とだ*やすこの「いまここ@島本」

暮らしの豊かさ最優先!
ひとが主役のまちづくり!

大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

お姫さま、あるいは王子さまと王子さまの結婚

2017年08月05日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
昨日、議会活動報告「いまここ*島本」25号の原稿を校了、入稿しました。レイアウトはサポートをお願いしていますが、編集、執筆、校正をすべて一人で行う地道で孤独な作業です。

限られた紙面でなにを伝え、なにを主張するのか、毎回、悩みに悩みます。正確さと読みやすさと、町政について考えていただける余韻を重視しています。

ほっとしたせいか、今日の日中は自宅で静養。オンデマンド視聴で映画『イブ・サンローラン』(2010年仏)を観ました。ビジネスパートナーで50年来の恋人(!)であったピエールベルジュの回想を軸にしたドキュメンタリー)。

巴里オートクチュール界、モードの帝王の素顔を知りました。サンローランはゲイでした。サンローランの表現する世界は性を超えたもの、女性をただ綺麗にみせるのではなく、着るひとの自信と誇りと自由をサポートしたといいます。

男性の正装であったタキシードが女性の「パンツ・ルック」となったのは1960年代の巴里。イブ・サンローランが1967年に発表したスタイルは「シティ・パンツ」と呼ばれ、女性が公の場でパンツを着用できるきっかけとなったそうです。

奇しくも、わたしは、前日4日の午後に人権講座「性の多様性と学校教育」(主催:島本町人権教育研究協議会・島本町地域人権協会)に参加、性のあり様について考えました。

これまで他市の開催する講演会に努めて参加してきましたが、ようやく島本町内で、島本町の方といっしょに学ぶことができました。講師は眞野豊先生(九州大学大学院比較社会文化研究)。

眞野豊先生は、公立学校でゲイであることを隠すことなく6年間教壇に立ち、自分が子どものころ決して出会わなかった当事者の教師として、教育の現場で生徒に向きあった経験をもっておられます。

~ 大人が多様性を受容していない社会(学校)で、子どもたちが自然体で生きることがてきるのか ~

差別、偏見がどのように人の生き方を制約し、苦しめ続けるのか。差別、偏見は社会的障壁から生まれるものであって、本人のあり方そのものの問題ではない。人権という言葉が深く心に突き刺さりました。


素晴らしい研究者の素晴らしい講演でした。今回は教師の参加が主でしたが、継続して、教師、保護者、地域で学んでいきたいテーマです。もっと生きやすい社会、だれもが、もう少し自然体でいられる学校を!


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『王さまと王さま』
絵と文:リンダ・ハーン/スターン・ナイランド
訳:アンドレア・ゲルマー/眞野豊

オランダ生まれのLBGT絵本
英語、ドイツ語など9言語に訳され
世界で読まれているそうです
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『となりのイスラム』内藤正典教授

2017年06月22日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
お勧め講演会のお知らせ

「となりのイスラム」 
~世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代~
6月24日(土)13:30~16:00

高槻現代劇場(旧館3階)305号室

講師:内藤正典さん(同志社大学大学院 グローバル・ステディーズ研究科教授)

資料代:999円
主催:不連続講座・リゾナンス


かつて、わたしはNHKスペシャル「イスラム潮流」(1999年だったと記憶)を観て、21世紀はイスラーム理解を避けて通れない、と確信しました。
 
20代後半、30代後半のわたしは、「オスマン帝国の歴史」「現在のトルコ共和国」「トルコの人々」に直接的な視点を注ぐことで、日本人は多くのことに気づくことができる、と考えていました。

トルコ、イスラームに関する日本人の知識や印象は、おおむね、明治以降に大急ぎで取り入れた「西欧の価値観」を通して培われたものだといわれています。実際、そう思います。

20代後半、職業を通じてトルコとトルコ人を関わりをもって過ごし、30代、21世紀はイスラーム理解を避けて通れないと気づき、以降、「情報の空白を埋める」草の根の異文化交流活動をしたいと思って過ごしていました。
 
もう、すいぶん昔のことです。今では、在日トルコ人留学生との交流もすっかり途絶えてしまい、知識も熱意も忘れてしまい、目まぐるしく変化する社会情勢にまったくついていけません。

近年、一度、内藤先生の講演をお聴きしましたが、とてもわかりやすく、重要なメッセージがたくさんありました。超多忙な内藤先生の高槻市での講演です。

ひとりでも多くの方に参加していただき、イスラム理解の扉を開けていただきたいと思います。この貴重な機会を逃すことなく、ぜひご参加ください。
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パブコメ!男女共同参画にLGBTの記述を

2017年02月03日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
「しまもとスマイルプラン~第2期島本町男女共同参画社会をめざす計画~改定版(素案)」に寄せた意見。5年前のパブリックコメントでJGBTに関する記述を求めていました。

前回5年前に行われた「男女共同参画に関する児童・生徒意識調査結果」7)回答者の性別では、不明・無回答とした小学5年生が8人(3.0%)、中学2年生が14人(5.7%)。声なき声に耳を傾け、同計画が、本来、性に関わる人権問題であることが伝わるようにしなければなりません。

今回の計画案に、LGBTの用語解説が加えられたことは評価します。けれども「男女共同参画促進のための啓発の促進」(具体的施策)の取り組みにおいて「多様な性自認のあり方に留意する」と書かれているので、これはLGBT理解、当事者支援の立場からすれば不充分、不適切です。

男女共同参画が一人ひとりのためのものであり、共生社会をめざすものであるように、L・G・B・T、一人ひとりの生き方を尊重する共生社会こそが、この計画の目的です。「性的少数者など多様な価値観を持つ人々への理解が促進されるよう取り組みを行う必要がある」と明確に記述しておく必要があります。

また「多様な性自認のあり方」の説明に性自認(自分がどのような性であるかの認識)のことしか書かれていなかったため、性的指向、すなわち、レズビアン、ゲイ、さらにはバイセクシュアルについての記述も必要であると意見しました。

「性自認において生物学的な性と心の性に違和感を覚える状態を『性同一性障害』という。」という表現も的確ではないと思います。本来は医学的な用語であって、医師により診断された方に医学的に使用するものです。

性自認について違和感を覚える状態を「障害」とするのも誤り、誤解を招く表現ではないでしょうか。LGBTは人権問題として取り組んでいかなければならない社会的重要課題。深く掘り下げて、より正確で、配慮が行き届いた記述に改善されるよう求めました。

自治体において、人の配置も予算の配分も、計画がないところにはできません。だから、計画はとても大事です。町営住宅にゲイやレズビアンのカップルが入居できる、など基礎自治体にできること、やらなくてはならないことがあります。


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「制服助」
ユーモア造形作家・江口宏さん
華麗なる福助シリーズ
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パブコメ!男女共同参画社会をめざす計画

2017年02月01日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
「しまもとスマイルプラン~第2期島本町男女共同参画社会をめざす計画~改定版(素案)」に、次のような内容の意見を寄せました。睡魔と闘いながら、締切直前にならないと取り組めない現実と向きあいました。


■男女共同参画の推進が世界や国の動きに密接に関係していることが書かれていますが、さらに、男女共同参画の推進が、国際的協調のもとに行われる必要があることも明記していただきたい、と述べました。

具体的には「計画の推進にあたっては、男女共同参画に関する国際社会の動きも把握しながら、取組みを進めてまいります。」などです。

■『男女共同参画白書』(最新版)より、ジェンダー不平等指数・ジェンダーギャップ指数を紹介、記載してください。日本の国際的な位置づけが理解でき、取り組みの重要性がわかると思います。

国際規範の尊重と国際社会の「平等・平和」への貢献、女性の参政権の歴史などついても記述しておく必要があります。


■女性交流室に、啓発拠点としての機能が発揮できるよう専任の専門職員の配置が必要です。週に2回でもよいので配置し、予算をつけて学習会、交流会の企画を継続して行っていく必要があります。

