徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

熱環境建築家

2015-02-16 08:59:35 | 建築つれづれ…
 先週山形市で開催されたエコ住宅シンポジウム「省エネ性能で勝つ家づくり」に参加してきた。最大の目的は、基調講演をされる松尾和也氏。彼の講演を聴きたくてこのシンポジウムに参加したといっても過言ではない。

 

 彼は熱環境に秀でている建築家。建築家としての活動の他に建築専門誌にも数多くの執筆を行っている。その執筆記事を恥ずかしながら多数読ませてもらっていた。

 彼が山形に来ることなんてめったにないと思い、勉強の為とできたらお近づきになりたいと考えた。

 

 講演が始まると、年間数十本いや百本を超える講演をこなしているのだろう、手馴れていて語り口も巧妙である。話してる内容は読んでいた彼の執筆記事の内容と同じだが、生の声で聴くと新鮮味もあるし、ウィットに富んだ話も織り交ぜて見る見るうちに彼の世界に入り込んだ。

 住宅の断熱性能は既に客観的な数値で示すことが可能になっている。その断熱性能数値を上げた設計でなければ、いくら冷暖房性能を上げても無駄にエネルギーを消費しているだけ。断熱性能を上げることが住宅の性能を上げ省エネにつながり、そのためにはまず窓の性能を上げること。これが彼の持論。

 

 読めば読むほど、聴けば聴くほど彼の理論に共感をし、私も実践してみようという意欲が沸いてくる。

 基調講演とパネルディスカッションとの間に休憩時間があった。チャンスと思い松尾氏に挨拶に行く。名刺交換をさせてもらい、自己紹介を済ませ彼に質問を投げかけてみた。

 今私がある住宅で挑戦しようとしてる内容を、彼はいち早く実践していたのだ。それについて簡単なアドバイスをもらった。

 自分が考えていたこととやろうとしていたことが、彼からのアドバイスで自信から確信に変わった。方向性は間違っていない。数年前、ある庁舎建築でチャレンジしたこのシステム。それを今、住宅でも行っていこうと決心した。

 基調講演後のパネルディスカッションで、最後に登壇した建築家は私の同士。我々にとっては当たり前のことを話していたが、住宅建築の世界では今まで結構なおざりになっていたことだ。彼とも切磋琢磨しながら、お互いに階段を一段一段昇りたいと思っている。

 話は戻って松尾和也氏。大変勉強になった講演だったし刺激をもらった。彼は私よりも全然若いが、理論、姿勢は見習うべきものがたくさんある。また彼が講演やセミナーに来れば是非駆けつけたい…。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仕切り直しでスタートラインに立つ

2015-02-12 08:35:10 | 建築つれづれ…
 年末から年始にかけて金額調整が上手く行かず停滞状態だったあるプロジェクト。私の査定金額に手が届きそうなところまではきたのだが、ここからの後一歩が中々下がらなかった。

 先日再見積が提出された。出てきた金額は査定金額よりいくらか安い金額。その金額を見た瞬間、私は胸をなでおろした。これならいける…。

 

 クライアントと打合せを持ったのはその次の日。

 見積金額を見せると、クライアントの表情が緩んだ。私の査定金額=クライアントの希望金額だった為一発回答だった。

 スケジュールは1ヶ月遅れとなったが、やっとスタートラインに立つことができる。これで施工業者が内定し、後は正式に契約を交わすだけとなった。

 数度となく交渉を重ねた結果、シナリオ通りとは行かなかったものの、手を変え品を変えようやくここまでたどり着いた。雪はまだ残っているが、私の心の中は春到来である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久しぶりの給食

2015-02-09 08:48:46 | PTA・地域活動
 先日、息子KのPTA活動で中学校に足を運んだ。肩書きは「地域代表」。何をする役職かといえば、地域と学校のパイプ役なのです。この日は学校評議員会が開催され、PTA三役と地域代表も声がかかった。

 娘、息子がお世話になった小学校の元校長先生も学校評議員として出席。久しぶりの再会に挨拶すると自ずと笑顔となる私。

 お昼前からの会議で、最初に生徒たちの授業の様子を見て回る。息子もそうだが、息子の同級生たちもみんな大きくなったものだ…。

 授業を見学した後は、会議に出席した方々と給食を一緒に食べる。この日は、節分ということもあって豆がついていた。ご飯にけんちん汁、いわしの梅煮にきんぴらごぼう。我々が子供の頃に食べた給食と比べると、上品な感じは受けたが圧倒的に量が少ないなという印象。

 

 この量なら、息子が家に帰ってくるなり「腹減った」というのも頷ける。上品な感じに映ったのは食器が昔と違ってカラフルになったからだろうか。学校評議員の方々も「これじゃ、食べ盛りの子供たちには量も少ないし、品数も足りないんじゃないか」との意見が圧倒的だった。

 ご飯と味噌汁以外に2品。ちょっと少ないよね…。私自身は節分の豆以外、牛乳も含め完食した久しぶりの給食。

 盛り付けの量も上品だし味付けも薄味。思春期の子供たちには、もっとガッツリ栄養を摂ってほしいなと思った今どきの給食であった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

刺激を分かち合った日-3

2015-02-06 08:45:54 | 建築つれづれ…
 山形遠征の〆は、同士の建築家と情報交換&近況報告を兼ねた懇親会。そこに一人の女性が登場…。

 話を聞けば、独立を考えている同業者だと言う。同士の建築家からは、私の経験談を話して背中を押して欲しいとのことだった。私の話でよければと一緒に卓を囲むのであった。

 

 同士との建築談義もままならず、彼女の背中を押すために私の歩んできた起業の道を語り始める。彼女の隣でニヤニヤと相槌と合いの手を入れる同士。

 美味しい地元の酒の勢いもあって、背中をグイグイ押す私と同士。その勢いに圧倒されている女流建築家の卵。

 しかし、彼女も圧倒されっぱなしではなかった。ダウン寸前のボクサーのようにフラフラになりながらも、ファイティングポーズを取り続ける彼女に芽はあると判断するレフリー2人。

 店を替えて第2ラウンドが始まったが、シンデレラは靴を忘れることなく帰って行った。彼女に独立という王子様が現れることを祈って同士とまた語り始めた。

 楽しい一日だった。兎角、我々建築家は横のつながりが希薄である。こんな刺激を分かち合えるのなら、度々山形に来ることにしよう。この楽しさ、刺激に比べたら、つらい月山越えも苦になる訳がない。お互いに内陸と庄内を行き来することを誓った夜だった。

 そして次回彼女に会うときは、孵化した彼女に会えるはずだと確信しながら山形を後にした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

刺激を分かち合った日-2

2015-02-04 08:37:25 | 建築つれづれ…
 コロンコーポの次は、案内役の建築家が設計した住宅を見学。先ほど見学したコロンコーポと目と鼻の先。雁木の創り込みが特徴的な和モダンの住宅である。

 

 家の中に入るとほんのり暖かい。暖房方式を問うと、今現在私が計画している暖房システムと全く同じ。参考にこの暖房システムを根掘り葉掘り質問攻め。この暖房システムを考慮するに当たってのディテール等々も見せて頂きヒントを得た。

 我々を迎えてくれたのは、施主のお父さんお母さん。このお父さんお母さんが、私の隣にいる建築家と笑顔を絶やさず楽しそうに話してる姿には、建築家への信頼度が伝わってくる。

 隣の彼はもう家族の一員と言っていい。理想的な施主と建築家との関係に背筋が伸びる思いだ。

 外はドップリと闇に包まれた。参考にさせて頂いたこの家を後にし、同士との楽しいひと時へ向けて車に乗り込んだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする