昨日は「善をなさんとして悪をなす」というマクナマラの言葉を書いたが、世の中には「悪と知りつつ悪をなす」輩もいっぱいいるのだから困ったものである。
05年2月に発効したWHOのたばこ規制枠組み条約作りで、日米独3国で規制の骨抜きを図り、3国を「悪の枢軸」といわれたそうである。
そのドイツが07年9月、公共的な場所での禁煙を定めた受動喫煙防止の連邦法が発効した。米国においてもこの6月22日、たばこの広告や成分を規制する連邦法が成立した。オバマ大統領もスモーカーだが禁煙に努力するらしい。
一方、我が日本では「喫煙は個人の嗜好の問題で、禁煙運動はファッショ」だと言ったり、政治家どももたばこ税の減収を問題にしたばこ規制に目を塞いでいる。
日本だけが悪の枢軸まま取り残されたが、1国だけでは枢軸という言葉も使えない。北朝鮮と同じ野蛮国になり下がってしまった。核は一瞬にしての人殺しだが、たばこは年数をかけての人殺しである。