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2015-02-18
僕は転職経験がある。対面の接客業だ。
また、カネを払いその道のプロに、パソコン・硬式テニス・ダイビングなどを習った。
ガッコウのキョウインとは、全くレベルの違う本物のプロがいると、僕はカネを払って学んだ。
だから「ありがとうございます」と礼を言うのは「客」か「プロ」か分かる。
「客」は代金を払う。
代わりに、物やサービスを受ける。
「プロ」は心身と技術を使いこなす。
代わりに、代金を受け取る。
「ありがとうございます」と礼を言うのは「客」か「プロ」か。
日本には不思議なことにこの答えに迷う職業の人がいる。
今日の授業で、二人の生徒が毎日使う漢字プリントを忘れた。
プリントがない、と言う。
当然僕は余分を持っている。
当然「自分で取りに来なさい」と答える。
付け足して「「いつもの通りサッサと自分で来なさい・怒るわけないんだから」と言う。
無言で戻ろうとする二人に「ありがとうございますと言いなさい」と言う。
二人は言って戻る。
「ありがとうございますと言いなさい」
と、生徒に言う。これは教育だ。
オレのような鼻糞に言わせるためではない。
作法・様式・思想を教える「教育」だ。
ところが、本気で自分自身に礼を言わせる教員がいるらしい。
教員は自分が数えきれないほど忘れ物をするくせに、生徒の忘れ物には厳しい。
僕もそうだった。
二十代の頃は、キョウカショヲワスレタオマエガワルイ・ダマッテキイテイロ、と言った。
鼻糞授業素人が、困っている生徒に、ここぞとばかり偉そうに言ったのだ。
今は、即、僕の教科書を貸し、音読が終わったら隣の生徒をのぞかせる。
習ったテニスのコーチも、ダイビングのインストラクターも、怒鳴ったことは一度もない。
静かに、こうしなさい、と言う。
やり方を具体的に教える。
次々、ボールを繰り出す、息を吸う吐くのをやらせる。
できるまでやめない。
静かに、たいていニコニコして「もう一回。もう一回。もう一回。・・・もっとゆっくり・速く」と言う。
コーチは怒鳴らないけど、レッスンが終わると僕は立ち上がれないほど、疲労している。
できると、ガッコウジュギョウ・ブカツドウでは見たことのないほど「一緒に喜んで」くれる。
そして、僕は代金を払う。
コーチは求めないが、僕は思わず「ありがとうございました」と言う。
特にダイビングは、一回一回が生き死にに関わる遊びだ。
でも、指導でインストラクターは怒鳴らない。
「根性」「気合」なんて一度も言ったことはない。
そんなもので、命を守るスキルは習得できないからだ。
ダイバーには、インストラクターは本当に神様に見える。
自分もできない、教え方も分からなない素人が「教える」など想像もできない。
ダイビング団体の絶対の決まりに、こう明記してある。
「インストラクター以外は、教えてはならない」
授業・学級経営・生活指導の仕方、などの指導方法。
どの「指導方法」の訓練も受けないまま、教員は仕事を始める。
仕事がうまくいくほうが、どうかしてる。
うまくいかなければ、素人なのだから教員から謝るのが当然だ。
だって、カネを受け取っているのだ。
自腹を切るボランティアなら、少しは別の話だ。
だが、幸か不幸か相手が子供だ。
無理が通って、通りが引っ込む。
「わからないのか! 無駄なおしゃべりをするな! なぜAさんはできるのに、B、お前はできない!」
・・・あたしBだけど? 授業がわかんないからしゃべるんだよ。わかんねえのかっ。
できないよ。できないからカネ払って来てんだろっ!!! わかんねえのかっ。
あんたは代金・給料もらってんだろっ。わからせろっ。
代金を払い、出来なくて困っているから来る客。
それが生徒だ。
給料を得て、プロとして、出来ないから来ている客に代金の代わりに知識・技能をお返しする。
それが教員だ。
「生徒」が代金を払い、代価として「教員」が教育する。
「ありがとうございました」
と言うのはどちらなのか、なんだかさっぱりわからない毎日だ。
最後の授業で感想を書かせよう・教師の人格が表れるから