女性の貧困、子どもの貧困、非正規雇用の問題、シングルマザー、重い課題が山積しています。男女問わず、長時間労働で心身のバランスを壊す若者が後を絶たない。

引きこもりの息子に悩む女性、母との間に深刻な問題を抱えていながら気づかずに苦しんでいる女性少なくない。これらは可視化されていないだけで、適切な取り組みがあれば、必ず解決の糸口に辿りつけると考えます。


■安倍内閣のもと、第4次男女共同参画基本計画は、輝く女性、経済成長という目的を色濃くしているといえます。経済活力という視座から推進しすぎると、貢献できない者はあたかも価値がないような風潮を生んでしまうと危惧します。

目的がひとりひとりの生きやすさをめざす男女共同参画から、経済の活力にすり替えられていないか、注意深くみていかなければならないと感じています。島本町の計画が、国や府の計画に倣って、輝く女性、経済成長という目的を色濃くいていかないよう求めました。

■第2期島本町男女共同参画社会をめざす計画は説明会を開催することなく策定されました。パブリックコメントに先がけて計画素案の説明会を行うことは、計画趣旨への理解を促し、啓発の絶好の機会です。

小さな規模でタウンミーティング的に行うことで、この問題に関心のある人の輪ができたり、行政が身近に感じられたりすると思います。今後の課題にして欲しいと意見し、女性交流室の活用についての再検討を求めました。(つづく)


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第102回 近畿市民派議員交流・学習会in伊丹市

増え続けるアスベスト被害
~過去・現状・これからの課題~

オランダ人の働き方、生き方と子育て事情

生活困窮者自立支援事業について

すべて、とても勉強になりました
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男女共同参画、パブコメ募集中!

2017年01月27日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
「しまもとスマイルプラン~第2期島本町男女共同参画社会をめざす計画~」改定版(素案)
パブリックコメントを募集
1月1日(日曜日)から1月31日(火曜日)
(郵送の場合は1月31日必着)

平成24年に策定された「しまもとスマイルプラン」が中間年度を迎え、社会情勢の変化や「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の制定などを踏まえて、計画の見直しを行います。

パブリックコメント(略してパブコメ)とは、町が基本的な施策等の策定をする際、その趣旨、目的、内容その他必要な事項を住民に公表し、これについて行なう意見公募。提出された市民意見を意思決定に反映させようとするものです。

「貴重なご意見として承ります」「今後の参考にさせていただきます」などのコメントも多く、提出された意見がすべて反映されるわけではありませんが、市民が意見を公式に届けることができる貴重かつ重要な制度です。

性別に関わりなく一人ひとりの個性を尊重し、一人ひとりが自らの能力を十分に発揮できる社会。誰もがもっと生きやすい社会をめざしたい!みなさんのご意見をぜひお寄せください。


詳細は島本町HPをご覧ください
「しまもとスマイルプラン~第2期島本町男女共同参画社会をめざす計画~」改定版(素案)(PDF:2MB)


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ユーモア造形作家・江口宏さん
三字語シリーズ
阪急水無瀬駅前・長谷川書店内に展示

「意図的」「一貫性」
笑えたり、笑えなかったり
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文部科学省、学習指導要領の改訂パブコメ

2016年10月07日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
文部科学省は、学習指導要領の改訂にあたり、本日、10月7日(金)までパブリックコメントの募集をしています。提出方法はメール、郵送、FAXなど。どなたでも意見を届けることができます。

わたしは、今回、家族のあり方や性教育、社会制度なかに性的少数者が抱える現状と課題の視点からの記述を求める意見を提出しました。

教科書には「思春期になるとだれもが遅かれ早かれ異性に惹かれる」(現行の小学校学習指導要領解説書)と表現がされているそうで、多様な性のあり方を踏まえていないカリキュラムになっているとの指摘があります。

LGBTなどの多様な性のあり方と教育現場をめぐる課題(子どもたちの孤立、いじめ、自殺の防止)について、正しく、好意的な関心をもつことが、今、とても大事です。

パブリックコメントの募集について、詳細はこちらから ※募集要項をクリック

以下、今朝、提出したわたしのコメントを参考までにご紹介します。急いで書きましたので教科書への記述ということを書かずに出してしまいましたが、意図は伝わると思います。

「もっと生きやすい社会」への実現を目指して、できることをできることから継続して取り組みます。ギリギリのお知らせになってしまいましたが、みなさんもどうぞ意見をお寄せください。もちろんテーマは問いません。

■次期学習指導要領等に向けた審議のまとめへの意見

家族のあり方や性教育、社会制度なかに性的少数者が抱える現状と課題の視点からの記述を求めます。

小中学校、あるいは高等学校において、その発達にふさわしい性的少数者への理解を正しく深める表現が必要です。想像以上に多くの子どもたちが、本来の自分の力を発揮できずに学校生活を送っていることを知りました。いじめ、自殺などの事件のなかに、この問題が隠れていると確信しています。

出自や国籍、民族的差別など他の多くの差別と異なり、性的少数者は多く親や家族の理解が得難いという特徴があります。どこにも居場所がありません。当事者の多くがはじめに友人に相談、告白したとおっしゃっています。

つまり、児童、生徒の理解度による受け止め方が、その子の人生を大きく左右することになるともいえます。よって、家族のあり方や性教育、社会制度なかに性的少数者が抱える現状と課題の視点からの記述を求めます。伏してお願いいたします。


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10月のMINASE MARKET PLACEにて
益子焼の蓋物を衝動買いしました
みているだけでワクワク和みます

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長岡京市女性支援センター、「LGBT」再発見!

2016年10月05日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
昨日4日、長岡京市女性支援センター「みんなの元気UP講座」に参加しました。テーマは「『LGBT』再発見!~多様な性を知って、あるがままの自分を認める~」で、佐倉智美さんのお話をお聴きしました。

人を男女で分断してそれぞれの役割規範を強いる社会が、いかに多くの人の生きやすさを阻害しているか、理解が深まりました。恋愛の対象は異性であるべきと決めつけることも、実態とは違っていることなのだと気づかされました。

身体のあり様と内面的に自らが望むあり様が異なっていることで生まれる、さまざまな障害。その人に障害があるのではなく、その人が生きていくうえで社会にさまざまな障害がある、それをして障害者と呼んでいるということが、いまさらながら理解できました。

的を射たたとえ話ではありませんが、わたしは幼い頃、親からよく「男に生まれたらよかったのに」と言われていた記憶があります。翻せば、女・子どもは黙っていればよいという環境のなか、女であってしかも子どもであった自分が、いかに生きづらさを抱えて生きていたか。

このことに気づくことができたのは「外国」との出会いでした。うまく身に着けたつもりの「女さしさ」は、20代後半、たびたび訪れたトルコ共和国では意味をなさないものでした。

国民の大多数がイスラム教徒であるトルコ共和国で、老いも若きも女性は毅然とした印象、一方、微笑む術を身に着けただけの「空っぽ」の自分を自覚しました。良くも悪くも性差は社会的文化的につくられたものです。

30代、香港で暮らすようになって日本的規範性から解放され、日本人のお友だちと標準語で話すことさえ居心地がよくすべてが新鮮でした。ところが帰国して「関西弁でないと表現できない自分」があったことに気づき、たいそう驚きました。

決して不幸ではない。むしろ充実している。なのにいつもなにかを演じているような感じ、どこにいても居場所がないような、混沌。

トランスジェンダーの内面の苦悩、社会的苦労とは比べ物にならないとは思いつつ、わたしの経験した混沌と彼ら彼女らのそれは「質的」には同じなのかもしれない、と思うことがあります。

実は、随分前にテレビ番組の「恋愛相談(?)」のような特集で、カバちゃんやIKKOさんが、女性の深層心理を深く理解するコメントをされていて、たいへん感動したことがあります。その奥にあったであろう苦悩を想い、お二人の人としての凄さに涙しました。

「いろいろな人がいることが普通」。「想定外をできるだけなくしていく、それが人権尊重の基本となる方針」。「多数派基準による普通を構成しない社会」で、ありのままの自分でいられる人、ありのままを認め合える関係が増えていけば、誰もがもっと生きやすくなる、と「みんなの元気UP講座」でひとつ理解が深まりました。

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クレオ大阪廃止にパブコメを

2012年05月29日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
大阪市は、クレオ大阪を5館とも廃止するという方向性を示しています。男女共同参画社会の実現をめざす活動の拠点として、平成5年から市内5ヶ所で事業が開始された男女共同参画センターは、平成18年4月に指定管理者制度が導入され、平成21年度に2期目の指定管理者を選定しています(HPで調査)。

主な事業は、情報提供、セミナー・イベント開催、普及啓発、女性総合相談。橋下市長、大阪市の見直しの考え方は、女性問題等に関する相談への対応や情報提供等は、地域により身近な場所で行うことが効果的で、5館とも廃止して効率化を図るというものです。現在行っている相談事業、情報提供事業及び啓発事業は、より区民に身近な区役所・区民センター等で行うとしています。大阪府の類似施設との役割分担について、府市統合本部で議論しているからです。

過日、DVシェルターを運営しておられる方から直接、さまざまな事例についての現状をヒアリングする機会があり、多くの女性が国籍、年齢を問わず想像以上に複雑で厳しい環境におかれ、その多くが表面化していないことを思い知りました。身近な相談窓口とそこで対応する職員の人権意識は当然のこと。しかし最寄りの地域での相談は、当事者の心のハードルが高いのみならず、予想もしなかった結果を生み、さらなる困難に突入する例は少なくありません。

DV、児童虐待、離婚、貧困、生活保護、過労、心身の健康状態の喪失、どれも、みな複雑に絡み合っています。最重要課題である、守秘義務の徹底とスピード感、専門性の確保、横のゆながりを区役所、区民センターで確保することはできません。配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たし、警察等関係機関と迅速な対応ができるのは、府内数か所に限られています。

今日は終日自宅にこもり、町政についての住民アンケート回答の自由意見に目を通し、滞っていた調査と事務処理に着手、クレオ大阪廃止に反対するパブリックコメントを提出しました。情報公開異議申し立て、弁明書に対する反論の意見陳述(5分)の内容も検討中。公共施設の維持管理に必要な文書管理の重要課題なので、平野議員や学識経験者、住民アドバイザーとの意見交換を重ねて、向きあいます。

なお、大阪市の「市政改革プラン(素案)-新しい住民自治の実現に向けて-」の策定及びパブリックコメント募集は、今日が締め切り(30日午前0時まで)です。お知らせするのが遅すぎましたが、みなさんもどうかお声をお寄せください。

以下、提出したパブリックコメント******************

クレオ大阪5館廃止に反対します。

女性問題等に関する相談への対応や情報提供等は、地域により身近な場所で行うことが効果的という考えは実態に即していません。相談事業はより区民に身近な区役所・区民センター等で行うとしていますが、身近な箇所での相談は、当事者の心のハードルが高いのみならず、予想もしなかった結果を生み、さらなる困難に突入する例は少なくありません。

DV、児童虐待、離婚、貧困、生活保護、過労、心身の健康状態の喪失、どれも、みな複雑に絡み合っています。多くの女性が国籍、年齢を問わず想像以上に複雑で厳しい環境におかれ、その多くが表面化していません。

最重要課題である、守秘義務の徹底とスピード感、専門性の確保を区役所、区民センターで確保することは困難です。配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たし、警察等関係機関と迅速な対応ができるのは、府内数か所に限られています。必要なのは、効率化ではなく、きめ細やかなネットワーク化と人材育成です。
以上


画像は、第6回とだ*やすこのまなびとひろば(平成23年11月)
声なき声をまちづくりに活かす暮らしの政治塾
女性と若者の活躍が街を元気にします
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「わがことと思う心」の人権啓発

2011年01月16日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
ブログにコメントをいただいていながら、管理の方法を知らないためにその存在にさえ気づかず、対応、お返事が遅くなっていました。遅ればせながら、過日、担当課と話し合う機会をもち、ご指摘の点については既に表現が改められていることがわかりました。お知らせしたいと思います。

「島本町人権啓発推進協議会」のリーフレット「つなげよう、人の優しさ、思いやり」に記されている☆ねらい☆のなかの「差別される人のいない町」は誰にとっても「住みやすい町」という記述に、理解できかねるという趣旨のコメントを、昨年の7月に当ブログにいただきました。

差別意識が社会悪になるときは、差別する人の意識の問題があって、その対象が不当に傷つけられることであり、啓発はそれを気付かせて改善するためのものだと思う、とご指摘くださいました。同じ趣旨のご意見が町長のホームページに匿名で寄せられていたことから、当該リーフレットの発行者である島本町人権啓発推進協議会のなかの編集委員会において、案件のひとつとしてすみやかに協議されたとのことでした。

会議録等は入手できませんでしたが、町職員の説明によると、ご指摘のような内容のものと意図しての表現ではないが、そのように受け止められる方がおられるということは、会としては好ましくないことなので修正しようということになり、では、どのような表現がより誤解が少ない表現となり得るか、議論されたそうです。

その結果「差別のない社会」という表現に改めることとし、残部があったが、古いものは処分して、新たに印刷したものを配布するよう、すみやかに手配されたとのことでした。
島本町人権啓発推進協議会の合言葉は「わがことと思う心が差別をなくす」とされています。

ご指摘いただいたことが反映されたことは、町の啓発事業の新たな一歩になったと思います。コメントを投稿していただいた方の目に留まるかどうかわかりかねますが、戸田が知りえた範囲内の情報をここにご報告させていただき、お礼に代えさせていただきます。

今日は朝から、防災ボランティア訓練でした。この冬一番の寒さで、指先が凍りそうでした。まちづくりの基本は「防災」といわれています。関係者のみなさんの日々の取り組みに心より感謝します。午後はふれあいセンターで交流会、夕方は高槻現代劇場でNPO関連の講演会です。寒さと眠気に負けそうですが、頑張ります。


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都忘れの菊
後鳥羽上皇、順徳上皇ゆかりの白い菊
役場の自治防災課・文化情報コーナーにて秋に撮影
差別問題を考えるとき、対極には「天皇制」があります

いかにして契りおきけむ白菊を都忘れと名づくるも憂し 順徳上皇
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「べてるの家」の当事者研究

2010年04月01日 | もっと生きやすい社会は可能だ!
3月6日ぴあ・ネット主催の講演会「地域で共にくらす べてるの家から吹く風」で、向谷地好生良さんの講演を聴きました。ぴあ・ネットは、女性やマイノリティな人権問題など、当事者とつながる活動をしておられるグループです。

この講演を通じて、わたしは「べてるの家」のことが少し理解でき、なにより「当事者研究」という言葉をはじめて知りました。そして「生きる」ことの当事者である「人」にとって、「障害をもつ、もたない」の境界線は限りなく太く広く、根源的には変わりのない課題を抱えてるいう感覚がもてる、その「入り口」に立てたような気がしました。

もちろん、現実は厳しく「意識のバリアフリー」はそう簡単に築けるものではありません。障害をもつ人と、そうでないと思われている人がともに暮らしているという点では実は島本町も同じです。子をもつひとりの母親として、保育所、小中学校を通じて普通学級に席を置いてみんなとともに学ぶ、欧米で「チャレンジド」と呼ばれる子どもたちの姿に触れてきました。

