円の外へ

20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

4月S教諭から 虫のようにコツコツ

2019-05-12 15:18:53 | 2019年度雑記
カテゴリー別目次 
2019-05-12
4月連休前の授業は、クワをふるって毎時間地面を耕した。
調子のいいことしか書かなかったが、倒れそうになった。
今は、畝・ウネを作り、種をまいている。
たまたま、小学校教諭Sさんから言葉を教わった。
Sさんが二十代のときに出会い、今は不惑を超えた。四十代だった僕はアラカンだ。
言葉がすべて。言葉は魂。
「無理しない、何とかなるみたいなものです。何とかなる!は結構いいですね」

「かえってそれが、見通しが持てないというそのこと自体が、幸福」

「あとは、虫のようにやる!ですね。目の前のことを一つ一つ、やる!」

「もう、心を 虫のように ありさん?のように?
 コツコツコツコツ、目の前の仕事を一つ一つやる。
 頭の中がごちゃごちゃわけわからなくなった時に、虫のように目の前のことをやる!」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1日5コマの授業が二日連続だった異常

2019-05-09 21:53:02 | 2019年度雑記
カテゴリー別目次 
2019-05-09
今日の授業は50分・5コマすべて200点の出来だった。
感激するほど、みんなよくやった。
カンゲキとは目から水分が出ることだ。

始まりのチャイムが鳴り終わると全員着席している。
なぜなら黒板に(間に合わなかった最後の一人を減点する)と書いてあるからだ。
怒声・暴力より数万倍ましだ。
机の上に、教材が置いてある。
右利きの生徒は、机の左上に、教材がきれいに積んである。
チャイムのあいだ、教室全体を見回した僕が「皆さんおはようございます」と言う。
生徒は「ロッカーにナントカを取りに行っていいですか」と言う。
着席が最優先だ。
4月にすべて、そうできるようにしつけたのだ。

今日は、すべてのクラスが、僕の想像を越えて課題をこなした。
あまりに全員がやる気で勢いがあって、5時間目は胸がいっぱいになった。
これが、3月まで教員の声が聞こえない騒ぎのクラスだった。

今年は週に1日だけ5時間授業がある。
ありますか。1日5時間。
過去3年間は1日5時間の授業が二日連続あった。
ありましたか。二日続けて5時間。
二日連続で、5時間連続して2学年を行き来する。
異常だ。
公立に就職してすぐは、週20時間が当たり前だった。
新採用には良いも悪いもわからない。
体力でしのいだ。
だが、それが異常なため公立でさえ改善されていった。
しかし、1日に5コマ授業を割り当てられたことはなかった。
生きていないほうがましかも、と思い続けた荒廃初任校でさえなかった。
1日5時間授業が二日連続あったのは、30年以上の仕事でも初めてだった。
去年1日5時間授業が割り当てられたのは数十人のうち二人だ。
かつ二日連続割り当てられたのは僕一人だった。
なぜだかわからない。

今日も、いちばん幸せだったのは僕だ。
授業のおかげだ。
すばらしい一日だった。
「今日の、ナニ組はものすごく良かったですよ。ナニナニさんがコウコウでしたよ」
職員室で語り合う慣習がない。はぁ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仕事を真似・完コピすることができない

2019-05-07 22:09:44 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次 
2019-05-07
授業と仕事の腕を上げたければ、真似するのが一番だ。
優れた授業を見たら、完全に同じように真似する。
顔つきも、服装も、立ち方も、立つ位置も、ネクタイも、声の高さも。
気づくことはすべて真似する。

他の、技術が必要な仕事は、例外なくすべて同じで、真似から始まる。
真似から始まり、ずっと真似して、一生真似する。

真似して同じにできるようになるのは、長い時間がかかる。
「まったく同じにできるようになろう」
と意識しても時間がかかる。
授業の場合、数年とか十数年とかの長さが必要だ。
含まれている、技能の要素が多く、組み合わせが複雑だからだ。
僕の能力が低いせいだろうが、誰にとっても簡単ではない。
真似する気がなければ、一生完コピはできないだろう。

