2011/3/5upわかる目次 |
中学国語指導案・少年の日の思い出研究10・作者論と作品論 |
(1)<作者論と作品論について OKWave>
http://okwave.jp/qa/q5618249.html
「投稿
日時- 2010-01-24 04:42:09
・・・作者論と作品論について小説のあとがきを読んでいると、
『作者の生涯を知ることは作品理解に必要である』
『物語を作者の実生活と重ね合わせることでより深い理解ができる』
というような意味合いの文句をしばしば見かけますが、どうもしっくり来ません。
小説を読解して評価するのに必要な情報は、
作者本人が小説本文内に示しておくべきものではないのですか。
上に挙げた作者の実生活の情報が物語に要るなら、
それは小説の本文中に書かれるべき事柄ではないのですか。
読者がわざわざ作者のプライバシーを詮索して物語本編と重ね合わせて理解しようとする、
というのはどうしたものでしょう。
・・・私はできるだけ小説の本文のみで小説を評価したいと思うのですが、
一方で、小説本編を読むだけでは理解できない事柄もあると思う
・・・やむを得ず小説本文外から情報を引っ張ってきて読まないと分からないことはある
・・・その時代の読み手なら当然知っているべき情報、というのはある
・・・その説明は小説本文内では省略されることが多いでしょうから、
作者の後の時代の読者が読む際は、それを補って読まねばなりません。
・・・作者のプライバシーとなると話は違う
・・・プライバシーは『当然知っているべき情報』には該当しない
・・・プライバシーを知ろうとすることは、
作品を読み解くことを差し置いて作者論に行ってしまう気がする
・・・読書人の皆様の中には
『作品を読み解くこと』
よりも
『作者を知ること』
に重きを置いて、作品を
『作者の人間像を形作るための資料』
と見做している方がいらっしゃるかもしれません。
・・・私個人は、できるだけ
『小説本文内に書かれている情報』
のみで小説を読みたいと思っています。
作者個人の性格だとか事情だとかを考慮しないと面白くない作品というのは
……正直、あまり評価したくない
・・・作者論と作品論を完全に分けることは無理にせよ、
基本的には違うものと見做したいです。
■調べた限りで「作者論と作品論」についてもっても分かりやすい既述である。
というか、僕の「作品論授業者」としての立場と一致する。
これを「作品論」というのだ、という説明の決定版だ。
「質問者が選んだベストアンサー
投稿日時- 2010-01-26 20:18:45
・・・
>『作者の生涯を知ることは作品理解に必要である』
>『物語を作者の実生活と重ね合わせることでより深い理解ができる』
素人が言うならともかく、これがプロの批評家の言葉だとしたら、
ちょっと信じがたい思いです。
・・・フロベールなんかは
「芸術家は自然において神がそうである以上に
作品の中に姿を現してはいけないと思ってます。
人間(作者)なんて無だ、作品が全てなんです。」
(ジョルジュ・サンド宛書簡)
と述べてますし、ヴァレリーもどこかで、
作者の伝記は作品が生み出(捏造)したものだという趣旨のことを言っていた
・・・どんなに実証的に書かれた作者の伝記であろうと、
彼の書いた傑作のフィルターをくぐり抜けていることだけは否定しようがない
・・・としたら、作者の内奥に潜んでいる本当の秘密にしても、
作品以外のどこかに転がっているなんてことは到底ありえない
■同感だ。
非常によくわかる。
「別投稿
日時- 2010-01-25 06:18:31
・・・現代の文学 ~ 作者よりも読者が利口になった ~
古代の読者は、いかに荒唐無稽な話も、事実であると信じていた。
中世の読者は、虚構と現実のギャップに、気づきはじめた。
近代の読者は、作者の工夫や都合による虚々実々を楽しんだ。
・・・わたしは、文学ごときは、誰もが研究しなければならないほど重要な学芸ではない
と思います。
ただし、数百篇の代表作を学んでいないと、
日常的な会話において比喩が通じず、論理的な議論ができないのです。
■教育系でなく、文学好きの国語教員が多い現場に読んでいただきたい投稿。
教材の「作品」は「文学」ではなく「教材」としてとらえろ、ということだ。
(2)<作品論とは何でしょうか?学校の一般教養の授業の課題で、
ある小説の作品論を書く... Yahoo!知恵袋>
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213992972
「・・・学校の一般教養の授業の課題で、ある小説の作品論を書くことになった
日時: 2007/12/25 00:49:06
「ベストアンサーに選ばれた回答
日時:2007/12/28 18:07:49
分析批評の仕方の例・・・
① タイトルは何型か
・・・「主人公型」「クライマックス型」「シンボル型」「混合型」。
② 登場人物と配役(主人公・副主人公・対役・脇役など)の分析。
③ ・・・「話者(ナレーター)」の正体を探る。
④ クライマックスの箇所・・・
⑤ 話になくてはならない物(シンボル)の動きや役割の解釈。
⑥ 主人公の価値観、価値観の変化・・・
⑦ 作者の作風(文体や言い回しの特徴など)や時代背景を作品から読み取る。
⑧ ・・・文章構成(起承転結など)を読み取り、場面毎の要約20字以内で書く。
⑨ 作品全体の要約を50字以内で書く。
⑩ ・・・(主題)を書く。
⑪ 読後の感想を200字程度で書く。
・・・一作品を読んで分かることを分析的し、
作品の主題や感想でまとめることを分析批評といいます。
■このように「分析批評」を明解に述べている投稿は滅多にない。
実際にかなり授業で実践しているかたではないだろうか。
(3)<作品論と作家論>
http://www.accessup.org/pj/6_A4E1A4BFA4B3/200906041.html
・・・作家論は作品論に内包されているもので、
作品の評価の傍証となるもの
・・・とは言え、
作家論が大勢を占める作品評価は、どんなもんだろうなぁ、
と思わなくもありません。
■「作家論は作品論に内包されている」
という既述がずばり本質を言い当てている。
「コメント
(2009/06/06)
・・・作家が作品にでしゃばって来る作品は、プロの作品ではない、
と誰かが言ってた気がしますが同感です。
■賛成です。
「コメント
(2009/06/04)
・・・作家に言及すること自体は間違いではないと思います。
ただ、それは作品を評価する上での一助となるべきものであって、
作品の主たる評価対象ではない
■その通りだと考えています。
「コメント
(2009/06/04)
・・・作品論だからと言って作品だけを研究するだけでは
ただの「レポート」に過ぎないんですよね。
作品のなかにある背景を読み取ることこそが「作品論」であり、
作家や時代背景の言及は作品論におけるひとつのファクターとなり得る
■こういう考え方も当然あるということだ。
<少年の日の思い出研究シリーズ・以上>
蛇足)
『少年の日の思い出』は「ぼく」の「一人称限定視点」で書かれている。
(プロローグは別)
ところが、本文終盤にごく短い一文で「視点」が変わっている。
ただ、これが正しいかちょっと自信がない。
「ぼく」の「一人称限定視点」ならば、本文の
<二人は部屋に入った>
という表現にはならないのではないか。
自信がないのと、中学生が読んでいると授業がつまらなくなるので、
代案は書かない。
どんなもんでしょうか?
カテゴリー別目次 ・ 記事一覧
国語授業中学少年の日の思い出
研究1・論題17題
研究2・教科書全表記比較
研究3・論題17題の検討
研究4・教科書掲載理由検討
研究5・高橋健二の戦争礼賛
研究6・中学生の頭を悪くするサイト
研究7・プロローグは削除してよい
研究8・小説と物語の違い
研究9・ヘッセノーベル賞の為か
研究10・作者論と作品論