樹木の上に顔を見せている野上下郷石塔婆
名 称:野上下郷石塔婆(のがみしもごういしとうば)
別 称:-
種 別:板石塔婆
形 状:緑泥片岩 高さ1丈6尺7寸(約5m)、幅3尺3寸2分(約1.2m)、約厚さ4寸(13cm)
造立年:応安2年(1369)
指 定:国指定史跡(名称:野上下郷石塔婆 昭和3年〔1928〕2月7日指定)
所在地:埼玉県秩父郡長瀞町野上下郷
『野上下郷石塔婆』は、仲山城主阿仁和直家が落城の際討死し、13回忌の応安2年(1369)10月に、
夫人の芳野御前(妙円尼)が追善供養のために建立したもので「天道大日如来碑」とも称されます。
現存する青石塔婆の中では日本一の高さ(5.35m)を誇り、昭和3年に国指定史跡となっています。
野上下郷石塔婆は、元は現在地から50mあまり南の荒川沿いにありましたが、明治25年(1892)の
県道(現在の国道140号)拡幅の際に現在地に移設されたものです。
隣に人でも立てば大きさがよくわかるかもしれませんが、比較するものがない状態でも大きいと
わかります。
『史蹟 野上下郷石塔婆』石碑と「国指定史跡 野上下郷石塔婆」説明板
石碑の側面には 【名勝天然記念物保存法二依リ
昭和三年二月 内務大臣指定】 とあります
現在の国指定は文部科学大臣ですから時代を感じます
「国指定史跡野上下郷石塔婆」説明板
野上下郷石塔婆を単体で撮影
石材は緑泥片岩で、表面上部には釈迦如来が刻され、次に梵字で
願以此功徳
普及於一切
我等与衆生
皆共成仏
の光明真言の偈が4行にわたって刻まれています
下部には応安二年己酉十月日の年時が記されています(↓)
権小僧都大檀那道観
比丘尼妙円 行阿
応安二年酉己十月 日 敬白
正家
正吉
結衆 三十五人
道観
散策日:令和3年(2021)5月28日(金)