教員の仕事を、真似とか完コピしようとする人にあまり出会わない。
言わないから、こっそり学んでいるのだろうか。……いないな。いるか。わからん。

せっかく去年始まった行事が、今年は危ない。
「これを作るのがまず大事。これ次第で成否は決まる」
その企画文書を去年作ってみせた。
他の職員はその行事を見ることも指導したこともないので真似してくれた。
「それ」が最初、「それ」を教員が全力で作って行事が成り立つ。
去年の行事が成功に見えたのは「それ」のせいだった。
そう、言い続けたつもりだった。
やめておけばよかったな。

今年「それ」は全然できないままだ。
去年のまま、部分だけ、数学の数式のように変えればよいようにしたのだ。
それを、まず三年間、真似して続けるのだ。
そこまで、分かりやすく、緻密に僕は「それ」を作って大人は全員見た。

なぜ、今年の手順を訊かないのだろう。
去年うまくいったのが、なぜか、わからなかったのだな。
やめておけばよかったかな。
まあ、とにかくだ。僕には時間がない。気にしない。

GW明けの生徒は、みんな元気だった。
授業に入る前に出くわした女子が大声で
「あああ~」と言うから「そんなに喜んでもらえてうれしいよ」と応える。
廊下を通る男子が授業直前の教卓の僕に、おおお先生~、と手を振る。
おおお今日は授業ないね~、とブンブン振り返す。
階段を上る途中で三年教室から背中に「安せんせえ~」と声がかかる。
手を振るM●y●さんに「おおおぃ」と両手を振り返す。

授業のあったクラスには、最後にこう言う。
週に何度も言わせるのだ。
「GW明けなのに、みんな元気でやってきて、それだけで合格です」
「コンビで言いなさい。
 一人が、今日授業がんばったね、もう一人が、それよりあなたに会えてよかったよ。
 はい、どうぞ」

これを、高校生40人が照れくさそうにみんなやるからね。
いつも、言いやすいセリフさえ用意すればみんな言う。
生徒はみんなニコニコいい笑顔だ。
号令などかけない。
「よしっ。解散っ。次の授業の準備」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

GW終了 一緒に飲んでくれて有難う

2019-05-06 14:49:13 | 2019年度雑記
カテゴリー別目次 
2019-05-06
休日に天気が良いと、ビールを買って雲の見える所へ行く。

海の近くに行くと空が広いのを思い出す。
気持ちがすーっとする。
空には雲があったほうがいい。

今年のGWは最も大切な四人と都合がついた。
一人で雲を眺めて飲むのもいいが、賢く優れて志のある人と飲むのはもっと楽しい。
僕が喋ってばかりだが、一人暮らしなので皆さん勘弁してくださる。
特に今年は記憶に残る4月だった。
良い報告ばかりすることができた。
その価値をわかってくれる人ばかりだ。

GW明けは、若い人の自殺率が増える。最も増えるのは夏休み明けだ。
さすがに誰でも知っている。
ねずみの糞ほどの日本の休暇に、自分では到底やり切れない宿題を教員は出す。
宿題の「確認テスト」は散々だ。
何が大切かをいつ学ぶのだろうか。

そして、過去30年間で外国人を含む14歳以下の子供の数は約800万人減少した。
8万人でも80万人でもない。約800万人だ。
日本の人口は、二度と増えない。
そんな統計が度々公開されるが、高校生は誰も知らない。
大人が話題にしているのも聞いたことがない。
生徒が減り続ける今になって、企業の目標が「進学率向上」とは笑止。
学校というところで何が大切なのだろうか。

とにかく5月の仕事は始まる。
つらいなあ。楽しかったからなあ。よけいつらい。生徒も同じだ。
僕にとって最も重要なのは、もうすぐすべてが終わるということだ。
忘れずに。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高校教員デビュー宣言 三流入り

2019-05-05 15:49:58 | 中高国語など指導案
カテゴリー別目次 
2019-05-05
高校授業も四年目だ。
だが、去る4月にやっと高校でも三流のはじに指をかけた。

一年目はコテンパンにやられた。
生徒は全員が喋るか寝ているかメシを食っていた。
四クラスすべてが、全員だ。
皆さんに経験してほしい。
面白いのは職場の二十、三十年選手でも一度もそのタイプのクラスを授業しない人もいることだ。
大人にもやられて、二年目にもひびいた。
これは退職後に書く。
三年目の去年は素敵な生徒に助けられ、育ててもらった。
なぜかすべて古典授業を割り当てられた。
今考えると、古典はいつ辞めてもいいヤツに割り当てる方針に思えた。
だが、大成功だった。
職場で最も幸せな一年を過ごしたのは僕だった。

今年は、すべて国語に割り当てられた。
今考えると、いつ辞めてもいいよというヤツで固めている。
つらくてつぶれたら非正規職員を雇う方針としか思えないのだ。
僕は学習能力だけはある。
「四年前のアレと同じ授業になったら辞めるか休むかしますから。学校じゃないんで」
数人の大人に言った。
本気だ。
そして、最善を尽くした。
結果は、最高だった。
ただ予測すれば「今年は誰でもうまくいったよ」と3月に言われる。

どうでもいい。大事なのは、もうすぐすべてが終わるということだ。

最初に、公立非常勤で勤めた年。
最初に、私学に非常勤で勤めた年。
そのとき、僕のしてきた授業の勉強が正しかったのがわかった。
授業で生徒はできるようになり、絶大な信頼を得て、別れは悲しかった。
今年も同じ様になるかもしれない。

今のGW前「高校デビュー。僕も高校3流プロ宣言」というタイトルだけ思いついた。
この4月は、さすがの小心の僕も自信がついた。
高校生相手に、中学生と同じ4月授業を完璧にやりとげた。
中味は、原則どおりのことだけだ。
それを、顔も知らない高校生に授業した。
だが、その毎日、毎時間の気力は、それほど多くの人には真似できないと思う。
空白は秒単位で作らず(いえ、作らないようにして)、完全に全員を参加させた。

書きたいことは多すぎた。
シリーズ物にしようとしたができないままGWが終わる。
もったいないので少し書き残そう。
つまりは、当たり前のことが、どんな生徒にもどこでも必要だということだ。
当たり前のことができる力を、身につけておくことだ。

1 授業クラスが決まり、それが一年間崩壊していたと知ったときの一気メモ
 1 アンケート「広めたい言葉、なくしたい言葉」全クラス。(掲載済み・結果未公表)
   各クラス。集計。ノートに貼る。
 2 国語班四人。約10班。
 3 ファイルは。自由。
 4 のり。俺が10本用意。
 5 コンビ+4人班両方。
 6 なぞり書き4級。一日5語。全クラス共通。
 7 1分音読。指名音読。個別評定。
 8 「時間着席」・「話を聞く」二つだけ
 9 4月は。視写。聴写。音読。なぞりを美しく。原稿使い方。
 10 毎日授業結果を担任報告。
 11 カルタ??? やるか? 
 12 黒板掃除。ゴミ。机。カバン。毎日。(黒板用ぞうきん持つ)(黒板拭いてみせる)
 13 アンケート「どんな授業・クラスでしたか」全クラス。(掲載済み・結果未公表)
 14 (去年のことには一切触れない。言わない。今日からがすべて)
 15 チャイムで着席できないとき減点1。毎回。
 16 教科書コピー、ノート、ボールペン、用意してすぐ貸す。
 17 指名磁石作る(作った。中学生以来)
 18 座席表。A6版。(毎時間1枚使用。一年間全授業分保存)
 (以上。メモしたけどできていないことは除く)

2 いくつかの事前の準備
1 担任じゃない、前年授業してた若手に生徒全員の情報を聞いた。

2 情報を座席表にして眺め続けた。

3 終業式でその二クラスをずっと観察した。

4 クラス替え後の名簿はすばやく手に入れて読み方は若手に教わった。

5 4月の始業式後、廊下で二クラスのHRをこっそり聞き続けた。

6 授業開始の日、朝SHR前に廊下に行った。
  一時間目の始め、廊下に立っていた。生徒とは一切喋らなかった。
  授業者は二人とも、チャイムのあとにノコノコやってきた。
  開始の日の、一時間目にだ。前年荒廃授業だったクラスにだ。
  二時間目の始めも、廊下でうつむいて立っていた。

