には、他の学校とは違うものがある。
特別教室の人達への思い、接し方だ。
私は、1年から3年まで皆と一緒に過ごしてきて、
第一教室の人達に沢山の事を教え、沢山の事を教えられた。
差別をしない、教え方を考えるなど、私はこの学校で大切な事を学んだ。
こんな学校がなくなるのは考えられない。
●2●
私は統合するのに、とても反対でした。
なぜ、こんなに良い学校をなくしてしまうのだろうとか、
自分の母校がなくなってしまう悲しさがすごくありました。
しかし、私の考えは最後の行事をやっていくごとに、変化していきました。
体育祭。
地域の皆さんが集まってくれ、とても盛り上がったものになりました。
文化祭。
平日なのに沢山の保護者の方が来てくださいました。
きっと、中学校との統合がなかったら、
このようなすばらしい行事を作ることができなかったと思います。
中学校はなくなってしまいますが、地域の人に愛されてなくなるのは幸せな事です。
~つづく~