けれども「べてるの家」の「ノリ」は少し違っていました。たとえば「過疎の町でなんにもない。けれども病気があれば生きてゆける・・・」「治りませんように・・・おかげさまで病気です」という表現。そこに底なしの明るさを感じます。「安心してサボれる職場づくり」「昇る人生から降りる人生へ」「弱さの情報公開」「自分でつけよう自分の病名」「弱さを絆に」「手を動かすより口を動かせ」など、深く含蓄に富んだ「理念」が示されています。で「今日も順調に問題だらけ!」。

精神障害を体験された回復者数名が、浦河という北海道の小さな町の教会の片隅で「昆布の袋詰めの下請け作業を始められたのが1983年。「これは福祉ではなくビジネスである」という立ち位置ではじめられたそうです。「社会的な支援体制の貧しさや地域経済の弱体化が、精神障害を抱えながら生きようとする当事者自身の生きづらさと重なり合って生まれた起業精神」という表現が講演会資料にありました。

「○○さん、金欲しくないかい!」「欲しい!」といった当事者がお風呂に入りはじめたと向谷地さんはおっしゃいました。コロンボテクニック」と名づけ、質問を通して相手に考えさせる手法も紹介されましたが、これが実に興味深い、慈悲深い内容でした。

ケアマネージャー「効き目はありますかね。副作用は?」当事者「最悪です」ケアマネ「おぉ、ちゃんと現状を受け止めているね、素晴らしいです!いっしょに研究してみませんか?!」自分にとって忌まわしい経験が社会的に意義があるということに気づいてゆく・・・多くの人がこの気づきによって再生できる。

ケアマネ「あなたの今おしゃったことは、たいへん参考になりました。これは役に立ちます!ありがとう」自分自身の存在が家族や周囲の人びとに迷惑で害のある存在であると考えがちな当事者が、常に保護され管理される対象であったことから解き放たれる瞬間です。

「べてるの家」のある浦河に引越して来て、ここで暮らしておられる方も少なくないといいます。自分が「自分の苦労の主人公」になることで、研究的な関心、客観的な関心を自分に向け、自分が自分の支援者になることが自立(=仲間と補い合って)への一歩です。

精神的な障害を抱えてしまった人にとって、「自己管理」という「病の基本中の基本」に到達することの意味は大きく、感動的です。精神医療の分野において欠落していた部分であり、浦河の取り組みは世界的に注目されつつあると聴きました。凄いことだと思います。

薬の内容も病名も知らされず、家族や医師(ときに=薬)に任されて「管理されていた」当事者が、「自分に起きていることを認知」して「仲間とともに起こっていることを研究」する。体調管理、気分管理、考え方の癖などが理解できれば、自己管理しながら「少しは楽に」暮らしていけます。特に精神疾患の場合、既に手につけている「職」が本人を支えます。

「地域密着=ともに寂びれる」という宿命を負った北海道の僻地において、自分たちの取り組みが町に活力をもたらすものとなるかを考えて起業されたそうです。障害を抱えた人が、ひとりひとり自立の道を模索しながら、決して事業を大きくし過ぎないでやっていく。その「ひとり起業」を支援してゆくのが「べてるの家」だそうです。

地域の課題は地域にあり解決の道も地域にころがっている。「天地人」がそろって「必然」が起こります。浦河で起こっていることが他の地域で起こるとは限りませんが、生きづらさを抱える人が「べてるの家」を知ることによって再生できる可能性は感じます。当事者、家族、医療介護従事者の見学研修を受けておられるそうです。

身近な人が当事者になり、自分がどうやって手を差し伸べてよいものか悩む人の声を聴きます。絡まりあった糸がほどけないと当事者をますます追い詰めてしまうことにもなり、みんながそれぞれの生きづらさを背負い、不幸の主人公だらけになってしまう。

「べてる」の関連本はたくさん出版されています。一度ふれてみてください。ヒントがみつかるかもしれません。わたしは、講演会で手にした、実践的非援助論「技法以前~べてるの家のつくりかた」という本を読みます。奇跡のリンゴ・木村秋則さんのお話も収録されているそうです。

画像は春の比叡山(3月14日撮影)
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