7 1より前に。
  読み物としては、これがメインです。
  学年が3月半ばに合唱コンをした。
  課題曲と自由曲の二曲ある。無謀すぎる。
  「今からでもやめたほうがいいですよ。合唱なめてますよ。荒れますよ」
  と二つのうち一つの担任には言った。
  案の定、そのクラスはまったく練習しなかった。有りがちな理由でできなかったのだ。
  僕は聴きに行き■組後ろの中央壁沿いに座った。
  あとから、僕の右に担任が座った。
  ■組男子はずっと喋っている。
  ◆組が前に並んで始まる。ピアニストも指揮もいる。
  でも。しかし。◆組はものすごくうまかった。
  公立中学校に行っても優勝にからむほどだった。
  男女とも歌う口も顔も本気だ。
  指揮もめちゃくちゃにかっこよくうまい。
  びっくりして、途中から立って聞いて、爆発的に拍手した。
  担任の女性教諭は優れている。それにしても、何でもできるんだなあ。
  この感激で、黙って見るだけのつもりに火がついた。
  あまりにうまくて生徒たちもびっくりして拍手もすごい。
  でも、■組男子はずっと喋っている。
  うしろから髪の毛をつかんで引き倒してやりたい。
  次のクラスもとてもうまい。
  が、だんだん輪切りの偏差値のように弱くなった。
  この学級編制って、怖いね。可愛そうだね。
  ■組男子は自分の二つくらい前の合唱の途中、黙り始めた。
  その時、突然僕は突然立ち上がった。
  そんな気はまったくなかったが、今何かするしかないと思ったのだ。
  知る大人にはわかるが、僕は度々そんなふうだった。
  歌うクラスの入れ替わりのとき、僕はギューギューの椅子席の間に無理やり入った。
  そして、■組男子5人かける5人位を、僕にできる最も恐ろしい顔でにらんだ。
  それは、すごく怖い。しかも本当に火がついている。
  「こらっ。お前ら。聞け。」
  彼らは僕が教員かどうかさえ知らないほど接点がない。ポカンとしている。
  「お前らがべちゃべちゃ喋ってるときな。
   引っ張り出してぶん殴ろうとしたんだっ。
   ふざけんなっ。
   でもな。今の曲の聞き方は100点だっ。100点ですよっ。
   練習しなかったんだろ? 不安で喋ってんだろ。わかるよっ(怖い顔キープ)
   でもな、一生懸命やりゃいいんだよ。
   今の聞き方みたいにしっかり立っていればいいんだよ。
   わかったかっ」
  男子は答えもできず、ボーッとしている。
  僕が席に戻ると、間違いかもしれないが担任がメガネをずらして目をこすっている。
  しばらくして、ありがとね、と彼は言った。
  僕は、いえ、とだけ言った。息が上がっていたからだ。
  ■組は伴奏もいない。CDで歌うのだ。なんと担任が歌詞の紙を壇上で配り始める。
  指揮もいなかったらしく、急に担任が振り始めた。
  ものすごく大きく、でも四拍子なのに三拍子で三角に振っている。
  女子が何人も笑ってしまう。でも、とてもかわいらしい素敵な笑い方だ。
  一人が四拍子で小さく振って見せて直そうとするが、担任は変わらない。
  彼はきっと急に振ることにしたのだ。
  決まっていたらせめて四拍子の練習くらいしただろう。
  突然、何とかしようと思ったのだ。
  さっき僕が爆発するのを見たせいかもしれないと思った。
  わからない。
  できないとわかっていて、担任は二曲とにかく腕をブンブン振り続けた。
  男子はほとんど歌えず、女子も蚊の鳴くような声で、でも真っすぐ立っていた。
  みんな担任を好きなのがよくわかった。
  次の▲組は離れた席で最後までずっと喋っていた。
  ▲組もCDで、下手な指揮で、ほとんど声が聞こえないまま二曲のあいだ立っていた。
  職員室にもどったあと、担任が僕に言った。
  「俺にできないことしてくれて。やつら相当ビビってたけど、良かった。ありがとね。
   次、授業持ったらええやん」
  「持つんですよ。だから、わざと行ったんです」
  「あ、そうか」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする