仏は自らの生命領域として自らの国土を持つ、それが清浄であるので浄土という。
有名なところでは、阿弥陀仏の極楽浄土、薬師如来の浄瑠璃浄土、毘盧遮那 (びるしやな) 仏の蓮華蔵 (れんげぞう)浄土、阿上ゥ仏(あしゅくぶつ) の東方妙喜浄土、釈迦牟尼仏の霊山 (りようぜん) および無勝荘厳 (むしようそうごん) 浄土、観音菩薩の補陀落 (ふだらく) 浄土、弥勒菩薩の兜率天 (とそつてん) 浄土 などがあるが、どの仏も浄土を持っている。自らの浄土を持たぬ仏はないのである。
この様相は既成の浄土があってそこに仏がおわすというよりも、仏のおわすところが浄土となるのである。